【海外市場調査の基本】調査方法の種類や必要な項目、気になる価格相場も

国内・海外問わずビジネスを展開していく上で市場調査は必要なことです。特にこれから海外展開を検討している企業にとっては市場調査は重要なことで、さらに国内でのビジネスよりも調査しなければいけない情報は膨大となります。しかし海外進出のための市場調査は「何を・どこから・どうやって始めれば良いのか分からない」という問題に遭遇する方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は海外進出を検討している企業のみなさまに向けて、「海外市場調査の基本」について紹介していきます。具体的には、

  • 海外進出になぜ市場調査が必要なのか?
  • 海外市場調査に欠かせない6つの目的
  • 海外進出前の市場調査の「手段」と「方法」
  • 海外市場調査にかかる費用相場

について徹底解説していきます。市場調査を十分に行うことで、海外での成功確率や売上・利益を増加させることへと繋がります。市場調査には何が必要なのか、市場調査の予算はどのくらい必要となってくるのかなど気になる疑問点にお答えしています。ぜひ海外進出進出にお役立てください。

海外進出になぜ市場調査が必要なのか?

ビジネスを行う上で市場調査は必要不可欠です。しかし海外進出には巨額の費用を投資することが多いため、失敗リスクを軽減するために国内よりも徹底的な市場調査が必要となります。具体的になぜ市場調査に重点をおかなければならないのか紹介していきます。

海外市場調査とは?

ビジネスには市場調査をすることで、顧客の動向を知ることやビジネス戦略を立てる上で非常に重要な役割を持っているのです。これから海外進出する企業にも市場調査はとても重要で、海外進出する前にどのような商品・サービスをどのように販売するか、価格やプロモーション方法などに活用するための市場調査のことを海外市場調査または海外リサーチとも呼びます。

日本国内は人口の減少や高齢化によって市場が減少していますが、世界では拡大傾向にあります。そのため海外でのビジネス展開には売上・利益の確保や、会社を拡大させるための多くのチャンスが沢山あります。しかし国内と海外でのビジネスを行うと商習慣・価値観・文化など大きく異なるため、進出国・地域で成功できるためにはいくつもの事前調査が必要なのです。

海外市場調査はなぜ必要なのか?

「海外進出する上でライバル企業よりも早く参入し、トライアンドエラーを繰り返していくこと」「既に国内で成功しているから、海外でも同じく成功するだろう」というように甘く考えてしまう方もいるでしょう。しかしどのような状況であっても参入前に進出国・地域、業種、市場の十分な調査は必要不可欠で、その重要性を十分に理解しておかなければなりません。

国内市場同様に顧客の嗜好やライバル企業などのマーケティング調査は大切です。しかし国内と大きく変わるのは現地の文化や歴史的なこと、色やデザインでイメージする感覚的なこと、法律や規則を調査する必要もあります。そして海外進出には自社だけで進出するのは稀で、パートナー企業との協力が必要です。パートナー企業と取引会社など相手企業の能力や資金力を上手く見極められず、大きな損失や撤退しなければならないケースもあります。

海外市場調査を行う上で大切なことは

  • 「仮説を持ったうえで、市場調査を行う」
  • 「市場調査で得た情報を読み解いて自社の商品・サービスと照らし合わせる」
  • 「仮説と結果を比較した上で、ビジネス戦略を練っていく」

ことで成功確率を上げることができます。海外では文化や習慣が異なることから国内では想像できないようなリスクがあり、遭遇してしまった問題に早急に解決するための方法を知る上でも重要となるでしょう。

海外市場調査に欠かせない6つの目的

海外進出において市場調査で必要な項目は、「市場規模」「顧客のニーズ」「競合企業」「規制・法律・商慣習」「パートナー企業」「自社」の6つがあげられます。市場調査によって海外進出が可能なのか、どのように戦略を練るべきか、実用的なフレームワークを作成する上でも重要な判断材料となります。具体的にどのようなことを調査すればいいのか、1つずつ解説していきます。

市場調査の目的①海外の市場規模

まず1つ目に海外の市場規模の分析をすることです。参入を考えている国・地域のカテゴリ規模を「日本国内と比較してどうか」「代理・類似カテゴリと比較してどうか」と把握することで、市場規模、ポジション、競争率を判断することができます。またそれらの結果によって、売上予測を立てることも可能です。

市場調査の目的②顧客のニーズ

2つ目に顧客(ユーザー)のニーズを分析することです。日本と全く同じ商品・サービスを提供する場合でも、海外は文化や習慣が違うことで、予想しているユーザー層と大きく変わることがあります。参入カテゴリや類似品がどのような使い方をしてどのようなニーズがあるのか分析することで、販売方法や訴求方法を計画するために役に立ちます。

市場調査の目的③競合企業

3つ目に競合企業を分析することです。競合企業の売上高・販売ネットワーク・生産体制・組織構成・取引先の状況などを把握することで、自社の立ち位置や顧客にどのように販売していくのか戦略を立てることに役立ちます。さらに競合企業が販売している商品ラインナップや販売方法を把握することで、予定していたターゲットとのギャップを確認することだけでなく、調査対象者を決定するための作業効率もアップします。

市場調査の目的④規制・法律・商慣習

4つ目に進出国・地域の規制・法律・商慣習について調査することです。同じ国・地域だとしても、規制・法律・商慣習が異なり、原材料や成分が規制対象になることがあります。例えばアメリカであれば州別、中国であれば台湾や香港というように、国全体の情報を把握することも必要ですが、販売や進出する地域というように対象エリアを絞ってさらに確認しなければなりません。

市場調査の目的⑤パートナー企業

5つ目に現地のパートナー企業を把握することです。規制や法律に関しては現地の弁護士、国際税に強い税理士、メーカー、物流、仕入先、取引先などパートナーが必要となります。現地にあるパートナー企業だから全て良いわけではなく、国際業務が可能な良いビジネスパートナーと巡りあうことが成功へのカギへと繋がります。

市場調査の目的⑥自社

6つ目に自社の強みや弱みを今一度確認することです。自社が取扱う商品やサービスの強みだけでなく、ノウハウを生かすこともできます。また「日本製品は安全・高品質」というイメージを持つ国であれば、それだけで付加価値をつけることができます。一方で新商品開発力、営業力、決断スピードなど自社にとっての弱みはどこなのかも分析し可視化することで、失敗リスクを軽減することや経営戦略を練ることも可能です。

海外進出前の市場調査の「手段」と「方法」

海外進出における市場調査ではどのような手段があるのか、どのように調査をしたらいいのか分からない人も多いでしょう。市場調査方法にはいくつか種類があります。ここでは海外進出前の市場調査で行う、基本的な「調査手段」と「調査方法」について解説していきます。

海外市場調査【4つの手段】

手段①自社で調査する
現地へ出向いて自社で行う調査方法は、コストを安く抑えられるメリットがあります。さらに自社の強みや弱み、方向性などを理解した上でしっかり調査すれば、現地の声をダイレクトにビジネス戦略へと繋げることが可能です。しかし調査項目や調査方法を明確にしていないと、時間とコストを無駄にしてしまうこともあるので注意が必要です。

手段②支援機関を利用する
海外進出を支援する公的な支援機関を利用する方法です。支援機関にはジェトロ(日本貿易振興機構)、中小企業基盤整備機構、商工会・商工会議所、政府系金融機関、地方自治体等があります。市場調査や法制度・商習慣などの情報と合わせて、販売先・提携先の紹介やマーケティング支援なども行っているので、調査内容やコスト等自社に合った機関を選択するとよいでしょう。

手段③民間の調査会社を利用する
海外展開を支援する民間の調査会社を利用する方法です。国・地域、業界、専門性、調査方法、実績など調査会社によって強みは異なります。調査会社の選び方は実績経験が多いということだけでなく、進出先の文化や歴史について深く知識や理解があるのかが重要となります。また国内・国外の調査会社、日本語・現地語での調査報告、調査手法、データ解析等があるので、予算に合わせて確認しましょう。

手段④現地国・地域在住の人に直接依頼する
進出する国・地域に住んでいる外国人に現地店舗や商品の写真撮影や情報を提供してもらうことや、アンケートを取る方法です。現地に住んでいるので簡単に情報が手に入り、インターネットで依頼や報告をすることでコストを大きく抑えることができます。

海外市場調査【7つの調査方法】

方法①インターネット調査
「インターネット調査」は「デスクリサーチ」とも呼ばれ、競合他社・現地の嗜好・市場の動向など日本国内にいながらインターネットだけで情報収集をする方法です。低コストかつ短時間で情報収集できるメリットがあります。しかし調査する国・地域と本来の知りたいユーザー層と大きく異なってしまう場合があることや、調査したデータが正確であるか確実ではありません。そのため他の調査方法と組み合わせ、複数のデータを比べて調査する必要があります。

方法②アンケート調査
「アンケート調査」は現地の消費者や対象企業などへ直接アンケートに答えてもらう調査方法です。アンケート調査は古くからある手法ですが、基本的にコストや時間がかかってしまいます。しかし近年ではインターネットを使った調査方法は短時間でコストを抑えてデータ集計できるようになっています。また直接対象者に会ってアンケートを行う場合には、アンケート項目以外にも対象者のマインドや課題など詳しくしることもメリットです。アンケート調査の代表的な方法は下記があげられます。

  • 街頭調査:街中の路上で調査対象者を見つけてアンケート用紙に回答してもらうか、直接口頭で質問する方法
  • 訪問調査:調査対象者の企業や自宅などに直接訪問して行うアンケート方法
  • 電話調査:調査対象者の企業や自宅などに電話をかけで行うアンケート方法
  • FAX調査:調査対象者の企業や自宅などへFAXを送付して回答してもらうアンケート方法
  • 郵送調査:調査対象者の企業や自宅などへ郵送して回答してもらうアンケート方法
  • インターネット調査:調査対象者にインターネット上でアンケートに回答してもらう方法

方法③店頭調査
「店頭調査」は小売業を行う業種向けのやり方で、調査員が現地の対象者が行く現地の店頭で販売されている商品の価格・競合商品・代替商品などを調査する方法です。現地価格を把握することで輸出後の販売価格はどのくらいが適切か、価格設定するための重要な情報となります

方法④体験モニター調査
「体験モニター調査」は「ホームユーステスト」とも呼ばれています。自社の商品やサービスを一定期間試してもらい、期間が終了したらインターネットや郵送などでアンケートを回収して調査する方法です。フィードバックによって改善方法や生活習慣による使い方など現地の人ならではの実際の声が聞け、本格的に海外へ参入する前の準備に必要となります。

方法⑤インタビュー調査
「インタビュー調査」は調査対象者に
アンケートと異なり調査時間のかかる場合が多いですが、その分細かな情報まで聞き込むことができるのがメリットです。

  • インデプスインタビュー:調査対象者に直接会って1対1で聞き込む方法
  • グループインタビュー:調査対象者に直接会って複数人のグループで聞き込む方法
  • チャットインタビュー:調査対象者にインターネットを利用して聞き込む方法
  • 簡易インタビュー:日本に在住している外国人対象者に、「現地の生活習慣・価値観・嗜好・日本と現地の違い・色やデザインの評価」などを聞き込む方法

方法⑥覆面調査
「覆面調査」は「ミステリーショッパー」とも呼ばれています。調査員が一般消費者を装い商品やサービス、接客、商品知識などあらかじめ用意された調査項目をチェックし調査する方法です。実店舗が一般的ですが、通販などのインターネットを利用した調査も行います。

方法⑦専門家にヒアリング
進出する市場や国・地域に詳しい専門家へヒアリングする調査方法です。実際に成功させた経験や失敗事例、海外進出して豊富な経験があったからこそ分かる市場の動きなど、知識や経験から学ぶことができます。

海外市場調査にかかる費用相場

海外市場調査で依頼した際にかかる費用目安は下記の表になります。調査する手段としても

  • 自社で調査をする場合
  • 支援機関を利用する場合
  • 民間の調査会社を利用する場合
  • 現地国・地域在住の人に直接依頼する場合

で大きく変わり調査内容やサンプル数によっても費用や調査期間は異なりますが、大まかなイメージはつくことができるでしょう。自社または調査会社に依頼する場合でも移動費・滞在費・人件費が最低限かかるため、現地に在住している人に直接依頼することやインターネットで調査するのが最もコストを抑えることができます。一方で調査会社にまとめて依頼することで費用は数百万円~数千万円と大幅になってしまいますが、本格的な情報を得ることが可能です。

気をつけなければならないのはせっかく調査資料がそろっても、情報を読み解くためには知識・分析力・時間が必要です。せっかく巨額の予算を市場調査に投資しサンプル数・費用・期間をかけたからといっても、自社が求める情報や結果にならない場合があります。また調査結果によっては海外進出できない可能性もあり、大きな損失となってしまうこともあり得ます。

               

調査内容 概要 サンプル数 費用の目安 調査・納期期間
アンケート調査 街頭調査 100サンプル 50万円~ 1ヵ月程度
アンケート調査 訪問調査 100サンプル
1,000サンプル
200万円~
500万円~
2ヵ月程度
アンケート調査 電話調査 100サンプル 50万円~ 1ヵ月程度
アンケート調査 郵送調査 100サンプル
500サンプル
50万円~
100万円~
2ヵ月程度
アンケート調査 インターネット調査 500サンプル
5,000サンプル
5万円~
20万円~
3日程度
体験モニター調査 ホームユーステスト 100サンプル 150万円~ 2ヵ月程度
インタビュー調査 インデプスインタビュー(1対1) 5名 40万円~ 1ヵ月程度
インタビュー調査 グループインタビュー(複数人) 1グループ 20万円~ 1ヵ月程度
覆面調査 ミステリーショッパー 30サンプル 50万円~ 2ヵ月程度
店頭調査 現地店舗・商品の写真や簡単なアンケート 1商品 3万円~ 1週間程度
パッケージA 複数の調査方法で、簡易的に情報を収集する 1か国 100万円~ 2ヵ月程度
パッケージB 複数の調査方法で、規則・法律まで本格的に情報を収集する 1か国 300万円~ 2ヵ月程度
パッケージC 複数の調査方法で、規則・法律まで本格的に情報を収集する 4カ国 1,000万円~ 6ヵ月程度
パッケージD 複数の調査方法で、規則・法律まで本格的に情報を収集する 10カ国 2,500万円~ 8ヵ月程度

まとめ

この記事では海外展開を検討している企業のみなさまに向けて、「市場調査の基本」について解説しました。市場調査には多くのコストと時間が発生しますが、海外で展開していけるのか否か、売上・利益をどれほど確保できるかある程度予想することができます。しかしそのためには正しい情報を集めること、収集した情報を分析すること、ビジネス戦略に上手く役立てることが重要となります。どれか一つでも欠けては、せっかくコストと時間をかけても無駄になってしまうのです。

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