海外展示会へ出展!申込から展示会当日までの手順・費用と気を付けること

1. 海外展示会出展のメリット

海外展示会は、開催国のバイヤーをはじめ世界中から特定産業の関係者が一堂に会す貴重な機会です。海外展示会へ出展するメリットとして、第一に現地で直接バイヤーと話すことができ、アポイントメント不要でその場で商談を進められます。第二に、彼らとのコミュニケーションの中から、自社製品に関する反応を直接知ることができ、その国・地域で求められている技術、業界トレンドを把握できます。その他、自社ブランド・自社製品の知名度を上げる機会にもなるなど、新規顧客の獲得と海外売上に繋がることから、毎年多くの日本企業が世界各地の海外展示会へ出展しています。

2. 海外展示会出展までの流れ

海外展示会出展までの流れは、展示会探し・準備・展示会当日の大きく3段階あります。まず初めに出展する展示会を探して応募する、次に展示会出展に必要なブース装飾や資料・ノベルティーの制作、通訳準備、展示物の運搬準備、航空券と宿泊先の予約、そして展示会当日になります。展示会が終わってからの見込み顧客への連絡も大切です。展示会が決まってからも資料作成など時間がかかるので、早め早めの準備が必要です。

3. 出展する海外展示会の探し方

3-1. 出展する展示会を探す前に

出展する展示会を探す前に明確にした方がいいのは「自社のどの商品を、誰に売りたいのか」を決めることです。展示会では具体的なテーマが決まっており、例えば環境関連商品、ホテル・レストラン関連など、展示会特定のテーマに関する商品を展示します。そして展示会の中でも、例えばホテル・レストランであれば「飲食物」「厨房機器」「ホスピタリティーサービス」のように業種別でカテゴリーを分けて展示されることもあります。ですので複数の業界・業種にわたる複数の商品を扱っている場合には、特に海外への展開を考えている商品に絞って展示会を探し、テーマに沿った商品を展示する方が効果的です。

3-2. 出展地域を絞る

海外展示会といっても、ヨーロッパで出展するのと、東南アジアで出展するのとでは、顧客が期待する商品の質・価格帯が全く異なります。したがって事前に自社製品がどの地域のマーケットであれば受け入れられる可能性があるのか、自社商品と似た商品を販売している現地企業・海外企業がすでにあるのかどうか、といった事前調査を行うことをおすすめします。

例えば事前に海外展示会へ足を運び、競合他社が存在しているのかを確認するのも一つのアイデアですし、過去に行われた展示会のホームページで出展企業一覧から似ている商品を扱っている会社があるのか知ることもできます。

 

3-3. 世界の主要な展示会はJETROのホームページから検索

世界の主要な展示会はJETROのホームページの海外展示会ページ(https://www.jetro.go.jp/j-messe/)
に載っていますので、こちらから出展地域・業種を絞って検索しましょう。気になる展示会があれば、問い合わせて出展費用、申込時期など詳細について資料請求をします。

年間に複数の国際展示会を行っている国際イベント主催企業も存在し、気になる展示会の主催企業が日本オフィスを持っている会社であれば日本人担当者にコンタクトをとっての申込が可能です。日本人担当者がいない場合は英語でのやりとりが必要です。

JETROでは特定の展示会に対し、日本企業を集めたJAPANパビリオンといった形での出展者を募集していたり、ブースを半分に分ける・グループ出展をすることで出展費用を抑えるといった出展支援の試みを行なっているので、気になる展示会があれば問い合わせてみるとよいでしょう。出展支援対象の展示会はこちら(https://www.jetro.go.jp/services/tradefair/list.html)からご覧いただけます。

3-4. 海外展示会を探す際の注意事項

海外展示会の出展申込は、遅くとも3ヶ月前までに終わらせる必要があり、ほとんどのイベントで申込締め切りが約3ヶ月前またはそれ以前になります。ですので、探す時点では4ヶ月〜1年後の展示会を目処に検討します。

また、入り口から近いブースや人通りが多く見込めるブースの位置は早い段階から売れてしまうため、早めに問い合わせること・主催者へコンタクトして申込意思を伝え事前にブース位置を抑えることをおすすめします。

4. 海外展示会出展までに手配が必要なもの

4-1. 出展ブースの確保と出展費用の支払い

一番初めにやることは、主催者へ連絡をとって出展意思を伝え、良いブース位置を確保することです。出展のために社内決裁が必要であれば、事前に主催者へ問い合わせて出展費用や申込スケジュールを確認し、ブースの仮確保とデザイン・装飾費の見積を取った上で社内決裁も進めていきましょう。

ブースサイズは一般的に3m x 3mほどの大きさを1コマとして販売されており、予算や展示物の大きさにあわせて何コマ申し込むかを決定します。開催国や展示会により上下しますが、1コマあたり30万円〜が相場で、先進国など物価の高い国ほど出展費用も高くなる傾向があります。コマ代は展示会や主催者、イベントの知名度により差がありますので、展示会のイベントホームページを参照したり、主催者に問い合わせて確認してください。一般的に現地通貨と米ドルなど、複数の通貨から支払いが選択できます。

4-2. 出展ブースの装飾

出展するブースの装飾は、自社ブースへの来客を増やすための重要なポイントです。ブース装飾にはブースのデザインから設営まで業者に依頼するパターンと、ブースの場所のみ申込して自社でパネルなどを作成し装飾する2パターンが考えられます。業者へ依頼するとブースの見栄えが良くなりますが、装飾費用が数十万円〜かかります。自社で装飾する場合は、パネルや配布資料でのシンプルな装飾となりますが、装飾費用を抑えることができます。

業者へ依頼する場合には、展示会と提携しているデザイン・施工業者を選ぶと施工時のやりとりがスムーズに進みます。ただ海外の会社になりますので、言語のやりとりが難しい場合には、海外展示会のデザイン・施工が可能な日本の会社を使うのも円滑に進めるための一つの手です。ブースを仮押さえ次第業者と連絡をとり、ブースの面積や高さに合わせて見積を依頼します。ブースの大きさや要求にもよりますが、デザインと施工代を含めて数十万円〜数百万円になります。従って業者を利用する場合には出展費用と別にデザイン・施工代の予算を取っておく必要があります。

デザインを依頼して数日〜数週間でデザインイメージが送られてくるので、展示物の位置、見せ方の改善点など業者とコミュニケーションをとりながら装飾を決定していきます。デザイン決定後は、展示会数日前〜前日にかけて現地でのブース施工が行われます。

自社で装飾を行う場合には、ブースに合わせてどのように装飾をするか自社で考えます。壁にタペストリーのようなポスターを掛ける、自立パネルを置く、テーブルに社名とロゴの入ったテーブルクロスを掛けるなど自社でできることも様々です。テーブルの幅が足りない場合や、ビデオの上映をしたい、商品を置く棚が欲しい、ライトをつけて明るくしたいという場合には、展示会会場の指定業者より備品レンタルが可能です。参加展示会の昨年の写真を見て、他社の装飾を参考にすることもできます。

自社ですでに海外展示会用ポスターがある場合にはそれを利用し、ない場合には社内担当者で作成するか、社外の印刷会社にデザイン作成と印刷を依頼します。資料の翻訳が必要な場合には翻訳業者への依頼も必要です。自社で装飾する場合には、こういった細かい手配を担当者が行う必要があります。

展示会のスポンサー企業など予算が取れる企業は、業者を利用したデザインと施工で大々的にプロモーションを行っており、1ブース単位で出展している企業は自社で制作したパネルやテーブルカバーを使い工夫して装飾していることが多いです。

4-3. 配布資料の手配

ブース装飾のほか、来場者への配布資料・配布ノベルティーの準備もします。展示会場では会社パンフレットだけでなく、ぺら1枚の商品紹介資料や、ペン・手提げ袋といったノベルティーの配布も行われています。

ペンなどノベルティーは紙資料の配布よりも費用がかかりますが、名刺交換をした方へ渡すなど、ブース来場者を増やし展示会後の連絡先取得率を高めるために利用できます。自社商品のサンプルを配る企業もあります。

来場者には仕入れ先を探している人だけでなく、調査に来ている人、出展者だけれど他ブースを見て回っている人といった様々な目的で来場している人がいるため、配布物の量の確保の観点から来場者全員に渡してもいい資料なのか、それとも自社商品に関心を持ってくれた方だけに配るのか検討が必要です。配布枚数は、昨年度の同展示会の来場者を参考にしたり、主催者に相談してみるのがいいでしょう。

4-4. 通訳の手配

社内に英語が話せる人材がいる場合は不要かもしれませんが、いない場合には現地語または英語の通訳を手配する必要があります。国によっては英語が通じにくく現地通訳を手配する方が良い場合もあります。欧米圏は英語で良いかもしれませんが、例えばタイやベトナムなどは現地語の通訳がいた方が来場者との言語の壁が低くなり、その場で商談に入りやすいです。出展する展示会が決定次第、現地の日系通訳会社に依頼しましょう。

4-5. 展示品の運搬手配

自社製品が大きく社員での運搬が不可能なときは、事前に物流会社をつかって展示品を運搬します。展示会により物流会社が指定されている場合がありますが、海外企業でやりとりが不安であれば日系物流会社に依頼することもできます。費用は運搬するものの大きさ、運搬方法、運搬先によるので物流会社に相談し見積を取得します。梱包や搬出に手間がかかり、船便だと到着まで数週間かかるので、早めに発送する必要があります。

展示品のほかに配布物の運搬についても事前に検討しておく必要があります。展示会の開催日程は2日〜5日に及び、その期間配布するのに十分な資料とノベルティーは重く、かさばります。社員自ら飛行機の預け荷物として持っていくのであれば余分なスーツケースが必要かもしれませんし、事前に会場に送るのであれば送付期間も考慮して資料制作を進めます。

4-6. 航空券、当日の宿泊施設、移動手段

最後に準備するものとして、渡航する社員数の決定と航空券・宿泊施設の手配があります。渡航人数は少なくとも2人の担当者をおすすめします。1人だけですと食事やトイレの休憩中ブースを開けることになり、来場者が来ても自社商品の紹介ができません。また、一度に数名の来場者が来たときに1人だと対応が限られてしまいます。

宿泊施設は出来る限り展示会会場からのアクセスがよく、治安の良い地域を選びましょう。大規模な展示会であれば主催者よりおすすめホテルの案内があるので、その中から選ぶこともできます。

ホテルからの移動手段は、ホテルでタクシーを呼んでもらう他に、UberやGrabといった現地で展開されている配車サービスを使うのも便利です。ホテルと展示会場の最寄りに電車の駅がある場合は、電車を使うとより経済的です。

5. 海外展示会出展にかかる費用

海外展示会の出展には、出展費に加え、装飾費、配布物・ノベルティー製作費、渡航費、宿泊費は確実に必要となります。そのほか必要に応じて通訳費、展示物運搬費がかかります。これらは開催地や装飾を自社で行うかどうかで大幅に差がありますが、一般的に40万円以上の予算が必要です。県や市によっては、中小企業の海外進出支援のための補助金制度がある地域もあるため、そういった制度を使って最初の海外展示会出展に挑戦することも可能です。

6. 海外展示会出展で気を付けること

 

目標を決める

単に展示会に参加するのではなく、新たな見込み顧客を見つけるために具体的な数値目標を立てて臨むことが重要です。例えば「名刺を100枚交換する」、「引合を30件受ける」など数値目標を立てることで、ブースで待っているだけでなく、積極的に声かけをしたり、通路で資料を配布するなど行動に結びつきやすくなります。また、展示会出展後には目標に対して達成度を確認し、次の展示会への改善点を考え、さらに効果的な展示会出展ノウハウを社内で蓄積することができます。

展示会出展後が重要

展示会出展はあくまでも手段であって、目的は「海外の見込顧客を見つけ、売上につなげる」ことです。現地で商談して注文を受けるのが理想ですが、見積を依頼してきた方や、展示会でブースに来てくださった方、名刺を交換した方には展示会終了後素早く連絡をとり、引合・受注に繋げます。

小さなハプニングは許容範囲内

国によって、ビジネスに対してもおおらかだったり、時間にルーズな感覚が一般的に受け入れられているところもあります。例えばオープニングセレモニーが予定時刻の2時間後に始まる、配達物や設営準備が遅れるなど、国内の展示会では滅多にないような状況に遭遇することがあります。そんな状況でも決して慌てずに、主催者や業者に確認する、リラックスして気長に待つような心構えも海外展示会の出展には必要です。

まとめ

国内展示会とは違い、言語・距離の壁があるため難しく捉えられがちな海外展示会ですが、着実に手順を踏み準備をしていけば、海外という新たなフィールドでの繋がりと売上拡大へのきっかけになります。B2Bであってもオンラインでの仕入・販売ができる時代ですが、現地へ行ってバイヤー・同業者と話すことで自社製品に関する反応を直接知ることができ、その国独特の問題や求められている技術、トレンドとなっていることを把握できます。また展示会場の外でも現地の生活習慣や食文化を肌で感じることのできる貴重な機会となります。

BeeCruiseでは、海外進出を支援する事業を行っております。海外の展示会をご検討される際にはぜひBeeCruiseにお問い合わせください。