越境EC市場規模の動きが止まらない!日米中と東南アジアその後の動きは?

この記事では「越境ECの市場規模」について詳しく解説します。

越境ECの市場規模は年々成長し、特に中国と東南アジアの成長率はとても大きなものです。各国で国内ECサイトは数多くある中でなぜ海外の製品が人気になっているのでしょうか。越境ECをこれから始めようと検討している方はどんな国をターゲットにするべきか参考にしてみてください。

この記事では

  • 2020年には100兆円を超える越境ECの世界規模
  • 日本・米国・中国の越境EC市場規模
  • 越境ECの今後の動向
  • インバウンドと越境ECが関係している理由

について解説していきます。

1.2020年には100兆円を超える越境ECの世界規模

越境ECの世界規模はで2014年には約25兆円、2019年には約90兆円と拡大していきました。そして2020年は109兆円を超える規模に成長する見込みがあります。急激な成長にはどのような要因があるのか、紹介していきます。

1-1越境ECが世界から注目され、伸びている理由とは?

越境EC市場が世界的に年々拡大していますが、その理由はどこにあるのでしょうか。理由は大きく分けて3つあり、まずひとつに世界的にスマートフォンが普及したことです。スマートフォンはいつでも・どこでもインターネットにつなげるメリットから、わざわざ自宅から出ることや時間にとらわれることなく24時間いつでも好きな時間にショッピングを楽しむことができます。越境ECでは自国では販売されていない製品も手軽に購入できることから人気があります。

次に幅広い価格帯で品質のいい商品が数多く販売されていることです。安かろう悪かろうでECで販売されていた時代から、品質が良い商品が立ち並ぶように変化し、さらに販売価格を抑えるようにした企業努力によって低価格でより良い品を購入することができます。

3つ目の要因はECサイトによって自動で翻訳できる機能がつき海外発送が容易になったことで、海外への新規参入に時間と手間がかからない点にあります。そのため規模が小さな企業や自社ブランドでも、だれでも世界へ発信することができることから出店数の品揃えの豊富なECモールへとなっています。

1-2越境ECで日本製品を購入した人の利用頻度

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

越境ECで日本製品を購入した経験のある中国人へ調査したところ、月に1~2回の割合が43.1%と日本製品の人気を裏付けるものであります。そして半年に1~2回や年に1~2回の多くは毎年11月11日の「独身の日」などでのイベントやセール日に合わせて利用する人も多いことでしょう。

1-3越境ECの成長推計

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

続いては直近1年間で中国人が越境ECを通して「購入した日本製品」や「これから購入したいと思う日本製品」のカテゴリーを確認した結果が上記グラフの通りです。トップが「基礎化粧品・メイクアップ化粧品」約45%、次に「食品」「アニメキャラクターグッズ」が各43%です。それ以降の順位でも基本的に化粧品類が上位となっているので、ビジネスプランを立てるのに売れ筋や人気度を把握は重要になるでしょう。

2.日本・米国・中国の越境EC市場規模

日本・米国・中国における平成30年の越境EC市場規模については、前年比率は下がりつつも世界規模では上昇し特に中国では目立った動きを見せています。それぞれ市場規模や詳細について紹介します。

2-1越境ECの世界規模

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

まず世界の越境EC市場を見ていきましょう。主要国での越境EC市場の売上推計値では、2014年2,330億米ドルから2018年6,760億米ドルまでの4年間の成長率は29%増の伸びがありました。2019年以降は予測推計値で、前年比20%台の拡大成長が見込まれています。2020年には9940億米ドル(109兆円)と今後も右肩上がりと予想されるでしょう。

2-2越境ECの国別市場規模

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

平成30年においての国別の越境EC市場規模は上記の図です。消費国第1位に米国400億米ドル、第2位に米国とあまり差を広げず中国が390億米ドル、第3位は英国120億米ドルと大きく引き離しています。

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

しかし越境ECの利用者数においては、米国と約2倍の差を開いて第1位7,000万人で中国が、第2位に米国、第3位に英国という結果でした。世界全体の利用者数増加要因としては、スマートフォンが普及され、場所や時間を問わず取引できる環境が整ってきていることや、SNSの利用により世界で多くの製品が目にしやすくなったことです。

特に中国においては人気インフルエンサーによる動画配信「イーコマース」が爆発的に人気もあって、消費意欲が高まったとことが市場全体として底上げされたと予想されます。中国国内ではユーザー数が増加傾向にあることから、ますます市場規模が増えていくでしょう。

2-3日本の越境EC市場規模

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

中国は急激な拡大成長を見せる中日本の市場規模は、2017年953億米ドルから2018年1,093億米ドルと増加しているもののあまり伸び率はありません。2016年から2017円を比べても前年比6%となりあまり差がなかったことから、伸び悩みが続くことでしょう。この背景には自国サイトで十分に満足できるという理由が半分を占めており、次に多言語の対応に苦労してしまうことや信用度がないといった理由にあります。

2-4東南アジア

参考:平成29年度アジア産業基盤強化等事業
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000013.pdf

主要ASEAN6カ国(インドネシア・シンガポール・タイ・ベトナム・フィリピン・マレーシア)のEC市場規模は、2017年の178億米ドルから5年後の2021年には約2倍の338億米ドルの規模へ成長すると予想されます。ASEANの中で人口が多いインドネシアは年間20%の伸び率、その他の国では年間平均15%も伸びている計算になります。

その理由にはスマートフォンなどのモバイル利用者が増加していることにあります。スマートフォンの普及や安定したインターネット環境が整いつつあります。中国や米国などと比べ規模は小さいですが、若い世代が多い東南アジアのGDPの成長、今後まだまだポテンシャルが高い市場として越境ECのターゲット国候補として考える必要がそうです。

3.越境ECの今後の動向

越境EC市場は今後どのような動きになっていくのでしょうか。

3-1越境ECポテンシャル推計値

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

上記の表では越境ECのポテンシャル推計を表しています。日本からの米国と中国への購入額は1.14倍の横ばいに近いですが、米国は1.69倍、中国では1.64倍と右肩上がりの成長率が見込まれます。日本国内で越境ECが利用されないこととして国内のECサイトで品質の低さや言語の壁が大きいとしていることにあります。そのため日本国内で越境ECを利用している人は全体の6%未満と、国内越境ECが広がることは少ないでしょう。

3-3インターネットの利用動向

参考:平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H30_hokokusho_new.pdf

越境ECの売上を大きく成長させる理由には、スマートフォンの利用が鍵となってきています。上記の図は過去1年間で越境ECを利用した人が、どんな端末を利用して購入したかになりますが、売上とユーザー数を増やす中国が42%の割合でスマートフォンを利用していることです。これには中国で人気の「ライブコマース」や「SNS」を利用した販促が大きく関係しています。また支払いに関しても「キャッシュレスQRコード決済」の利用率が高いことも後押ししているでしょう。

越境ECで購買率やユーザー数を増やすには、スマートフォンでのプロモーションやSNSをうまく連携し活用することが大切です。

4.インバウンドと越境ECが関係している理由とは

訪日者が日本でお金を使うインバウンド(訪日外国人旅行者)と、インターネットで海外から購入する越境ECとはあまり関係がないように思われがちですが、実はインバウンド人口が増えると越境ECも比例して盛り上がる傾向にあります。それは越境ECで商品を購入するまでの流れにヒントが隠されていることを解説します。

4-3越境ECで商品を購入するまでの流れ

インバウンドと越境ECが密接な関係である理由は、訪日することがまずきっかけの一つとなっています。下記は訪日中国人が越境ECで日本製品を購入するまでの流れの例です。

中国人が訪日して日本製品を購入
中国へ帰国後、気に入った商品を越境ECサイトでリピート購入
口コミサイトやSNSによって周知されて行く
訪日経験のある人は別な製品を試したい欲から、口コミなどで得た情報によって新たな製品を購入
訪日経験のない人は訪日して購入、そしてSNSなどで共有することで情報がさらに拡大

このように日本製品を手に取るまでのきっかけは「訪日」または「SNSや口コミ」で大きく連動しているのです。つまりインバウンド市場が盛り上がれば盛り上がるほど、越境EC市場も比例して拡大へとつながっていくことができます。

4-2越境ECで購入する理由

そもそもなぜ日本製に人気が集まるのでしょうか。実際に日本製品を購入した中国人に対して越境ECを利用して「購入した理由」や「これから購入したい理由」を聞いた調査結果が上記グラフの通りです。

越境ECを使って日本製品を購入した理由は、69.1%と多くの人が「中国国内では手に入らない製品だから」という理由でした。中国人の多くは日本へ訪日や製品に興味を持ち、訪日者数は2014年241万人、2018年には838万人と3.5倍に大きく拡大しています。

そして訪日者数が爆発的に増えた結果として、越境ECを使って購入した理由として大きく逆転したのが「訪日旅行で購入し気に入ったこと」や「価格が安い」ということです。2017年頃まで中国人による爆買いとして多くのモノが消費され、それらは転売業者によって中国国内でかなりの高値で取引されていました。しかし転売業者に対して厳しい法律が決まったことによって、越境ECで売られる正規ルート販売業者が活性化され、ニセモノ品や釣りあげられた高価格の製品が少なくなってきている現状があります。

5.まとめ

越境ECの市場規模について解説しました。

まとめると

  • 越境ECの世界規模が拡大する要因は「スマートフォンの普及が関わっている」
  • 日本・米国・中国の越境EC市場規模「日本は横ばいで、中国は爆発的な成長」
  • 越境ECの今後の動向「今後もますます拡大」
  • インバウンドと越境ECが関係している理由は「訪日することで日本製品に出会うことで再購入する連動性があるから」

です。

越境ECの市場規模は今後も大きな期待が魅力的といえるでしょう。

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