「越境ECにはどのようなメリットがあるのか?」
「越境ECはどのくらいの市場規模なのか?」
「そもそも越境ECとはどのようなことをするビジネスなのか?」
などの悩みがあるのではないでしょうか?
確かに、これまで越境ECを利用したことが無いと、本当に海外で商品を販売しても大丈夫なのか不安になることもあるでしょう。
しかし、世界のEC市場が拡大の一途をたどっているため、越境ECを利用することで今まで以上の顧客を獲得できる可能性があります。
そこで、本記事では以下の3点について詳しく解説します。
- 越境EC市場が拡大している理由
- 越境ECを利用することのメリット
- 越境ECを活用する際の注意点
「自社の製品やサービスを海外で販売することに興味がある」という方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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目次
越境ECとは?
越境ECとは、インターネットを活用することで、日本から海外に向けてEC事業を展開するビジネスモデルのことを指します。
それでは「なぜ越境ECが注目されているのか」「越境ECの市場規模はどの程度拡大しているのか」を見ていきましょう。
越境ECが注目されている理由について
越境ECが注目されている理由は、市場規模の成長性とユーザー側のメリットの2点です。
中国を中心に越境ECの市場規模は急拡大しており、2021年では7,850億USドルであった市場が、2030年には約10倍の7兆9,380億USドルまで成長すると考えられています。
参考:令和4年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書
また、越境ECはユーザーにとってもメリットが大きく、手軽に海外の商品を購入できることや、より多くの商品から好みのものを選べることがポイントです。
特に、悪質な商品が横行している中国や、親日である東南アジアの国々では、メイドインジャパンの信頼性の高さから購入に至るケースも目立ちます。
そのため、これまでとは異なるユーザーに商品を届けられることで需要拡大を期待できることが、越境ECが注目されている所以です。
日本・アメリカ・中国の越境EC市場規模
日本・アメリカ・中国の3か国間での2022年EC市場を見てみると、日本は3,954億円であるのに対し、中国は5兆68億円、アメリカは2兆2,111億円です。
日本から中国やアメリカの商品を購入するケースは少ないですが、中国やアメリカから日本の商品を購入する割合が高く、それぞれ2兆2,569億、1兆3,056億となっています。
このことからも、日本国内だけで見れば越境ECの認知度は少ないものの、世界で見れば越境ECの注目度は高まっています。
特に日本の商品は注目を集めているため、商品のターゲットが特定の地域にマッチすれば、大きな収益拡大に繋がることもあるでしょう。
越境ECをおすすめするの4つの理由
越境ECをおすすめする4つの理由は以下のとおりです。
- 海外の顧客を容易に獲得することができる
- 実店舗よりも出展や店舗運営を行いやすい
- 日本製品に魅力を感じている顧客がいる
- 国内よりも有利にビジネス展開ができることがある
それぞれ見ていきましょう。
1.海外の顧客を容易に獲得できる
越境ECを利用すれば、国や特定の地域に依存することなく、世界中の顧客に商品を届けることができます。
日本国内だけで見れば、人口減少や少子高齢化が影響し、思うように顧客を獲得できないこともあるでしょう。
しかし、越境ECでは海外の顧客を容易に獲得できるため、売上のアップにつながるなどのメリットがあります。
2.実店舗よりも出店や店舗運営を行いやすい
越境ECを利用すれば、すぐに商品を海外の顧客の顧客に届けることができます。
実店舗での出展ですと、テナントを契約したり、人を雇ったり、商品を輸送するなど手間がかかります。
一方の越境ECならば、現地でテナントを契約したり、人を雇う必要はありません。
ECサイト1つで海外展開ができるため、海外ビジネスをする上で大きなメリットとなります。
3.日本製品に魅力を感じている顧客がいる
メイドインジャパンと言われるほどの品質の高さや、外国人観光客が爆買いする様子からも想像できるように、日本の商品は世界中で人気となっています。
既に日本製品の良さが知れ渡っている地域で販売すれば、より容易に商品がユーザーに届くこともあるでしょう。
越境ECを利用して日本の製品を購入したい人は多いため、上手く活用すれば思わぬ売上につながることも考えられます。
4.国内よりも有利にビジネス展開ができることがある
商品やサービスによっては、国内では市場が飽和しており、思うような売上が見込めないこともあるでしょう。
そこで、市場を海外に移せば、ライバルも少なくビジネスを有利に展開できることもあります。
特定の地域に商品やブランドを根ざせば、別の商品を販売したり、他の地域に展開することも可能です。
日本国内ではレッドオーシャンであった市場も、海外に視点を移せばブルーオーシャンであることは十分に考えられることです。
越境ECにおける2つの注意点
越境ECには、メリットだけでなく注意点もあります。
以下の2つの注意点は抑えておきましょう。
- 輸送コストが高額になることがある
- 国や地域によって異なる対応が必要になる
それぞれ見ていきましょう。
1.輸送コストが高額になることがある
越境ECでどうしても問題になるのが、輸送コストです。越境ECを利用するためには、基本的に日本から海外に商品を輸送するため、国内への発送よりも高額になります。
現地のユーザーにとっても、輸送コストの費用が重なるのは大きなネックでしょう。
また、商品によっては長距離の輸送に向かないこともあるため、意図したとおりに販売できるか入念に確認しなければいけません。
2.国や地域によって異なる対応が必要になる
越境ECを利用する場合、国や地域によっては独自の対応が求められることがあるため、注意が必要です。
たとえば、EU圏で越境ECを行うためには、GDPR(EU一般データ保護規則)の個人情報の取り扱いを満たさなければいけません。
その他、国ごとに翻訳が必要であったり、規則などが設けられていることがあるため、越境ECを利用する前にチェックしておきましょう。
BuyeeConnectを利用すれば、最大で18言語に対応した越境ECが利用できるため、おすすめです。
越境ECの成功事例
越境ECを利用したことで、大きく成功した日本企業があります。
例えば、多慶屋は東京都御徒町にあるディスカウントショップで、年間約43万人が訪れる繁盛店です。
越境EC事業では、購入代行サービスの「buyee」にECサイトを開設したことで、来店したユーザーが帰国後も購入できる仕組みを作りました。
その他にも、「オタクモード・ドットコム」は日本のゲームやアニメなどの関連グッズを販売する店です。越境ECに取り組んだことにより、欧米諸国を中心に幅広い国で商品を販売することができました。
より詳しい成功事例を確認したい方は、越境ECの日本企業成功事例は?メリット、注意点まで解説で詳細を見ることができます。
越境ECを始める前に知っておくべきこと3選
以下は、越境ECを始める前に知っておくべきこと3選です。
- 商品やサービスが越境ECに向いているかどうか
- 商品やサービスに対しての海外ニーズがあるか
- 越境ECには「モール型」と「自社サイト型」があること
それぞれ見ていきましょう。
1.商品やサービスが越境ECに向いているかどうか
越境ECを利用する前に、自社の商品やサービスが向いているかどうかを見極めるようにしましょう。
越境ECを利用すれば海外の顧客を獲得することはできますが、商品やサービスが海外向きでなければ売上の増加につながりません。
また、長距離の輸送で傷つきやすい商品や、海外では用途の異なる商品などは、思うように売上を伸ばせないことがあります。
確かに越境ECは需要が高まっていますが、本当に海外で販売しても良いのか、今一度よく検討しなければいけません。
2.商品やサービスに対しての海外ニーズがあるか
日本の製品は品質が高いことから海外ニーズがありますが、全ての商品にニーズがあるわけではありません。
ニーズのない地域に商品を販売しても、思ったような集客は見込めないでしょう。
逆に、需要の高い地域に商品を販売することができれば、大きな売上となるため、販売する地域にニーズがあるのか情報を集めるようにしましょう。
3.越境ECには「モール型」と「自社サイト型」があること
越境ECには「モール型」と「自社サイト型」があります。
モール型はAmazonや楽天市場と同じような要領で、一つのサイトに様々なお店が出展します。
一方の自社サイト型では、自社でECサイトを立ち上げます。
海外では「shopify」が有名なプラットフォームとなっており、プラグインを利用することで、自社のショップを好み通りに改良することができます。
どちらも良し悪しがあるため、詳細が気になる方は越境EC支援サービスの選び方をわかりやすく解説を参考にしてください。
越境ECを始めるための準備5ステップ
越境ECを始めるための5ステップは以下のとおりです。
- 販売する商品を準備する
- 販売ターゲットを明確にする
- 法律や規制、商習慣を確認する
- 人員と予算を確保する
- 越境ECサイトの出展方法を決める
それぞれ見ていきましょう。
1.販売する商品を準備する
まずは、販売する商品を準備しましょう。思わぬ需要や突然のトラブルにも対応できるように、余裕を持った在庫を確保することが必要です。
商品によっては現地の法律に触れたり、輸出の規制対象となることもあるため、入念に調べるようにしましょう。
2.販売ターゲットを明確にする
越境ECを活用すると、世界中のユーザーに商品を届けることができる反面、ターゲットを明確にしなければコストが膨れ上がる原因となります。
また、国によって文化や価値観も変わってくるため、本当にターゲットが絞れているのかは、十分にチェックしなければいけません。
効率的に売上を伸ばすためにも、どのような国にどのようなニーズがあるのかを明確にしましょう。
3.法律や規制、商習慣を確認する
前述した通り、国や地域によって法律や規制、商習慣は全く異なります。
地域によっては売上が拡大しやすくても、別の地域では反応を得られないこともあります。
販売が決まってからトラブルに見舞われると、足止めされてしまうため、販売する地域の情報は集めておくと良いでしょう。
国ごとの関税や注意点が気になる方は、越境ECと関税について国別の注意点をわかりやすく解説から詳細を確認することができます。
4.人員と予算を確保する
万が一に備え、人員や予算は必ず確保するようにしましょう。
越境ECを利用すれば、現地で従業員を雇う費用や店舗を借りる費用がかからないため、コストを抑えて出展することができます。
しかし、国境を越えたビジネスをする以上、思わぬトラブルに見舞われることや、予想外のコストがかかることがあるでしょう。
トラブル時に備えるためにも、十分な予算を用意したり、現地の人とコミュニケーションが取れるような、語学に堪能した人を雇うことがカギとなります。
5.越境ECサイトの出店方法を決める
越境ECの利用方法には「モール型」と「自社サイト型」があることを前述しましたが、他にも現地法人を設立したり、現地のモールへ出展する方法もあります。
現地法人を設立すれば、大規模なビジネス展開も可能ですし、現地のモールを利用すれば、予算を抑えて手軽に越境ECに取り組むことができます。
越境ECの活用方法は様々なため、どの手段を取るかを決めるためにも、商品のニーズを明確にしたり、市場を調査することは必須です。
越境ECでビジネスを拡大させよう!
本記事では、越境ECについてメリットや注意点などを解説してきました。
海外でビジネスを行う以上、予想外のトラブルが発生したり、コストが高くなることもあるでしょう。
万が一に対応するためにも、入念に現地の需要を確認したり、十分な予算を用意することが求められます。
一方、越境ECを利用することで、海外のユーザーに手軽に商品やサービスを容易に届けることができるため、大きく市場を拡大できる可能性もあります。
越境ECで不安や悩みがある方でも、BuyeeConnectを利用すれば翻訳などに対応した海外展開ができるため、一度検討してみてください。