海外進出の費用・コストを抑えることは、海外でのビジネスを成功させるための非常に重要な要素の一つです。この記事では、海外進出で発生する費用について解説しつつ、コストを抑える方法も解説します。
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目次
日本企業が海外進出をすべき3つの理由
現在、日本企業の海外進出が活発になってきています。日本貿易機構(ジェトロ)が毎年実施している「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」でも、海外進出に拡大意欲を持つ企業が約6割にも及んでいることが判明しました。このように企業が海外進出を推し進めているのには、主に以下の3つの理由が挙げられます。
・国内市場の縮小
・マーケットの拡大
・コストの削減
上記の理由について正しく理解し、必要に応じて海外進出の検討を進めましょう。
1.国内市場の縮小が続くため
企業が海外進出を決めた理由の1つに、国内市場縮小への危機感があります。この危機感は、日本が少子高齢化とそれに伴う人口減少という社会問題を抱えていることからきています。総務省の報告によると、出生率の低下と平均寿命の伸長から少子高齢化はさらに進み、40年後の2060年には65歳以上の高齢者が約4割に達すると見込まれており、また2060年の総人口は8,674万人にまで減少すると予測されています。
この総人口・生産年齢人口の減少によって、国内市場が縮小の一途をたどることは確実視されています。そこで、将来的な局面に備えるべく日本企業の海外進出が活発になっています。
2.マーケットの拡大を図るため
マーケットのさらなる拡大を図ることも、海外進出を決める理由の1つとして挙げられています。国内市場が縮小しているのに対して、世界経済は成長を続けているためです。国際通貨基金(IMF)が発表している「世界経済見直し」によると、世界経済成長率は今後3年間で安定的に上昇する予測が立てられています(※コロナウイルス感染拡大前の予測)。
また、経済発展の著しい新興国では総人口・生産年齢人口ともに増加しているので、今後ますますの成長が見込まれます。そのため、将来の売上拡大を見込んだ海外進出も活発になっています。
3.人件費などのコストを軽減するため
コスト削減のために海外進出を決める企業も少なくありません。新興国などでは日本より人件費や固定費が安く、また税率の低い国では節税も可能になるからです。具体的にいうと、人件費は国内の2割程度に抑えることも可能です。
ただし、人件費は上昇する可能性があることを考慮せねばなりません。かつての中国のように、近年ではタイなど東南アジア諸国の人件費が急上昇しています。そのため、コスト削減のための海外進出は長期的な戦略を十分に練る必要があります。
▼海外進出がおすすめな理由について詳しく知りたい方はこちら
海外進出したほうが良い3つの理由|海外展開のメリットや手順について徹底解説
海外進出に要する8つのコスト
海外進出に要する主なコストは以下の通りです。予算を立てる際の参考にしてください。
・海外法人設立費用
・人件費
・地価・事務所等賃貸料
・公共料金
・輸送費
・税金
・ビザ申請費
・弁護士・会計士・通訳費用
1.海外法人を設立する費用
現地に進出した場合は必ず法人を設立しなければならず、法人登記のための費用が必要になります。進出国や地域によって法律や制度は様々で、費用も異なってきます。また、登記のためには会社の資本金や設立年数などに条件が設けられている場合もあるので、事前の調査でしっかりと確認しておくことが大切です。
2.現地で発生する人件費
コストの削減が期待される人件費ですが、当然のことながら国や地域によって異なります。新興国では日本国内の2割程度に抑えることも可能ですが、かつての中国のように急上昇する可能性もあるので、長期的な視点で考える必要があります。
概ねの人件費を押さえておきたい場合は、日本貿易振興機構(ジェトロ)のウェブサイト「投資コスト一覧」で確認することができます。都市別に役職ごとの平均年収、最低賃金、賞与、賃金上昇率や社会保険の負担率まで把握できるので、是非参考にしてください。
また、日本人の従業員を海外に赴任・駐在させる場合は、給与とは別に海外勤務手当を支給する必要があります。ハードシップ手当やフリンジベネフィット、家族が帯同する場合には海外子女教育手当など状況に応じて手当は増減するので、海外進出の検討時にしっかりと概算しておきましょう。
3.事務所などの賃貸料
人件費同様にコストの削減が期待できる地価や事務所などの賃貸料もまた、国や地域によって費用は大きく異なります。そのため、事前の調査でしっかり把握する必要があります。こちらも日本貿易振興機構(ジェトロ)の「投資コスト一覧」で、概ねの費用を確認することができます。工業団地(土地)の購入価格、工業団の借料、市内中心部の店舗・ショールームの賃料などの相場が分かるので、進出国の検討時にご活用ください。
また、ビジネス開始前に現地のマーケティング調査やプロモーションを実施したい場合でも、駐在事務所の賃貸料などのコストが必要になってきます。
4.公共料金(電気・水道・ガスなど)
電気・水道・ガスなどの公共料金も確認する必要があります。新興国などでは日本より安いことは確かですが、人件費ほどの差は生じないので、コスト削減の面ではあまり期待できません。
5.輸送費(日本-進出国間など)
日本-進出国間の輸送費、進出国-第三国間の輸送費ともに確認しておきましょう。基本的には距離に応じて輸送費は変わり、遠くなるほどコストが高くなります。また、輸送費に大きな影響を及ぼすガソリンや軽油の現地相場も併せて確認しておきましょう。
6.税金
国や地域によって異なるのはもちろん、対策次第で支払わなければいけない税金は大きく変わってくるので、しっかりと調査して対策を講じる必要があります。具体的にいえば、租税条約締結国への進出や外国税額控除の制度、外国子会社配当益金不算入制度を活用することで二重課税を回避することができます。
また、進出先の地域によっては節税も可能です。経済特区では法人税や関税の免除や優遇措置が実施されている場合が多く、タックスヘイブンを上手に活用すれば相当なコストが削減できます。以上のことより、進出先を選定する際には各都市の税制を確認しておくことが重要です。
7.ビザ申請費・発行費用
日本人の従業員を赴任・駐在させる際にはビザを取得させる必要があり、申請には費用を要します。申請時に提出する資料は国や地方によって異なり、企業や申請者にも条件が設けられています。有効期限もビザによって様々で、またビザの発行には日数を要します。そのため、事前にしっかりと確認する必要があります。
8.弁護士・会計士・通訳費用
海外進出を果たす際のあらゆる手続きに弁護士・会計士・通訳が必要です。その理由は、海外進出は専門的な知識を要するからです。そのため、既に顧問先がある場合でも新たな弁護士や会計士と契約を結ぶ必要があります。現地に精通していることはもちろんのこと、国際ビジネス法務に長けた弁護士や国際税務に強い会計士を探さなければなりません。
また、言語に自信がない場合は通訳と契約することも必須です。いかなるビジネスシーンにおいても通訳は必要で、また専門用語に精通している通訳を選ばなければいけません。
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海外進出の事前準備でも費用が発生
海外進出は検討段階・事前準備にもコストを要します。
・市場調査費
・コンサル費
事前に、何にコストが発生しうるのかを整理したうえで、海外進出の成功に備えましょう。
市場調査費・リサーチ費
市場調査こそが海外進出成功の鍵を握っているため、検討段階であっても市場調査を実施する必要があります。日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施した「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」でも、有効な施策は現地の市場調査であると回答した企業が約6割にも及びました。そのため、しっかりとした市場調査をしなければなりません
その費用は、調査方法によって大きく異なります。従業員を現地に派遣する場合は渡航費や宿泊費もコストとして計上されます。安く済ませたい場合は現地の外国人や在留邦人に直接依頼することも可能です。しかし、より確実な市場調査を希望する場合はコンサルティング会社や支援業者に依頼することをおすすめします。
コンサル依頼費
コンサルティング会社や支援業者に依頼するには、当然のことながらコンサル費を要しますが、その費用はサービス内容によって大きく異なります。サービス内容は市場調査から、グローバル戦略の立案、輸送やプロモーションのサポート、法人登記やビザ申請の代行、また弁護士や会計士の紹介までと多岐にわたります。
また、一口にコンサルティング会社や支援業者と言っても、得意な国や地域、専門分野は大きく異なります。そのため、海外進出を果たす際には、最適なコンサルティング会社・支援業者を選ぶ必要があります。
海外進出の費用を安く抑えて越境ECを実現
海外進出の方法として越境ECの導入を検討する必要もあります。ここまで解説してきたような海外拠点の設立が不要で、国内にいながら海外進出を果たせるからです。そのため、コストも抜群に安く済み、また低リスクで取り組めることから、海外拠点の設立を見据えたテストマーケティングとして活用することも可能です。
そもそも、越境ECとは国際的な電子商取引のことで、基本的には海外のユーザーに向けて商品やサービスを販売するオンラインショッピングのことを指します。ここでは、越境ECの市場規模と導入にあたってのメリットを紹介していきます。
越境ECの市場規模は?
経済産業省が報告した「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、世界の越境ECの市場規模は2017年に5,300億米ドルと推計されており、2020年には9,940億米ドルにまで到達すると見込まれています。
この報告から、現段階でも越境ECの市場規模が十分大きいことが分かりますが、特筆すべきことは越境ECの市場規模が年に20%以上のペースで成長を続けていることです。この成長はスマートフォンの普及と通信環境の整備によるものです。また、今後も発展著しい新興国の参入が見込まれているので、ますますの拡大が期待できます。
越境ECを導入するメリット
越境EC導入のメリットは、コストを抑えて海外進出ができることです。繰り返しになりますが、海外に営業拠点や店舗を設立する必要がないためです。このことから大幅なコストカットが期待でき、具体的にいえば、事務所などの賃貸料が発生せず、法人登記やビザ申請の費用もかからず、また現地に従業員を赴任・駐在させる必要がないので人件費も抑えられます。このようなコストの軽減だけでなく、時間や労力を比較的に要さないこともメリットとして挙げられます。
また、現地に実店舗を設立する場合は商圏が限られてしまいますが、越境ECの場合は通信環境さえ整っていれば世界中が商圏になります。そのため、現地に出店よりはるかにマーケットの拡大が期待できます。
さらに、越境ECはアジア太平洋地域での盛り上がりが特に凄まじく、市場規模の約半数を占めるほどです。このことから、日本企業は地理的に優位に立って越境ECの活用が可能になります。
海外進出をBeeCruiseが幅広く支援
BeeCruiseは東証一部上場企業「BEENOS」のグループ会社です。BEENOSはグループ全体で越境ECを中心に日本企業の海外進出を幅広くサポートしています。これまでに海外進出をサポートした企業は2100社以上にも及び、サービス展開国は120カ国、流通総額800億以上と、業界最大級の導入実績があります。
このように豊富な実績を持つBeeCruiseの主なサービスは、以下の通りです。
・転送コム
・Buyee
・輸出入物流・貿易代行サービス
・プロモーションサポート
・「Shopee」出店サポート
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サービス1:転送コム
転送コムは海外への配送を代行してくれる越境ECのサービスです。ECサイトに転送コムのバナーを載せるだけで、海外のユーザーに商品を配送できるようになります。転送コムが海外のユーザーに国内の住所を付与し、海外への配送手続きを代行してくれるからです。そのため、国内配送と同じフローで海外への配送が可能になります。また、ユーザーからの手数料で運営されているため、コストが一切かからないのが魅力的です。
サービス2:Buyee
Buyeeは販売から配送までを代行してくれる越境ECのサービスです。代理購入サイトに商品データを連携させるだけで、海外のユーザーへの販売・配送が可能になります。Buyeeが海外のユーザーに代わって商品を購入し、海外へ配送してくれるからです。そのため、海外のユーザーとのやり取りは不要で、決済リスクもまったくないのが魅力的です。転送コム同様に、国内と同じフローで海外への販売・配送が可能で、また同じくユーザーの手数料で運営されているために、コストゼロで越境ECを始められます。
【導入運用費用0円】BuyeeConnect:国内ECオペレーション不要で海外対応
サービス3:輸出入物流・貿易代行サービス
輸出入物流・貿易代行サービスは、その名の通り海外への輸送を代行してくれます。転送コム・Buyeeで培われた配送実績から、低コストでの輸出入が可能になります。また、インボイス手続きなど日本語・英語・中国語での対応が可能で、法律や規制の確認も全て代行してくれます。
国際配送代行サービス:配送作業だけをアウトソースしたい企業様向け
サービス4:プロモーションサポート
BEENOSグループ全体であらゆるプロモーションが可能です。具体的にいうと、海外ユーザー160万人以上への市場調査が可能なので、国や地域に最適なプロモーションを計画・実行してくれます。また、展示会やイベントに向けて現地の人材の採用など出店をトータルでサポートしてくれます。さらに、国別にインフルエンサーネットワークを保有しているので、インフルエンサー・マーケティングも可能です。
ファンマーケスターターパッケージ:越境ECのプロモーションを改善した方向け
「Shopee」出店もサポート
Shopeeは東南アジア最大のECモールです。台湾・タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナムではショッピングアプリのダウンロード数が№1で、累計ダウンロード数は2億を超えています。
BeeCruiseはShopeeと戦略的業務提携を交わしたことで、公式パートナーとして日本企業のShopee出店をサポートしています。Shopeeに商品データを連携させるだけで、商品の出品からネイティブスタッフによる翻訳、受注、配送までを行ってくれます。法律や規制の把握も一切不要で、またカスタマーサポートの対応なども対応してくれるので、新たに外国人スタッフを雇う必要もなく越境ECを導入できます。