海外進出する6つのメリットとは?おすすめの国や成功させるポイントも紹介!

海外進出をすると、販路を拡大できるなどのさまざまなメリットがあります。今回は、海外進出で得られる利点を紹介するとともに、進出に向いている国などもピックアップ。海外進出を成功させるポイントについてもチェックしてみましょう。

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海外進出をする6つのメリット

海外進出をすることで得られるメリットは、大きく分けて6つあります。

人件費や原料費の削減

海外進出をすることで、人件費や原料費などの削減が可能です。多くの企業は、安価な新興国の商品に対抗するために、生産コスト削減を目指して海外進出を決めます。賃金が日本よりも安い国に出店をすることで、人件費を抑えられますし、原料費も日本よりも安いところがあるため、コストの削減につながります。

ただし、進出する国によっては、日本よりも人件費や原料費が高くなってしまう場合も。例えば中国では、近年の経済成長によって人件費が高騰しています。必ず出店する先の国の賃金の相場などを確認しておきましょう。

税率によるコスト削減

進出する国によっては、日本よりも税率が低く設定されているところもあります。例えば日本の法人税の税率は税率は23.3%ですが、シンガポールは17%と低めです。こういった国に出店をすれば、日本よりも税率が低いため、かかるコストも少なくなります。

日本では地方税率というものが加算されるため、納税額を計算する際には実効税率は30%程度に。一方シンガポールでは、課税所得額が低い企業は軽減税率が適用されるため、実効税率も低く設定されています。

他にも、海外進出を目指す企業に向けて税制の優遇を行っている国もあります。このような国は経済特区と呼ばれ、中国やベトナム、カンボジアやマレーシアなどが有名です。

販路の開拓ができる

海外進出をすることで、販路の開拓にもつながります。海外に事業の拠点を置くということは、日本での事業だけでなく、海外にも販路を作ることになり、結果的に事業規模の拡大にもつながるのです。

日本は現在、GDP(国内総生産)は横ばいとなっており、成長や規模の拡大が難しいのが現状です。市場は縮小傾向にあり、少子高齢化で国民の消費も停滞している時代。海外に進出することで販路を拡大している企業も増えています。

ビジネスチャンスが拡大する

海外に進出するということは、単純に考えてビジネスチャンスが広がるということでもあります。日本国内でのビジネスは企業が飽和状態にあり、需要も低迷していることから、なかなか業績が伸びないのが現状。

海外に進出することでビジネスのフィールドが大きく広がります。売り出す場所が増えることで、ビジネスチャンスが拡大するため、企業の業績アップにも大きく影響するわけです。

新規プロジェクト・商品開発につながりやすい

海外への進出をすることで、新規プロジェクトや商品開発にもつながります。現地の企業と提携することで、シナジー効果も生まれるため、より企業の業績を伸ばしやすくなるというわけです。

得られるシナジー効果には事業シナジーと財務シナジーの2つのパターンがあります。

事業シナジー

  • 売り上げの増加
  • ノウハウの統合
  • コスト削減
  • スケールメリット
  • 人材の活用

財務シナジー

  • 余剰資金の活用
  • 節税
  • 海外のパートナーと手を組んで業務を実施

上記を行っていくことで、大きなメリットが得られるでしょう。

企業の価値、ブランドイメージの向上

海外進出をすることで、自社の魅力を海外にも広めることができ、価値やブランドイメージを高められるのも大きなメリットです。

海外の市場に進出することで、自社商品やサービスが持っている独自性や競合企業との差別ポイント、強みや価値を売り出せます。その国にはないサービスや商品を売り出せば、大きく需要が拡大して業績を高める可能性もあります。

また、海外進出をすることで得た知識や経験などは、逆に国内の事業や自社の事業に大きな影響を及ぼすこともあるでしょう。

▼海外進出がおすすめな理由をより詳しく知りたい方はこちら
海外進出したほうが良い3つの理由|海外展開のメリットや手順について徹底解説

【解決案あり】海外進出をする6つのハードル

海外進出が軌道に乗れば良いのですが、成功まで位は6つのハードルがあります。

言語や文化の違いによりトラブルが起こることもある

海外進出をするということは、日本国内での事業展開と比べると、やはり少し難易度が高い部分もあります。例えば、言語や文化の違い。言語が違うことでコミュニケーションを取るのが難しいケースもありますし、人材管理や教育の面で文化の壁が邪魔することもあります。

国によっては、法規制で現地から一定数の雇用が定められているところもあり、全員日本人で運営することは難しい場合も多いのです。

国によって国民性や企業風土、働き方などが異なるため、日本式の管理方法を踏襲してしまうと、現地の社員が反発してやめてしまうことも。離職率の高いエリアでは、人材が成長する前に辞めることも多いのが現状です。また、辞職まではいかなくともモチベーションの低下につながる場合もあります。

ただ、現地の人との直接のコミュニケーションが難しいという場合でも、現地のパートナーと協力することで、ハードルを下げることも可能です。

人材が定着しにくく人件費が増える場合もある

国によっては日本よりも人件費が安いこともありますが、逆に高くなることもあります。特に新興国では、教育水準がどんどん上がっているため、人件費も高くなる傾向です。このように人件費がかさんでしまうことで、事業の縮小や撤退を余儀なくされている企業もあります。

こうした事態を防ぐためには、まず進出国の人件費を調査しておくことが重要です。日本 よりも低い費用で人を雇うことができれば、コストカットができますし、その分ほかのところに投資できます。

日本とは異なる法規制がある

進出する国によっては、日本とは異なる法規制を敷いているところもあります。そのため、サービスや商品に関して、日本では販売が認められているものでも、国によっては販売禁止されていることも。例えば、エネルギー関連の事業やメディア系、都市インフラ事業は新規参入が難しくなっています。

また、特にベトナムでは顕著ですが、小売業や飲食業は業界における外資企業の比率が規制されているところもあり、審査が厳しくなっています。

せっかく進出をしてもサービスや商品を販売できないようでは、事業は失敗と言わざるをえません。あらかじめ進出国の法規制を確認しておき、参入できるかどうかを判断しておくことが重要です。

カントリーリスクの影響を受ける場合もある

海外進出をする上での大きな障壁となるのが、カントリーリスクです。これはその国の政治や経済状況の変化によって、証券市場や為替市場に混乱が生まれてしまうことを指します。法規制や規制の内容によっては、事業を展開したいと考えている商品やサービスの参入が難しくなることも。最悪の場合は、事業展開できずに撤退せざるをえない可能性もあります。

また、製造業以外の分野では業種や業態によって外資企業の比率が決められていたり、現地従業員を一定数雇わなければならないという規制があるケースもあります。あらかじめこうした法規制やカントリーリスクについては、確認しておきましょう。

人材管理のコストがかかる

海外で事業を展開するとなると、人材管理のコストがかかってしまう点がデメリットです。日本ではもともとの文化や国民性によって終身雇用や年功序列などの制度が踏襲されてきました。そのため、ひとつの会社に長く勤めるのが美徳とされてきたのです。

ただ、海外の会社ではこのような文化がないところが多数。嫌になったらやめるという人も多く、職場への定着率も高くはありません。人材を長く雇用するためには、労働面や生活面、精神面などでしっかりとしたケアが必要です。外国人スタッフを離職させずに成長させるという点では、現地の人材管理にかかるコストは日本よりも高いでしょう。

国民性を理解した上で、根気強くスタッフを育てるという意識を持って、現地のパートナーと協力しながら教育体制を築きましょう。

▼海外進出におけるコストについて詳しく知りたい方はこちら
海外進出の必要コスト8選!費用を抑える方法と支援サービスも紹介

法人を作る際のコストがかかる

海外では、国ごとに法人を作る際のコストも違います。海外に拠点を作るということは、現地法人(いわゆる子会社)を作る方法と、支店や駐在員事務所を作るといった形態に分かれます。そして何れにしても、現地での法人登記は不可欠です。

法人登記には国際的な基準というものは存在せず、国ごとの制度に則って手続きしなければなりません。法人登記自体が複雑なことと、国によって使用する言語が違うため、手続きに思わぬ時間や費用がかかってしまうこともあるのです。

こうしたデメリットを緩和するためには、進出国や海外の法人登記に長けた司法書士事務所や税理士に一任することが一般的となっています。

▼海外進出のハードルについて詳しく知りたい方はこちら
海外進出で知っておくべきリスクとその対処法を解説

日本企業の海外進出国ランキング

ここからは、実際に日本企業が海外進出している進出先の国をランキング形式で紹介します。

1位 中国

新型コロナウイルスの蔓延によって一時は経済的にも危機に立たされた中国ですが、現在はすごい速度で経済回復を続けています。米中の貿易摩擦が起こったことにより、国内での研究開発に注力した結果、製造業を中心として発展を続けています。巨大に成長する中国や、経済特区の制度に注目して進出を考えている企業も多いです。

2位 ベトナム

ベトナムは若年層の人口が多く、労働力で溢れているのが特徴です。従業員の確保にも不安はなく、製造業での進出を考えている日本企業も多くあります。

3位 アメリカ

アメリカでは2021年よりジョー・バイデン政権が続いていますが、製造業の面でさまざまな教育や施策が取られています。特に、アメリカ製品への投資やイノベーション産業への投資が顕著。同事業が大きく成長を見せています。市場が大きく広がっていることもあり、アメリカへの進出も増加傾向です。

4位 タイ

タイは、ASEAN諸国の中でもマレーシアに次いでGDPが増加しています。東南アジアとのパイプが強く、世界的な貿易の拠点になっていることも、注目されているポイントです。GDPが安定していることもあり、景気好調が見込まれるため、進出を考えている日本企業も多くなっています。

5位 台湾

台湾は、アジアでも随一といわれる親日国です。そのため、日本企業も受け入れてくれやすく、日本語が堪能な人材が多いのも大きなメリットとなっています。また、法人税が20%と低めな点も、注目のポイントです。

海外進出を成功させる3つのポイント

海外進出を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

経営方針を海外向けにする

経営方針について、日本の方針をそのまま持って行こうとすると、うまくいかないケースが多いもの。国民性や風土が違うため、進出する国に合わせた経営方針を練る必要があります。現地で働く人の性格や考え方を理解した上で、彼らの負担にならないような教育を徹底しましょう。そうすることで、離職率も上がりにくくなります。

現地のニーズに合わせた商品開発を行う

海外にサービスや商品を提供するのであれば、その国の国民のニーズに合わせた製品を扱いましょう。日本とは国民性も文化も異なるため、海外でのニーズと日本のニーズはイコールではありません。

日本で売れるものをそのまま海外に持っていっても、うまくいかない事が多いです。自社製品を海外向けにアレンジして売り出すことで、成功しやすくなります。

現地企業と連携をとる

海外でいきなり成功するのは、簡単なことではありません。また、販路を確保する方法を知らないと、海外に進出しても思うように業績が伸びないこともあるでしょう。

海外進出の際は、海外の企業と提携をすることが重要です。例えば海外の展示会に参加することで、現地の企業の人間とのコネクションを作りやすくなります。また、現地の販売代理店に掛け合って提携してもらうのも一つの手段です。

▼海外進出を成功させた企業の事例が気にある方はこちらから
日本企業のグローバル展開成功事例13選| 海外進出企業名の一覧も紹介

まとめ

今回は、海外進出をするメリットを紹介するとともに、懸念点についても触れてきました。海外進出はリスクもありますが、メリットもたくさんあるため、きちんと準備をして計画的に進めていくことが重要です。また、国によって税率なども異なるため、より利益の増えそうな国を選択しましょう。

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