【2024年最新版】越境ECの市場規模は?日本・世界のEC市場の成長率も調査

近年、越境ECが注目されていますが、実際の需要はどのようになっているのでしょうか。インターネットが普及することでネットショッピングの利用率も格段に増え、越境ECのシェアは非常に拡がっています。

越境ECといえば中国やアメリカが主流となっていますが、東南アジア圏内のEC市場にも注目が集まるばかりです。

今回は、こうした現状を受けて、コロナ後の越境ECがどのような規模になっているのか、各国の注目度はどのくらいなのか、ということについて解説していきます。

越境EC全体の状況はもちろん、中国、アメリカ、日本など各国の越境ECに関する注目度についても触れています。ぜひチェックしてみてください。

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越境ECの市場規模は2030年までに約1,190兆円に!

市場規模の変動をチャートで示したイメージ

世界におけるECの市場規模について、下記資料のデータを引用して解説いたします。

ネットを利用したショッピングとして、ECサイトは以前から注目されていました。国内でも利用者は多いですが、ネットでのショッピングは海外とのやりとりもできることが大きな魅力です。

そうした中、2023年8月に経済産業省から発表された報告書によりますと、中国を中心に越境ECの世界市場規模は急速に拡大すると予測されています。

2021年には7,850億USドルだった越境ECの市場規模は、2030年には7兆9,380億USドル、日本円で約1,190兆円にも達します。(1USドル=150円で計算)

ECの市場拡大は今だけに見えますが、今後もどんどん需要が伸びていくことが予測されています。越境ECを活用した商品の販売方法や、ECサイトで売ることを念頭に商品開発が進められていくことも増えるでしょう。

「令和4年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002-1.pdf

越境ECの市場規模が拡大し続ける4つの理由

reasonと記載されたブロック

世界中で越境EC市場が急成長しています。今後も成長が拡大し続ける理由として、以下で4つ紹介します。

1.スマートフォンの普及によるインターネット利用率の上昇

近年、インターネットの普及率が格段に上がってきています。スマートフォン1台である程度の事はできるようになりました。1人1台デバイスを持つことは当たり前になっており、気軽にネット上の世界で交流することが可能になっています。

一昔前は、インターネットを利用するために、高額なパソコンを買わなければならない時代でした。そのためネットの利用率も低く、今のようにネットショッピングが普及することもありませんでした。

現在ではスマートフォンなどを使って手軽にインターネットを利用でき、定額プランなどもあるため、思う存分ネットを楽しめるようになりました。ネットサーフィンという言葉も生まれ、通販サイトなどが登場します。そしてそのフィールドは世界に拡大し、越境ECの需要が高まってきたのです。

インターネットの需要が高まることで、ECサイトを利用する人も軒並み増加。現在のように、世界中で利用されるサービスへと成長しました。

2.コスト削減を図ったEC化率の上昇

現在ECサイトを運営している企業は、最初からECサイトを行っていたわけではありません。もちろんそのようなサイトもありますが、もともと実店舗型だったお店がECに参入し、成功させているケースも少なくありません。

ここまで紹介してきたように、今やECサイトの需要は劇的に増加しています。実店舗と比較して人件費やお店の維持費なども不要であり、コストをかけずに運営ができる点が大きな魅力でもあります。そのため、近年ではお店のEC化に乗り出す企業も増えているのです。

3.訪日外国人によるリピート購入

訪日外国人が日本で美容商品や食料品、家電などを購入し、自国に帰ってから使用して気に入るというケースがあります。

しかし、自国で日本の商品を買おうとしても、商品数が少なかったり、取り扱っていないことが多いでしょう。そのため、越境ECを利用することで、日本の商品をリピートします。

また、一度も日本に来たことがない外国人でも、友人や家族から日本の商品を紹介されることにより、日本製の商品を購入しようとします。

コロナ渦によって一時的に訪日外国人数は減少したものの、2023年には急速に回復しており、コロ渦前の状態に戻りつつあります。JNTO(日本政府観光局)の報告によると、2023年3月の訪日外国人数は、コロナ渦前の2019年同月の65.8%まで回復しています。

この調子で訪日外国人数が回復しますと、2024年にはコロナ渦前と同水準に達し、それに伴い越境EC市場も急激に成長すると考えられています。

訪日外客数(2023年3月推計値)3月:1,817,500人、個人旅行再開以降で最高を更新(JNTO)

4.人口減少が懸念される中での商圏拡大

日本国内では少子高齢化に伴う人口減少により、消費人口も減少しております。今後の日本の消費は減少すると予測されているため、潜在的な顧客が多い海外で新規顧客獲得を目指すのは自然な流れでしょう。

越境ECなら海外展開を行うことが容易です。海外展開による商圏拡大のために越境ECを活用する企業が増えたことが、越境ECの子女規模が拡大している要因となっています。

海外マーケットは日本とは比べ物にならないほど巨大であり、日本の商品やサービスが広く認知されている地域もあります。越境ECを活用し、海外マーケットを商圏とすることには、考え方次第で大きな可能性に繋がると言えるでしょう。

日本・アメリカ・中国の越境EC市場規模について

中国と日本間の取引では、圧倒的に中国の購入額が高くなっています。日本は300億円超え程度なのに対し、中国側は2兆を超える購入額。日本の製品に対する興味が見て取れます。

一方、日米間の取引はどうでしょう。アメリカは、中国からの購入額よりも、日本からの購入額が多いという結果に。対して日本は中国経由の買い物よりも、アメリカ経由の買い物の方が多いです。日本はまだそこまで越境ECの普及が広まっていませんが、アメリカでは主流になってきていることがわかります。

最後に、米中間の取引を見てみましょう。やはりこちらも、中国の購入額の方が圧倒的に多い結果となっています。購入額は3兆に届くくらいの勢いで、アメリカの市場への需要が高まっていることがわかります。

令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf

電子商取引に関する市場調査の結果まとめhttps://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

東南アジア圏内のEC市場規模

日米中のEC市場について触れてきましたが、注目すべきはこの3カ国だけではありません。これらの国のEC市場の拡大に伴い、東南アジア全体においても市場が拡大することが見込まれています。

JETROによる発表では東南アジア主要6か国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)による2023年のデジタル経済の規模が前年比11%増の2,180億ドルになると予測されています。

2023年以降2025年までの期間に年平均で16%成長し、2025年の市場規模は2,950億ドルと見込まれ、EC単体でも1,860億ドルに達すると考えられています。

東南アジアは、日米中のような先進国ではありません。インフラの整備も整っていない国もありますが、それでもECの需要は高く、今後の成長に期待がかかっているのです。中国の巨大ECサイト「アリババグループ」からの買収や独自のECプラットフォームの構築などにより、さらにシェアが広がっていくと考えられます。

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越境ECの市場拡大による日本への影響

世界中で越境EC市場が拡大しているため、少なからず日本への影響もあります。主に観光をきっかけに日本製の商品やサービスは認知を集めていたわけですが、越境ECの成長により、注目度は加速しています。

越境ECで売れている日本の製品

越境ECによる日本製品への需要は非常に高いです。世界的に見ても「made in japan」が大きなブランドとなるほど、日本製の製品への信頼は高いのです。こだわりを持って仕事をする日本人が作り出す製品は、「品質が良い」として、世界中から注目されています。

日本製品の中でも特に人気があるのが、食品や化粧品、ベビー用品です。これらのジャンルは、特に品質を重視して選ぶ人が多いもの。できるだけ良質のものを使いたいと、日本製を求める人が多くなっています。

また、日本の作品が注目を集めていることから、アニメ・漫画に関連する製品の需要も高まっています。日本と同様に海外でも「推し活」に火がつき始めており、コロナ禍によるステイホーム文化が根付いたことも、人気の理由の一つとなっています。

他にも、日本製への需要が高いことから、日本の楽器や中古ブランド品などの需要も高いのが特徴。円安による影響で、日本の商品を安く購入できるのも魅力となっています。

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越境ECで日本製品を購入した人の利用頻度

前述したとおり、越境ECを利用して日本の製品を購入する人は増えています。

「Buyee(バイイー)」と「Buyee Connect」を利用されている海外のお客様、1,900名へのアンケート結果によると、約6割が月に1回以上、約2割が月に5回以上日本の越境ECを利用。

また、半年に1回や1年に1回利用するという人も。中国には、ECサイトを使ってショッピングをする「独身の日」というものがあり、毎年11月11日にはECサイトが大盛り上がりを見せます。このタイミングで日本製品を購入するという人も多いものです。このように、イベントやセールを理由にECを利用する人も増えています。

~越境ECを利用する海外のお客様1,900名にアンケート~6割以上が「円安後に越境ECの利用が増えた」

越境ECで商品を購入するまでの流れ

スマホを使ってECサイトで買い物をする男性

越境ECをを利用して商品を購入する場合、「どのような段階を踏めばいいのかわからない」という人も多いでしょう。ここからは、越境ECの使い方を紹介していくので、チェックしてみてください。

購入する方法としては、シンプルで難しくはありません。気になるECショップにアクセスして、目当ての商品が見つかったら購入すればOK。基本的には普通の通販と変わりません。

購入後は、出店しているお店側が商品を準備し、発送をします。海外からの送付となるので、国内の通販よりもやや時間はかかります。また、海を越えてのやりとりとなるので、手数料や送料なども国内の通販よりはかさんでしまうのはデメリットではあります。

ただ、そうはいっても、海外にしかない製品を購入できるという点においては大きな利点。気になる製品があれば、ぜひチェックしてみてください。

気をつけてほしいのは、購入できない製品もある、ということです。国外から製品を購入する場合、輸入という扱いになるので、流通のチェックも厳しくなります。例えば、空輸などの場合に危険性が増すアルコール製品はNGです。

また、販売元の国で輸出が禁止されているものや、日本で輸入が禁止されているものも、もちろんアウト。購入できても、手元に届かない可能性があることを、頭に入れておきましょう。

まとめ

今回は、越境ECについて紹介してきました。越境ECの市場規模は今や、とどまるところを知らない勢いで拡大しています。家にいながら、海外の製品を気軽に購入できる越境EC。出店者にとっても消費者にとってもメリットが大きいため、今後もこの市場は成長し続けていくでしょう

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