海外進出に使える助成金・補助金は?機関別、目的別でご紹介

海外進出にあたり、リスクと同時に資金面の課題も大きな障壁になっていると考えられます。特に海外進出初期の場合は、海外展示会への出展企業や現地進出前の現地調査、進出後にも設備投資費用、法人設立費用、現地コンサルティング費用、新規人材採用コストなど、まとまったコストがかかってきます。

今回は、海外進出を検討している企業が利用可能な助成金・補助金について、提供している期間や目的に合った探し方をご紹介します。

海外進出を促進させる助成金と補助金

補助金や助成金は、国や公的機関、地方公共団体より新規事業の設備投資や会社設立費用、事業拡大など事業の創設と発展を目的とした活動に対して金銭的な支援を受けることができる制度です。

海外進出にあたり、必要な予算は少なくありません。2017-2018年版の海外進出白書によると、海外進出検討時の準備予算は「1039万円」だと言われており、容易に集めることのできる金額ではありません。そこで国や公的機関などは海外進出にあたっての資金調達の壁を低くするべく、様々な助成金・補助金を用意し、毎年公募を行っています。

「助成金」と「補助金」の違い

助成金と補助金の違いは、提供元や財源と、受給の難易度が異なる点です。助成金は申請に必要な要件を満たしていれば受給できる可能性が高いのに対して、補助金の場合は公募によるものが多く、要件を満たしても審査が通らなければ受給できないこともあります。

申請期間についても、助成金は申請期間が長期間に渡って設けられているものが多いのに対し、補助金は公募期間が短いものもあります。また、補助金の方が一度に多額を受給できるものが多くなっています。

「助成金・補助金」活用のメリット

助成金・補助金を活用する大きなメリットの1つは、銀行などからの融資とは異なり、原則返済不要で、利息なども無い点です。返済が不要な資金を、海外での新規事業や事業拡大に活用できるメリットは大変大きいと言えます。

またもう1つのメリットとして、助成金や補助金を利用することで支援元の組織の知見やノウハウを共有してもらうことができたり、幅広い業界やプロフェッショナルとのコネクションができたりするメリットが挙げられます。助成金・補助金を使うことで資金面だけでなく経験や知識面でもサポートしてもらえる点では非常にメリットが大きいとけます。

助成金も補助金も、公募の場合必ず採用されるとは限りませんが、公募に挑戦する中で有益な情報を取得することができたり、海外ビジネスに必要とされる知見やノウハウを知ることができたりします。したがって、自社に応募資格があり、自社の課題に合った助成金・補助金であれば、挑戦してみるのがよいでしょう。

「助成金・補助金」活用の注意点

但し、こうした資金援助は、実際に自社が使用した資金の一部を補助・助成するという仕組みで提供されることが多く、融資などとの資金調達とは異なり、申請が通ればすぐにキャッシュが使える訳ではありません。使用した経費の内訳を細かく報告し、援助機関による審査を受けてから受給できる「後払い」の形になりますので、一度支払ってから補助金を受領するまでに一定機関のブランクが生まれることを意識しておく必要があります。

海外進出に活用できる機関別の助成金・補助金制度

次に海外進出に活用できる助成金・補助金制度を機関別にご紹介します。

日本政府が実施する補助金・助成金制度

日本政府が実施している補助金・助成金制度として、経済産業省によるものと、厚生労働省によるものが挙げられます。

経済産業省による補助金は税金が財源となっており、企業促進や地域活性化、中小企業振興、技術振興のための補助を行っています。日本政府として現在日本企業の海外進出を促進しているため、多少な支援制度と補助金の公募が行われています。

それに対して、厚生労働省は主に雇用促進や労働者の職業能力向上などを目的とした助成を行っており、海外進出に特化した支援事業は行っていません。

都道府県、市区町村など各自治体の補助金・助成金

地域に拠点を持つ中小企業の海外進出支援のため、独自の補助金・助成金制度を行なっている都道府県や市町村もあります。例えば海外展示会の出展費用の補助や、販路開拓にかかる費用の補助、地元の中小企業の製品の輸出促進のための補助など、それぞれの地域でそれぞれの支援サービスが提供されています。

経済産業省やJICAなどの組織による補助金・助成金だけでなく、自社が拠点を置いている市や町が地元企業のためにどのような取り組みをしており、どのような支援サービスを行なっているのかを調べることも重要です。

大手企業、政府系金融機関、各種財団の補助金・助成金

大手企業や政府系金融機関でも独自の補助金・助成金制度を持っている組織があり、例えば優秀なビジネスプランに対して資金を援助したり、研究開発費用を助成したりと、様々な種類のものがあります。

海外進出に使える補助金・助成金の検索方法

機関別、自治体別に多様な補助金・助成金がありますが、なかなか情報が入ってこず、見つけるのが難しい場合もあります。以下のサイトでは補助金・助成金情報が整理されているので、ご利用を検討中の場合はこまめにチェックすることをおすすめします。

中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の助成金検索

企業経営や創業に役立つ補助金や助成金などの情報を、募集対象地域や分野ごとに探すことができます。
http://j-net21.smrj.go.jp/snavi/support

海外進出に活用できる目的別の助成金・補助金制度

次に、海外進出のプロセスによって目的別で利用できる助成金・補助金をご紹介します。

計画・ブランディング戦略のための助成金・補助金制度

海外進出を検討している段階、計画している段階から利用できる助成金・補助金の中から、4つご紹介します。

JAPANブランド育成支援事業

1つめに、「JAPANブランド育成支援事業」の補助金です。中小企業庁が実施しており、中小企業が作る地域の産物や技術の魅力をさらに高めることで、世界に通用するブランド力を確立するために必要な経費の一部を補助してもらえる補助金になります。

支援対象となるのは、商工会、商工会議所、組合、NPO法人、中小企業者です。戦略策定段階であれば補助率は定額、補助上限額は200万円とされており地域の強みを分析して明確なブランドコンセプトと基本戦略を固めることを目的とした専門家の招聘や市場調査、セミナー開催といった取り組みに対して支援を受けることができます。

ブランド確立段階であれば補助率は1・2年目が2/3、3年目が1/2で補助上限額は2000万円となっており、中長期的なブランド確立を目的とした専門家の招聘、新製品の開発、展示会出展といったプロジェクトに対して支援を受けることができます。

中小企業庁「JAPANブランド育成支援事業」:https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/chiiki/japan_brand/

中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金

2つめに、中小企業の外国出願を支援する「中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金」です。特許庁が実施しており、ジェトロや各都道府県の中小企業支援センターなどを通じて申込が可能です。外国への事業展開等を計画している中小企業等に対して、外国出願にかかる費用の半額を助成し、中小企業の戦略的な外国出願の促進を目的としています。

知的財産権は国ごとに独立しているため、日本で特許や商標を登録しても海外では権利として成立せず、進出先でも特許権や商標権を取得する必要があります。こういった権利の取得は技術力やブランドの裏づけとなって海外展開を有利に進めることでき、また模倣被害の対策にも有効ですが、海外での知的財産活動費は高額であり中小企業にとって大きな負担となっているという課題があります。

支援の対象者は中小企業者または中小企業者で構成されるグループ、地域団体商標の出願については商工会議所、商工会、NPO法人が対象です。外国特許庁への出願料や国内・現地代理人費用、翻訳などが補助対象経費で、補助率は1/2、案件ごとの上限額は特許が150万円、実用新案・意匠・商標などが60万円、冒認対策商標が30万円となっています。

特許庁「中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金」:
https://www.jpo.go.jp/support/chusho/shien_gaikokusyutugan.html
ジェトロ「外国出願費用の助成(中小企業等外国出願支援事業)」:
https://www.jetro.go.jp/services/ip_service_overseas_appli.html

技術協力活用型・新興国市場開拓事業(社会課題解決型国際共同開発事業)

3つめに、開発途上国の社会課題の解決と日本の中小企業の海外展開の促進を目的とする技術協力活用型・新興国市場開拓事業(社会課題解決型国際共同開発事業)です。経済産業省が実施しており、製品・サービス開発等支援事業とビジネスサポーター支援事業の2種類から選ぶことができます。

製品・サービス開発等支援事業は、開発途上国が抱える社会課題の解決に繋がる製品・サービスの開発に、現地の大学・研究機関・NGO・企業等と共同で取り組む中堅・中小企業を支援するものです。ビジネスサポーター支援事業は、アフリカ等発展途上国におけるビジネスサポーターへ支援を行い、開発途上国の社会課題の解決と中小企業の海外展開促進を目的としています。

経済産業省「技術協力活用型・新興国市場開拓事業(社会課題解決型国際共同開発事業)」:https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/2020/k200117006.html

普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)

4つめに、途上国の課題解決に貢献し得るビジネスの事業化を目的とする「普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)」の支援制度です。JICAが実施しており、途上国の課題解決に貢献し得るビジネスの事業化に向けて、実証活動を含むビジネスモデルの検証、製品理解の促進、ODA事業での活用可能性の検討等を通じて、事業計画案を策定します。

原則、JICAの事務所または支所のあるODA対象国への進出が対象となっており、環境・エネルギー、廃棄物処理、水の浄化・水処理、産業育成、福祉、農業、教育、保健医療、防災・災害対策といった分野を対象としています。ほかに、基礎調査や案件化調査の段階から利用できる支援事業もあります。

JICA「普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)」:https://www.jica.go.jp/priv_partner/activities/smebvs/index.html

海外ビジネス発展のための助成金・補助金・融資制度

次に、海外ビジネスを発展させていくために利用可能な助成金・補助金・融資制度を2つご紹介します。

海外見本市・展示会出展支援(ジャパン・パビリオン)

1つめは、海外展示会・商談会への出展を支援するジェトロのサービスです。ジェトロが参加する海外見本市では、ジャパンパビリオンとして日本企業を集めて、日本ブランドとしてアピールする機会を作っています。

ジェトロの当サービスを利用すると申し込み手続きやブースデザインなどの手間が省けると同時に、出展にかかるコストを抑えることができ、展示会によってはジェトロが一部出展経費を補助するものもあります。またジャパンパビリオンとしてアピールすることができるため、集客力の向上も期待できるメリットがあります。

ジェトロ(JETRO)「展示会・商談会への出展支援」:https://www.jetro.go.jp/services/tradefair/

海外展開・事業再編資金

2つめに、日本政策金融公庫による「海外展開・事業再編資金」の融資制度をご紹介します。経営上海外展開が必要または、海外事業の業績が悪化し国内事業に悪影響が及んでいる場合に、日本政策金融公庫より必要な設備資金と運転資金を融資してもらうことができます。利率は条件によって異なります。

日本政策金融公庫「海外展開・事業再編資金」:
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaigaitenkai_t.html

中堅・中小企業向け融資

3つめに、国際協力銀行(JBIC)による中堅・中小企業向け支援の施策です。日本企業の海外投資や輸出などに必要な長期資金を、投資金融や輸出金融などを通じて、民間金融機関との協調融資等を行うことで支援しています。

国際協力銀行「中堅・中小企業向け融資」:https://www.jbic.go.jp/ja/business-areas/sectors/smes.html

まとめ

海外進出と展開には、多額の資金が必要となり、資金面でハードルが高いと感じている企業も多いのではないでしょうか。国として様々な機関で補助金・助成金制度が提供されていますので、定期的に情報をチェックし、積極的に活用されることをおすすめします。

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