海外進出をすることのメリットは、たくさんあります。今回は、海外進出するべきポイントや、押さえておくべき点についても触れています。実際に海外進出する流れについても解説しているので、チェックしてみてください。
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海外進出したほうが良い3つの理由
海外進出した方が良い理由としては、以下のようなものがあります。
1.海外での日本の商品やサービスがブームになっている
まず、海外では日本の商品やサービスが既にブームになりつつあります。メイドインジャパンといえば高品質の代名詞のようなものであり、日本製の商品の質の良さに注目している人も多いのが現状。
そのため、日本製の商品を海外に販売するとなれば、もともと需要がある分売れやすくなっているのです。また、日本人の丁寧なサービスに関しても評価する声が多数あります。日本製品や日本のサービスは、海外では受け入れられやすくなっています。
2.新興国を中心に日本企業のビジネスチャンスが増えている
これからの成長が期待される新興国でも、日本企業の進出が目覚ましく、大きなチャンスが広がっています。ビジネスのポテンシャルはありつつも、現状ではまだまだ発展途上な新興国では、大きなビジネスチャンスが眠っているのです。
日本国内では縮小しがちな事業であっても、新興国ではこれからどんどん発展していく可能性を秘めています。こうした国をチェックして、新天地へ乗り出してみるのも、企業を成長させる重要なポイントです。
3.国内市場が縮小傾向にある
日本の企業がどうして海外に拠点を持とうとするのか、その大きな理由として、日本国内の市場が狭くなっていることが挙げられます。日本には既に多数の企業があり、ライバル社がいくつもある状況。何か飛び抜けた特徴や売りがない限り、生き残っていけない状況にあります。
国内ではどうしてもビジネスチャンスを広げられない場合には、海外にビジネスのフィールドを広げるのも一つの手段です。海外にはまだまだ未開拓なビジネスなども眠っているため、成功する可能性も十分にあります。
海外進出をする5つのメリット
海外進出をする場合、得られるメリットは大きく分けて5つあります。
1.販路の開拓ができる
まず、単純に日本でビジネスをするよりも、多くの販路を獲得できます。販路が多くなればなるほど得られる利益も増え、ビジネスは大きく成功しやすくなるものです。
日本では今やGDPも横ばいになり、少子高齢化も進んでおり、多くの人があまり物を買わなくなっています。このような現状では、ビジネスを成長させるのも限界があります。
また、日本ではライバル企業が多いため、なかなか売り上げが伸びない、という点も悩ましいところ。海外では、その国ではまだまだ未開発の商品やサービスが眠っているということもあります。そこで新たなジャンルを切り開いていくことで、売り上げを伸ばしビジネスチャンスを大きく増やすことが可能です。
2.人件費や原料費を抑えられる
ビジネスをする上で、人件費や原料費というのは意識しておかなければならない大切なポイントです。利益だけに目を向けるのではなく、かかるコストを計算した上で、利益が増えるような仕組みを作らなければなりません。
日本企業ではこれまで、コストカットのために安い労働力を使い、安い資材を使って海外進出しています。海外に進出するということは、日本でビジネスをするよりもコストを抑えることが可能なのです。コストカットをすることで、得られる利益も多くなります。現在でも大企業を中心に、コストカットを目指した海外進出を行っています。
3.新規プロジェクトや開発につながりやすい
海外進出をすることで、新規のプロジェクトや開発につなげることも可能です。ビジネスを広げた先の国でその国のパートナーを得られれば、現地の詳しい情報を聞くこともできます。その結果、以下のようなシナジーが生まれやすくなります。
【事業シナジー】
- 売り上げ増加
- ノウハウ統合
- コスト削減
- スケールメリット
- 人材活用
【財務シナジー】
- 余剰資金の活用
- 節税
特に事業シナジーは海外でビジネスをする上で非常に重要なものです。現地にパートナーを作っておくことも、海外進出には非常に有効なポイントと言えます。
4.税率によってコスト削減も可能
海外では、日本とはかかる税率が異なります。国によっては、日本よりも低い税率で取引ができるところもあるのです。そうした国をターゲットにすることで、節税をして利益を増やすことが可能です。
また、税率に関する優遇措置を行っている国もあります。海外進出をする企業を対象に税制優遇を行っているのが特徴であり、経済特区などとも呼ばれます。経済特区となっている国は、中国やベトナム、カンボジアやマレーシアなど。こうした国を進出先に選ぶことも、海外進出を成功させるポイントです。
5.企業の価値やブランドのイメージ向上
海外に拠点を持つことで得られるメリットとして、企業の価値やブランドイメージを高めることが挙げられます。
海外に拠点があれば、当然のことながらその国での認知度も上がるため、企業価値やブランドイメージは向上。日本だけではなく、世界に自社のサービスや製品を知ってもらうことができます。自社では他社と比較してどのような強みがあるのか、どのように差別化できているのかということや独自性をアピールすることも可能です。
また、反対に、海外進出をすることで得られた情報や経験などを、国内の自社事業に役立てることもできます。
海外進出をするデメリット
企業の海外進出は、メリットばかりというわけにもいきません。ここからは、海外進出をすることで起こりうるデメリットについても解説していきます。
1.コストがかかる言語や文化の違いがある
日本以外で事業を展開するということは、簡単なことではありません。国を超えてのビジネスとなると、言語や文化の違いが障壁となることもあるでしょう。現地の言葉を社員に学ばせたり、現地のスタッフを雇うことで解消できることもありますが、そのためにも追加でコストがかかってしまいます。
また、国民性や働き方、企業の風土なども国によってさまざま。日本人をまとめるのと同じような管理方法では、社員が反発をして離職につながることも。離職率が高い場所に出展すると、社員が育つ前にやめてしまうこともあるため、注意が必要です。また、教育方法によっては社員のモチベーション低下にもつながりかねません。
2.日本とは違う法規制や為替変動などがある
海外には、日本にはない法規制があります。日本の法律をベースに考えていると、ビジネスの機会が失われてしまう場合も。法規制や経済情勢によっては、その分野での参入自体が難しくなります。
また、サービスや商品によっては、参入の仕方を見直さなければならないこともあり、慎重な検討が必要です。特に小売業や飲食業において、外資の比率に規制を設けている国も。ベトナムなどが顕著ですが、従業員の外国人比率が決まっており、これを満たさない場合には営業を許可されません。一定数の人員は現地の人間を雇用するなどの原則があるため、あらかじめ規則を十分にチェックしておく必要があります。
▼海外進出のハードルについて詳しく知りたい方はこちら
海外進出で知っておくべきリスクとその対処法を解説
【9 STEP】海外進出までの流れ
ここからは、実際に海外進出をするまでの流れについて解説していきます。
1.進出予定国の市場調査をする
まずは、進出を予定している国の市場調査から始めましょう。主にチェックするべきは、以下のような項目。
- 進出国のニーズ、売れている商品
- 自社商品やサービスはその国で需要が見込めるか
- 消費や経済が安定している、もしくは成長している国はどこか
- 国民の生活習慣、嗜好品
- 法律
- 外資の規制はあるか
- 政治は安定しているか
- 雇用の際の人件費、物流の事情
- 他の企業は進出しているのか
このように細分化して調査することで、自社の強みを生かして進出するべき国が見えてきます。
2.海外進出をする目的を明確にする
動き出す前に、何のために海外進出をするのか、目的をはっきりさせることも大切です。
- 国内での事業が低迷してきたため、サービス販路の拡大
- 生産コストを抑えたい
これらの目的を明確にしていれば、途中で何のために海外進出を目指しているのか見失うことなく、進められます。
また、売り上げや初期投資のコスト回収をどれくらいで行うのか、具体的な期間を考えておくことも大切。より着実に業績拡大につなげることが可能です。
3.ビジネスモデルを決める
ここまで計画を立てたら、今度は実際のビジネスモデルを立てましょう。自社業務の全体像を俯瞰した上でその流れを再確認して、どのように進めていけばいいのかと言う指標を考えるのです。
4.リスクを分析する
実際に海外進出を実行する前に、リスク分析を行いましょう。海外進出を実際に始めた場合にどのようなリスクが考えられるのか、懸念点を思い浮かぶだけ列挙しておきます。さまざまな可能性を考えておくことで実際にトラブルが起こった時にも冷静な対処が可能です。
5.資金の計画を立てる
ビジネスを行うのですから、資金計画を立てておくKとも大切です。
例えば、どんな事業をどれくらい進めていくのか、そのためにかかる費用はどれくらいなのか、ざっとでいいので算出しておきましょう。ある程度長期的な目標を立てた後に、細分化して計画を立てていくことがポイントです。
6.法的な手続きを行う
海外進出をしてビジネスするためには、法的な手続きが必要です。ある程度の計画を練り終わったら、海外に拠点を構えるために必要な手続きをしておきましょう。法的手続きがないと進出できないため、忘れてはいけないポイントです。
7.人材の確保を行う
海外進出のための下準備が整ったら、今度は人材の確保に踏み切りましょう。得意規制のない国であれば、国内の人間でも現地の人間でも良いので、ある程度確保してください。
国によっては現地人の割合が一定数でないといけないという制限がある場合も。そのような場合には、その国の制度に合うような比率で人材を雇いましょう。
8.進出のための計画を練る
ここまでくれば、海外進出まであと一歩です。実際に海外進出をするための計画を練りましょう。
まずは、3〜5年を目安に大まかな計画からブラッシュアップ。
- 進出形態の確認(単独・パートナー契約)
- アクションプランの計画(工程表・リソースなど)
- 進出計画の策定(生産・販売・設備・資金・人員など)
- 撤退要因の検討(災害・制作変更・戦争などのリスク)
ここまでの計画を立てておくことで、イレギュラーな展開になったとしてもすぐに軌道修正ができます。予定通りに進めていくためにも、細かく計画を考えておくことが大切です。
9.事業の見直しを定期的に行う
実際に海外進出できても、そこで終わりではありません。進出後も定期的に事業の見直しを行い、その時代の状況に合わせて、業務の進め方を考え直しましょう。そうすることで時代遅れにならず、常に利益を得られるようになります。
事業内容なども固定観念にはまることなく、その時その時で見直していくことが大切です。
海外進出をする上で押さえておくべきポイント
海外進出を考えているのであれば、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
進出する国の文化を理解しておく
海外進出をする場合、進出先の国の選び方も大切です。国によっては文化や言葉も違うため、コミュニケーションを取りにくいと感じることもあるでしょう。文化によっては、販売できないものや需要が極端に少ないものもあるため、注意が必要です。
販売規制がされると売り上げを立てにくくなってしまうため、国ごとに売れる商品や売れない商品はきちんと調べておく必要があります。
進出する国の法律を確認する
国によっては、日本とは法律の異なるところもたくさんあります。日本の法律が海外で適用されなかったり、反対に日本では許容されていることが禁止されていることも。こうした法規制についても、確認しておくことが大切です。
国によっては取り扱ってはいけないものや、販売してはいけないものもある。
日本国内では許容されているものでも国によっては認められていないものもあるため、要注意。
例えば、日本からの輸出で規制がかかってしまう商品は、以下のようなものがあります。
- ワシントン条約対象商品
- 宝石
- 農作物
- インク など
また、国際間の輸送で禁止されているものもあります。
- 花火
- ペイント
- バッテリー など
これらは危険物として判断されるため、国際間の販売は認められています。
リスクマネジメントを徹底する
海外への進出を考えているのであれば、リスクマネジメントを徹底することも大切なポイントです。常に考えられるリスクを先に考えた上で、それを回避する策を立て、実行に移していきましょう。
トラブルが起こってからの対処ももちろん重要ではありますが、トラブルが起こらないように最大限の対策を練ることも、海外を相手にする場合には特に重要です。もしもの時に取れる対策を練っておくことで、いざトラブルが起こっても冷静に対処でき、大きなトラブルに発展せずに済みます。
現地のスタッフなどとのコミュニケーションを意識
海外進出をするのであれば、現地のスタッフとコミュニケーションを取り、二人三脚で進めていくことも重要です。現地スタッフの方が現地の内情に詳しく、文化もしっかり把握しており何より現地の人とコミュニケーションが取れます。
現地スタッフと現地の情報を共有し、売れやすい商品のリストアップや販売戦略につなげていくこともで、売り上げも上がりやすくなるでしょう。現地スタッフとの円滑なコミュニケーションは、海外進出を成功させる大きなポイントです。
まとめ
今回は、日本企業が海外進出した方が良いとされる理由について解説してきました。海外進出をすることで販路が拡大できるなど、さまざまなメリットが生まれます。もちろんリスク面などのでメリットもありますが、きちんと計画を立てて行うことで、大きなリスクは回避できます。
自社の事業拡大を目指すのであれば、海外進出を検討しましょう。