日本企業のグローバル展開成功事例13選| 海外進出企業名の一覧も紹介

海外進出に成功している日本企業はたくさんあります。海外進出に成功するためには、いくつかのポイントを意識することも重要。今回は、海外進出のために必要なポイントとともに、実際に進出成功を果たした企業をピックアップしています。

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日本企業が海外進出をした成功事例13選

日本企業が海外進出した例はいくつかありますが、成功するのは難しいもの。ここからは、実際に海外進出をして成功した企業を紹介します。

ファミリーマート

ファミリーマートは現在、東アジアや東南アジアに8,400店舗を構え、アジアを中心に海外進出に成功しています。1988年に台湾に海外の1号店を展開し、その後は1990年からフランチャイズ展開を行い、現在まで多くの店舗を進出させています。2022年には海外に4,000店舗を達成し、現在までさらに店舗数を増やしているのです。

アジアの業務は、日本のマルチタスクとは異なり、シングルタスクが主流となっています。ファミリーマートでは、マルチタスクを行うように業務の方法を徹底的に強化。教育の過程でマルチタスクに対応できるリーダーを見つけ、その人材を中心にほかのスタッフにもマルチタスクを根付かせていく方法を採用。この方法で、生産性が上がるように徐々に業務改善を目指し、成功を収めました。

コアックス株式会社

コアックス株式会社は、1974年に創業し、電子部品や端末を製造している会社です。「高品質・短納期・小ロット」をモットーに掲げ、多くの会社との取引を行っています。コアックス株式会社では、研究者間のネットワークによって海外進出を成功させました。

まず、海外の学術会議で研究成果を発表し、そのに併設に展示会に出店することで販路を開拓。現在では、アメリカやカナダ、オーストラリアなど30ヶ国以上で進出し、成功を収めています。

成功のポイントとしてはやはり、学術会議でのコミュニティ構築。現地の専門家とのネットワークを強化したことです。また、現地調査をすることで地域性を学び、理解し、学術会議の時点ですでに市場調査と人材確保ができていたのも成功の要因といえます。

味の素株式会社

国内でも有名な味の素株式会社は、旨味調味料「味の素」を中心に、さまざまな調味料をは販売している会社です。

味の素株式会社の海外進出の歴史は長く、1917年、初めてニューヨークに拠点を構え、2017年には海外進出100周年を迎えています。現在では、ヨーロッパやアフリカ、北米や中南米、アジアを拠点にして30ヶ以上の拠点を持ち、130ヶ国を超える国や地域で展開しています。

味の素株式会社が進出先に選んでいるのは、人口の多い国や地域。「見つける・届ける・伝える」と言う3つの力を発揮し、海外進出を成功に収めています。

  • 「見つける」➡︎各国で異なる嗜好性・食習慣を徹底調査、現地に適した商品開発
  • 「届ける」 ➡︎手に入れやすく買いやすい販路を確保、価格や容量の検討
  • 「伝える」 ➡︎ブランド宣伝戦略

自社の強みを生かした上で、海外の国ごとの状況を把握し、進出を成功させています。

八幡化成株式会社

八幡化成株式会社は、プラスチック製の家庭用品や雑貨品を現地のバイヤーに買ってもらいます。取引をした商品は、コンセプトショップや百貨店、有名なチェーンストアに並び、消費者の手に渡る仕組みです。

国内でも販売を行っていますが、市場規模が小さくなってきたことを受け、海外への進出。海外進出に向けてまずは、英語版ホームページの制作から始まりました。海外からも注目を集めるようになり、欧米の展示会や商談会に出席することで、自社製品をおろす現地バイヤーとのパイプを強化しました。

展示会の出席などを通じ、バイヤーからの問い合わせが殺到し、現在は約25ヶ国への輸出を行っています。

有限会社瑞穂

有限会社瑞穂は化粧筆やネイルデザイン筆、洗顔筆や画筆に至るまで、さまざまな筆の製造を行っている会社です。化粧筆には熊野筆を採用し、品質の徹底にも努めています。同社は自社ブランドを海外でも確立すべく、また製品の販売強化も目指して海外への進出を行いました。国内市場が縮小したことを受け、海外への直接輸出に踏み切ったのです。

海外進出の第一歩として、展示会への出席や英語版ホームページの作成、SNS戦略を中心に行っています。現在では、東南アジアを中心とした展示会や商談会に出席し、バイヤーとのつながりを強化。直接輸出をするノウハウを社内に蓄積し、効率の良い物流のフローを作り出し、海外進出を成功させました。

現在では海外での知名度や受注実績も上がり、現地のバイヤーからの問い合わせが殺到しています。

日東建設株式会社

日東建設株式会社は、公共施設の建設や非破壊検査装置の製造や販売を行っている会社です。海外ではインフラが老朽化していることを受け、コンクリート強度の非破壊検査装置を開発し、海外での事業を展開しています。

非破壊検査装置は強度の測定や解析が可能で、取り扱いもシンプルで簡単なので取引の依頼も増えています。

もともと、国内での公共事業の規模が縮小したことで、海外へ市場開拓を目指して踏み込みました。現在は世界各地の展示会や商談会に出席し、トップセールを行ったり、英語版ウェブサイトを開設するなど精力的に海外での事業を行っています。海外SEOの対策を強化し、海外からの問い合わせも殺到している人気企業です。

太陽刷子株式会社

太陽刷子株式会社では、ほうきや歯ブラシ、歯間ブラシなどのブラシ類を販売しています。最先端の加工技術を用い、創業以来蓄積しているノウハウで付加価値の高いオーラルケア製品を生み出しています。製品は、ASEAN市場でも展開。国内での市場が成熟してしまったことを受け、海外への進出を決意し、ベトナムに出店しました。

新しい国での販路の開拓を目指し、中・高所得層の増加を見込み付加価値の高いオーラルケア商品を開発。ベトナムでの商品生産を行い、都市部のショッピングモールに展開し、ヒットしています。

クールジャパンワールドトライアルベトナムに出店した際には、バイヤーからの問い合わせが殺到し、注目度も高まりました。

武田薬品工業株式会社

武田薬品工業株式会社は、製薬会社として売上高1位を誇る人気企業です。他の海外進出企業とはやや異なり、2014年には海外製薬会社の社長が就任し、外国人がが多く活躍している企業です。

M&Aなどを中心に業績を拡大しており、のちにアイルランド製薬大手のシャイアー社が買収。現在では、社員の約9割が外国人という、グローバル企業となっています。

任天堂株式会社

国内で言わずと知れたゲームメーカー、任天堂。ニンテンドーSwichなどの代表商品を始め、ポケモンなどの人気作品はアニメ化されるほどのヒットを記録しています。このような代表的なコンテンツは海外にも広く受け入れられており、海外に展開しても大成功を収めました。

あまり知られていませんが、もともと任天堂は花札の製造を行っていた会社。安価で品質の高い製品を世に共有する考え方が今も続いているため、品質の高い製品を生み出し続けて世界中でもヒットしているのです。

ライオン株式会社

ライオン株式会社は、トイレタリー製品を販売している大手メーカーです。現在はアジアでの合弁事業を行っており、マレーシアでは2003年販売開始の同社製品TOPが衣料用洗剤の首位ブランドとなっています。

海外での事業に力を入れつつも、国内での売上増加にも注力。人口は減りつつも世帯数が増えていることに注目し、高い付加価値をつけた製品のプロモーションを行っています。

日用品のように、生活に根ざしている製品は現地でもすでに使われているものであり、新規参入は厳しいのが現実。それでもライオンは現地での地道なヒアリングや原料メーカーとの協力によって、海外進出を前向きに進めています。

キッコーマン株式会社

キッコーマン株式会社は、調味料の代表的なメーカーです。特に和食で使われる醤油は、世界無形文化遺産に登録されてから認知度が高まり、海外からの需要も増えています。醤油の歴史は古く、江戸時代には長崎からオランダに輸出されていたほどです。オランダとの貿易の後も、在留邦人向けに輸出されました。

キッコーマンでは、醤油だけではなく、さまざまな調味料を製造している企業です。海外進出に向けて、現地の人々が好む料理の開発も日夜行っています。元からある商品を壊すことなく丁寧にに活かし、現地の市場開発を続けて合う商品を開発することで、海外進出を成功させました。

株式会社大創産業

大創産業は、100円ショップの大手として日本国内でも有名なメーカーです。海外進出にも前向きで、2005年には米国に100%出資の子会社を設立しています。その後も米国の各州に多くの店舗を設置しています。

米国で成功した要因としては、人種への理解を深めたこと。例えばロサンゼルスの出店時には、ターゲットをアジア系の住民に絞りました。アジア系の住民は母国でダイソーを認知しているため、需要が見込めるとしたのです。そのあとも人種別にターゲットを決め、売り出し方を変えることで、売上を伸ばしていきました。

また、アメリカにはもともと多数の1ドルショップ(100円ショップ)があります。ただ、米国の1ドルショップは品質が悪く、店内も清潔感がなく陳列が雑なところが目立ちます。そこで、価格を1.5ドル(約150円)に設定して差別化を図り、品質向上への投資が可能になったのです。

株式会社ユニクロ

ユニクロは、実は1度中国とイギリス、アメリカに進出し、失敗しています。

中国  ➡︎現地の所得に商品の価格を合わせ、失敗

イギリス➡︎現地の人材に経営を任せ、失敗

アメリカ➡︎標準サイズの店舗を増やし、失敗

この失敗を元に、ローカライズを意識しながら国ごとにプロモーション方法を見直し、海外進出にリベンジし、成功しています。

中国  ➡︎ターゲットを見直し、高品質の商品を適正価格で販売

イギリス➡︎現地に受けの良い商品を販売

アメリカ➡︎グローバル旗艦店を作り、大々的なプロモーションを実施

一度失敗しても、その失敗を活かして成功を収めたのです。

▼海外進出がおすすめな理由を詳しく知りたい方はこちら
海外進出したほうが良い3つの理由|海外展開のメリットや手順について徹底解説

日本企業が海外進出で成功した4つのポイント

ここからは、実際の成功例をもとに、日本企業が海外進出をすることで成功するためのポイントについて解説していきます。

事前調査を徹底

海外進出をするのであれば、事前の調査で「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」を把握しておきましょう。

【顕在ニーズ】

顧客が自覚しているニーズ

例:ナスが買いたい

➡︎「ナスが欲しい」

【潜在ニーズ】

顧客自身が気づいていないニーズ

例:ナスを買いたい

➡︎ナスに含まれる栄養を摂取したい

➡︎国産のナスを買いたい

➡︎◯◯の料理に合う品種のナスを買いたい

顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズも意識することで、顧客のさまざまな需要に応えられるため、ビジネスの幅も広がります。

自社のサービスの強みを活かす

自社サービスの強みを生かすためには、3つの分析方法を試しましょう。

【SWOT分析】

強み(S)・弱み(W)・機会・内部環境(O)・脅威(T)

【3C分析】

自社(Company)・顧客(Customers)・競合他社(Competitors)

➡︎3つの立場から分析

➡︎お互いにどんな影響を及ぼすのかを考える

【VRIO分析】

企業の商品など(リソース)について分析

価値(Value)・希少性(Rarity)・模倣可能性(Imitability)・組織化(Organization)

➡︎企業内部の経営資源を分析し、製品の展開に活かす

自社サービスにどんな強みがあり、どんな人に受け入れられやすいのか。また、ライバルとの差別化はどのようにしたら良いのか、これらの分析を行うことで、わかりやすくなります。

ローカライズ戦略

ローカライズ戦略は、海外進出をする上で非常に重要なポイントです。国によって人種も文化も違うため、その国にあった製品を作り、その国にあったプロモーションをする必要があります。

ローカライズ戦略を行う上では、以下のようなポイントを意識しましょう。

  • ニーズ
  • 宗教
  • 地域性
  • 言語(方言)
  • 趣味・嗜好
  • 国民性
  • 文化
  • 習慣
  • 価値観

現地のデータを見ただけではわからないこともあるため、可能であれば実際に現地に行き、その国の風土や国民性などを肌で感じましょう。また、実際に現地で話を聞くことで見えてくることもあります。

ただ、中にはローカライズしない方が良い場合もあります。

【ローカライズしたほうがいい】

  • 習慣、文化、規制、法律
  • ハラル・ヴィーガン・ベジタリアン

【ローカライズしないほうが良い】

  • 商品
  • 店名
  • 日本製ブランド価値

基本的に現地でもある程度の知名度があるブランドや店名であれば、わざわざローカライズしないほうが受け入れられる場合が多いです。地域性を無視してでも、日本国内の市場と同様にブランディングしていくのが成功のカギと言えます。

▼ローカライズ戦略について詳しく知りたい方はこちら
海外向け商品のパターンとローカライゼーション(現地化)戦略について解説

現地のパートナーを持つ

海外進出をする際には、現地のパートナーを持つことが非常に重要です。現地のパートナーがいればその国の国民性などを熟知しているため、ビジネスの展開の仕方などで助言をもらえることもあります。

また、現地の人のほうが現地の消費者や取引先とのコミュニケーションが円滑に取れる点もメリットです。

まとめ

今回は、日本企業が海外進出した成功例について取り上げてきました。海外でビジネスを成功させるためには、その国に根ざした文化や国民性を理解した上で、商品を売り出すことが重要です。

実際に海外進出した企業は、丁寧に出店国のリサーチを行い、現地バイヤーやパートナーとの強いパイプを築いているところが多いです。現地の人とうまくコミュニケーションをとりながら、計画を立ててコツコツ続けていくことが、海外進出成功の秘訣。ローカライズを意識しながら、その国ごとにあった方法でビジネスを展開していきましょう!

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