海外進出コンサルティング業者とは?支援内容や選び方を解説

日本企業の海外進出が活発になっています。しかし海外進出を成功させることの難易度は高く、海外進出コンサルティング会社の活用が成功の鍵です。海外進出コンサルティング会社の選び方などを解説します。

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海外進出コンサルティングの概要

海外進出コンサルティングとは、その名の通り「海外進出全般に関するコンサルティング」をサービスとして提供しているコンサル会社のことです。海外進出前のリサーチから戦略立案など、対応している業務は多岐にわたります。業者によっては海外進出後のアフターケアにまで対応しています。

特に海外進出について経験やノウハウがない企業は、コンサルタントと契約することでスムーズかつ確実にビジネスを進めていける助けとなってくれるでしょう。また進出エリアや対応している業務により、自社に適したコンサル業者が違ってきます。コンサルティングを依頼する前に、コンサル会社がどのようなサポートを行ってくれるのか、しっかりと見極めることが重要です。

海外進出コンサルの3つの分類

海外進出コンサル会社としては様々な企業が存在しますが、その中でも「特定地域の海外進出コンサル」「マーケティング面の海外進出コンサル」「投資面の海外進出コンサル」と、大きく3つに分類することができます。

ここでは海外進出コンサルの種類について解説します。まずはコンサルティングの種類について把握し、自社に合った企業を選ぶための目安としてください。

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1. 精通している地域・業界が異なる

海外進出コンサルの中には、特定地域のビジネスカルチャーやマーケット動向に精通している企業もあります。特に最近では企業がタイやベトナムといった新興国を中心に現地でオフィスを構えていたり、すでに強力なパートナーを有しているといったケースも多く見受けられます。

それらを活用して現地でのパートナー提携やオフィス展開など、あらゆる方面で当該国への海外進出をサポートしてくれます。進出エリアがほぼ決まっているような場合には、かなり心強い味方となってくれるでしょう。

2.マーケティング支援系のコンサル

マーケティング面を重点的にサポートしてくれる海外進出コンサルの場合は、主に現地の市場や競合調査・市場戦略の立案・現地企業とのパートナーシップ戦略の立案といったサービスを提供しています。

最近では越境ECやインバウンドの市場拡大に伴い、Web上での集客を行うWebマーケティング系のコンサルタントも増加中です。Webを中心とした海外進出を検討しているのなら、このような企業も選択肢として入ってくるかもしれません。

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3.投資・買収に強いコンサルも

海外進出の方法の一つとして、海外で同一事業をおこなっている企業の買収といったケースも挙げられます。海外進出支援を中心としたサービス・コンサルティングの中には、そのための投資やM&Aに関する支援を行う企業もあります。

すでにノウハウが構築されている現地の企業を買収することにより、事業がスピーディに進むといったメリットも。コスト面を考慮しても、現地で一からビジネスを始めるより安く抑えられる可能性があります。

コンサルが不要なケースも

海外進出において、必ずしもコンサルティングが必要になるとは限りません。場合によっては海外進出時のコンサルが不要になるということもあるでしょう。コンサルの依頼を検討する前に、そもそも海外進出コンサルティングが本当に必要なのかどうか考えてみるべきです。

当然ながら、海外進出コンサル業者に依頼するためには一定の費用が掛かります。自社で準備できるものなら、自社で賄うに越したことはありません。海外進出コンサルティングは、あくまで自社の事業支援にすぎないからです。まずは自社でできることを十分に考慮し、その上でコンサル業者に依頼しましょう。

海外進出コンサル依頼前の準備

海外進出の際にはコンサルティングに丸投げするのではなく、コンサルを受ける前にできる限り自社で準備できることをやっておきましょう。最大限の準備を済ませておくことで、コンサルティングの費用も抑えることができます。

また海外進出に必要なことを全てコンサルティング会社に任せてしまうと、自社でノウハウを蓄積することができません。事前に準備できることとしては様々な項目がありますが、今回は特に重要な5つの項目をご紹介します。

インターネットによる調査・リサーチをする

海外進出のためのコンサルティングを業者に依頼する前に、まずはインターネットを使って調査を行いましょう。特にBtoCの商品の場合は、売れ行きや流行がインターネット上の数値となって現れることがよくあります。

調査の手法としては、例えばGoogleなどの検索エンジンを利用して検索をかける方法や、FacebookといったSNSでその商品に関連する言葉で投稿を行う方法などが挙げられます。リサーチする際は日本語だけではなく、現地の言語で調べることで、より実態に基づいた調査を行うことができるでしょう。

コンサルティングの時にインターネットで簡単に調べられるような情報を依頼していては意味がありません。インターネット調査は事前準備の基本中の基本となります。

進出先の競合企業に関して調査する

次に進出先の現地で自社の商品やサービスと同様のものを提供している競合がいないかどうかを調査します。競合調査をインターネット調査で行うのはもちろん、現地の店舗を実際に見て確認することも重要です。

しっかりと現地調査を行えば商品やサービスの価格帯・ネーミング・デザイン・消費者の層などさまざまな情報が得られます。現地で手に入れたデータを自社のビジネスと照らし合わせ、海外進出の際の参考データとしてください。

また現地の行政機関を訪ねればそのエリアの業界や企業データを確認できる場合もあります。これらの情報はコンサルティングに依頼しなくても現地語を扱える人材がいれば入手可能な項目です。海外でビジネスを行うのなら実際にコンサルティングを依頼する前に、まず現地を自分の目で確かめることが大切でしょう。

提携可能性がある現地企業を調査する

海外に進出する企業の多くは、現地の企業と提携してビジネスを運営しています。なぜなら商品を販売するためには進出先での営業や販売、プロモーションを現地企業に代行してもらう必要がある場合が多いからです。そのため提携先は海外進出において、特に重要なポジションを担っています。

現地で資材を取り扱う場合には進出先エリアで資材を生産している業者に問い合わせを行い、資材を納入してもらう段取りをつける必要があります。現地の企業を有効に使うことができれば、自社で準備するよりコストを抑えられることも。

こういった提携先の調査方法としてはインターネットで調査するか、現地の商工会議所などに問い合わせてみるのが有効的です。

進出するエリアの候補を絞る

ある程度まで情報が出揃ったのなら、次に進出エリアを絞り込んでいきます。進出エリアの範囲が広すぎると、市場調査や戦略立案にも時間を要してしまいます。コンサルティングを依頼する前に、自社で進出エリアの範囲を絞り込んでおいてください。

例えば国だけではなく、どの都市をターゲットとするのか、都市の中でもどの区画なのか、どんどん深掘りしてみましょう。調査で得た情報を元に、どの地域が適切なのか判断します。

どうしても進出エリアを絞りきれない場合は、エリアの選定もコンサルに依頼できます。事前に候補をいくつか挙げておいて、コンサルティングを受ける際に詳しく絞り込んでいくという手もあります。

商慣習について調査する

国によって、ビジネスにおける慣習も大きく異なります。日本で当たり前とされているような文化でも海外では通用しません。日本のやり方を押し付けるのではなく、現地の文化に合わせていくことが大切です。

例えば日本では予定通りに会議や作業を行うことが一般的ですが、そうではない国も沢山あります。インターネット調査や現地で働いている人からのヒアリングを通じ、商慣習もきちんと調査しておきましょう。

例えば仕事に対する考え方・業界に対する位置付け・ビジネスマナーなど、ビジネス運営に関わる細かな違いもしっかり把握しておきたいところです。

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海外進出コンサルに依頼すべきこと5選

ここまで海外進出の際に自社で事前準備できる項目について解説してきました。とはいえこれらの項目を全て自社だけで補うというのは現実的ではないかもしれません。自社で補うことによってコンサルティング料を抑えることはできますが、肝心の海外進出に失敗してしまっては本末転倒となります。

そのような失敗を避けるために、自社で補えることとコンサルティングで依頼すべきことを明確にしておきましょう。今度は逆に海外進出のコンサルティングで依頼するべき項目を5つ解説します。

1.戦略の立案

戦略立案の時点で力を貸してくれるコンサルティング会社も多くあります。海外進出に向けた戦略は自社のリソースに加え、現地のビジネス環境といった条件も考慮しなくてはなりません。現地情報を含めた戦略を練るには、自社の知識や経験だけでは足りないという企業もあるでしょう。

特に中小企業だと戦略立案に多くの時間やコストを掛けすぎてしまい、本業に支障をきたすという事態も考えられます。そのような企業の場合には、最初から海外進出の分野に精通しているコンサルティング業者に依頼するのが有効です。

2.カントリーリスクの調査

カントリーリスクとは、新種流先の政治や経済状況の変化によってビジネス運営に影響を及ぼすリスクのことを指します。一見、海外進出が成功したように見えても突然の紛争や規制によって撤退を余儀なくされる企業も少なくないのです。

どのような事象がどういった影響を及ぼすのかは、国際政治や法律といったマクロの視点から現地の状況を把握する必要があります。もちろん、このような情報を判断するためには専門的な知識が欠かせません。失敗を避けるためにも、海外進出に特化したコンサルタント会社に依頼することをおすすめします。

3.法的書類の作成・提出作業

海外進出時には現地での法人設立が必要です。そして法人登記を行うには、現地の行政機関に書類を提出する必要があります。また提携先との契約時にも法的書類の作成や提出といった作業が必須となります。

現地で提出する法的書類は現地語または英語で作成する必要があります。基本的に法的な書類を作成する際には、現地の弁護士や司法書士などに直接依頼するのが方法として適切です。しかし現地の弁護士などとのコネクションが全くなかったり、自社人材では語学の面で不安があるといった場合もあるでしょう。そんな時は海外進出のコンサルタントに依頼することでも対応が可能です。

4.現地事業の仮説の検証

仮説検証は海外進出前の最終段階となります。事前準備でリサーチした海外進出時における自社の強み・現地での消費動向などを元に仮説検証を行います。そうして実際に進出する際のイメージをさらに具体的なものとしていきます。

仮説検証は正しく行われないと、期待する効果測定ができません。海外進出の成功確率を高めるためにも、正確な仮説検証に対応しているコンサルティング業者を選びましょう。

5.事業開発への対応

日本で成功した事業モデルが、海外で同様に成功するとは限りません。そのため海外進出する際、事業形態によっては日本で行っていた従来通りの事業形態を変える必要もあるでしょう。

店舗型ビジネスのケースを例として挙げると、店舗のデザインや顧客導線、配置するスタッフの採用基準など、事業内容を現地に合わせることも多々あるかと思います。ですのでコンサルティング業者の選び方としては、事業開発に対応しているかどうかも重要となります。

海外進出コンサル業者の選び方

海外進出向けのコンサルティング企業としては、様々な会社があります。中でも良いコンサルティング業者にはいくつか特徴があるものです。コンサルティング企業を選ぶ際、特に重要なポイントが3つあります。

実際にコンサルティングを依頼する際には、これから紹介する3点の特徴を踏まえた上で、自社に合った企業を選びましょう。

豊富な支援実績がある

まずコンサルティング業者の実績について確認するべきです。近年では海外進出する企業の増加に伴い、海外進出をサポートするコンサルティング企業も増加しています。しかし中には実績がほとんど無いというような企業もあるので、十分に注意してください。

各コンサルティング会社のホームページでは、実績が掲載されています。実際に現地でどのような業種業態の進出をサポートしているのか、さらには成功事例のみならず過去の失敗事例なども併せてヒアリングすると、信頼できる企業かどうかよく分かるかと思います。

進出前後で一貫したサービス提供がある

実績だけでなく、どのようなサービスを提供しているのかもきちんとチェックしておきましょう。特に海外進出では、準備段階からアフターケアまで一貫したサービスをお願いできるコンサルティング会社を選んでください。

海外進出の場合においては、海外進出後のビジネス展開がさらに重要となります。海外進出した段階ではビジネスが成功したとは言えません。ですのでコンサルティングによるアフターケアが必要となるのです。

インバウンド集客を例に挙げると、海外向けのECサイトを作成するだけでは集客は期待できないでしょう。ECサイトは開設後の細かな改善が集客効果を左右します。一部の業務のみ対応しているような業者を避けて、一貫したサービス提供をしているコンサルティング会社を選ぶことにより、海外進出の効果を最大限に高めることができます。

様々な知見・スキルを有している

海外進出の際には現地のビジネス知識・言語力・マーケティング力といった様々なスキルが必要となります。やはり海外進出のコンサルティングとしては、幅広いスキルに対応している会社を選ぶのがベターでしょう。

コンサルティング企業の中には、各分野のプロが集結しているような会社もあります。各社の対応スキルを考慮して、最適なコンサルティング企業を選択してください。

海外進出コンサルは実績などを重視

今や海外進出支援を行っているコンサルティング会社は膨大な数にのぼります。その中でも実績やスキル面を重視してコンサル会社を選ぶことがおすすめです。今回ご紹介したポイントを踏まえて、自社に適したコンサルティング会社を探してみてください。

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