EC化の潜在性が高い!香港越境ECとは?市場規模や参入方法、注意点をご紹介

この記事では、現在注目されている越境ECの中でも、可能性が高いとされている香港についてご紹介します。

越境ECを行う際、どの地域を出店先に選ぶかによって販売戦略や売上が変わってきますが、どの地域に出店するか迷ってしまいますよね。
越境ECの出店先としては、よく中国・台湾・香港・シンガポールなどアジアの国が挙げられますが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどの国が良い!と言い切ることは難しいです。

そこで、今回は越境ECの出店先の中でも、EC化の潜在性が高いとされている香港に注目し、市場規模や参入方法、注意点などをまとめました。

この記事に書かれている香港での越境ECを読んでいただくと、どんな商材が香港に向いていて、どんな販売戦略を取れば良いのかなど、香港の越境ECに関する概要がお分かりいただけるかと思います。

結論からお伝えすると、香港の越境ECでは、EC化の潜在性が高いので可能性はあるものの、「日本のもの」にプラスして地域や期間、販売場所が限定された商品に勝機があり、リソースがあればHKTV MALL、リソースが限られていればBuyeeを用いて販売を行うと良い、ということになります。

それでは、以下から香港での越境ECについて詳しくお伝えいたします。

香港での越境ECについての基本知識

まずは香港での越境ECを検討するにあたって、基本知識となる市場規模や香港ECの現状についてです。

市場規模

香港は人口739万人、GDPは3,414億USドル、1人あたりのGDPは46,193.61USドル(すべて2017年時点)と全体の市場としては日本より少し小さいことが特徴です。

しかしながら、香港では2011年〜2016年の5年間でEC市場は年平均15%増加しており、2015年時点では小売額全体に対するECの割合が中国の13.8%に対して、香港は3.1%と今後のEC発展の潜在性が高いと言えます。

米中の貿易摩擦や、世界経済の減速もあり、近年の成長率は減速しているものの、EC市場の観点だけで言えばまだまだ可能性がある地域です。

香港のECの現状

日本のEC市場ではAmazonや楽天が強いように、香港でも強いEC企業が存在します。
香港のEC市場のメインプレーヤーとされているのは「HKTV MALL」、主に日用品を扱うECサイトです。
HKTV MALLは人口の半分以上である450万人(2017年4月時点)が登録している巨大ECサイトで、購買年齢層は25〜44歳が6割を占めています。

受注は、スーパーマーケットで取り扱っている日用品が注文の8割を占めており、その他に電子クーポンやファッション・美容関連商品、家具家電など幅広い商品がありあます。HKTV MALLでは、品目数の多いサイトの方が滞留時間が長いという結果が出ているため、香港での越境ECをHKTV MALLで行う際、品目数が少ない場合はスーパーマーケットとの取引を推奨されているようです。

香港で注目を浴びるECサイト

香港では、先述したHKTV MALLの他に、勢いよく成長しているECサイトとして「MyDress(マイドレス)」というアパレルECサイトが存在します。
MyDressは香港発のアパレルECサイトとして、現在は台湾やシンガポール、マレーシアに拠点を置き、東南アジアや、欧米在住の華人をターゲットとして展開しています。

EC全体のメインプレーヤーはHKTV MALLで間違いありませんが、ファッション・美容分野に限った場合のメインプレーヤーはMyDressと言われており、香港市場で他にファッション・美容分野に特化したECサイトはないようです。

日本でも既に大手アパレル通販企業がMyDressとパートナー契約を結んでいるなど、アパレル・美容分野の企業が香港で越境ECを検討する場合は、MyDressが強い味方となるのではないでしょうか。

香港ECで人気の高い商品

2017年4月に発表されたマスターカードの調査によると、香港のEC市場で売れているのは、以下の商品だそうです。

・アパレル・アクセサリー (41.7%)
・スーパーマーケット取扱商品(37.5%)
・航空券(36.7%)
・旅行商品(36.2%)
・ホテル(36.0%)
・家庭電器・電子製品(30.2%)
・オンラインゲーム(29.3%)

2016年にユーロモニターが調べた結果では、1位はコンシューマーエレクトロニクスが31.4%で1位でしたが、上記の2017年にマスターカードが調べた結果では、アパレル商品やスーパーマーケット取扱品などが上位に食い込んでいます。

この結果から、香港では電化製品やアパレル用品、スーパーマーケット取扱品が強いとされ、世界的にEC市場で売れている商品が変わらず香港のEC市場でも売れている傾向があります。

香港越境ECの参入状況

メインプレーヤーのHKTV MALLは変わらずですが、香港の越境ECの可能性を狙って、

・Yahoo寄摩(台湾)
・イオンダイレクト

など、新たな越境EC事業が続々と参入してきています。
例えば、越境EC事業の進出先として香港に参入した台湾の「Yahoo寄摩」では、香港と台湾のEC利用者が似ており、言語も同じであることから進出を決めたり、
対してイオンダイレクトは日本の限定商品・季節商品が香港に人気であることから進出を決めたり、事業者によって理由は様々です。

また、既に参入している日本の企業の成功例としてはらでっしゅぼーや株式会社が挙げられます。
創業以来、契約生産者から産地直送した野菜を取り扱っており、有機野菜・低農薬野菜、無添加食品の定期宅配サービスを提供するネットスーパーのらでっしゅぼーやは、HKTV MALLにて野菜・果物セットの販売を行っており、HKTV MALLの日本の商品を取り扱うページの中でもトップクラスの人気を誇ります。

香港で越境ECを行うメリット

大手・中小問わず、日本や世界の国が続々と香港で越境ECを行いつつある理由は、メリットが大きいからです。

香港で越境ECを行うメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

・給与水準が高く、消費に勢いがある。
・インターネットのインフラが整っている
・小売額全体に対するECの割合が低い

それぞれ順番にご説明いたします。

人口の1〜2割が訪日し、消費に勢いがある

実は、訪日香港人数や、インバウンド消費額は越境ECと深く関わっています。
というのも、2016年のiRserchによると中国人消費者が越境ECを利用する理由に「海外で購入し、リピート購入したい」という声が35%もあるからです。
つまり、訪日しインバウンド消費してくれた香港人は、香港に帰ってからECサイトで日本の商品をリピート購入してくれる可能性が高いということです。

香港人は親日の方が多く、人口の1〜2割が毎年日本に来てくれているというデータがあります。
実際に2017年の訪日香港人の人数を調べてみると、2,231,568人と約3割の香港人が日本に訪れたことがわかるでしょう。

また、同年の訪日香港人によるインバウンド消費は3,416億円で、1人あたり153,055円をも消費してくれているようです。

こうした香港人の訪日数が多く、インバウンド消費額も高い傾向から、香港で越境ECを行うメリットは十分にあると言えます。

インターネットのインフラが整っている

香港は中国の一部であるものの、民主化された国家であり、インターネットを厳しく規制されている中国とは大きく異なります。
そのため、中国と違って、香港だとHPの開設に現地法人やICPがなくてもサーバが取得できる大きなメリットがあるのです。
また、we are socialの「DIGITAL IN 2019」によると、香港のインターネット普及率は89%、世界の固定インターネット回線速度ランキングではシンガポールに次ぐ2位の161.4MBPSとなっており、インターネットのインフラが高水準で整っていると言えます。

ちなみに、日本のインターネット普及率は94%で、固定インターネット回線速度は91.9MBPSなので、普及率は日本の方が優れているものの、回線の速さは香港の方が圧倒的に優れていることがわかります。

小売額全体に対するECの割合が低い

2015年時点では、小売額全体に対するECの割合が中国の13.8%に対して、香港は3.1%と本土の中国に対して香港のEC化率はまだまだ進んでいません。

経産省の資料によると、越境ECの市場は2020年には109兆円の市場になるとされており、中国とアメリカを中心に、2020年までの越境ECの市場は毎年昨対比で20%ずつ成長していくのではないか、と予想されています。
まだまだ伸びていく越境ECの中でも、特に香港はECの可能性が残っていることが大きなメリットと言えるでしょう。

香港で越境ECに参入する方法

それでは、香港で越境ECに参入する方法をお伝えします。

香港の越境EC参入方法は大きく2つ

香港で越境ECを行う方法は大きく分けて、
・HKTV MALLに出店する
・代理購入サービス「Buyee」を利用する
の2つが存在します。

以下でそれぞれご紹介いたします。

HKTVモール

HKTVグループは、オンラインプラットフォームの「HKTV MALL」を出店者に提供する業務を行っています。
日本や台湾、韓国など約1,300社と取引しているようで、配送部門を完備しており、自動化された物流施設もあるため、越境ECにも関わらず素早く配送できることが特徴です。

特にらでっしゅぼーや株式会社の野菜と果物のセット販売は、HKTV MALLと提携を組んで行われていることです。
らでっしゅぼーやでは、HKTV MALL内のECサイトで22時までに注文をした場合、翌日夕方までに香港に届くシステムとなっており、日本から香港への越境ECを用いた注文でも、鮮度の高い野菜や果物が届くことで、香港の人たちからの指示を集めています。

その他にも、HKTV MALLではECとの相乗効果を期待すべく、香港島内に実店舗を複数持っていたり、リピートを促すべくポイントシステムを導入したりなど、香港EC市場でメインプレーヤーなだけあり、それぞれ施策が優れています。

しかしながら、HKTV MALLでは主に高級フルーツや、地域限定の食材の人気が高く、その他の商品ではブランドが香港市場に浸透していたり、流行していない限り、難しくなっています。

らでっしゅぼーやのような拘り抜かれた野菜や果物や、物産品、流行りの化粧品を商材とする場合におすすめできます。

代理購入サービス「Buyee」

Buyeeは日本のECサイトの商品を代理で購入し、海外へ発送するサービスを行っています。
日本の商品を購入したい外国人向けのサービスとなっており、長い間培ってきた越境ECについてのノウハウを持っているため、初心者でも気軽に越境ECを挑戦しやすいことが特徴です。

Buyeeを使えば出店者は特にすることはなく、Buyeeを通して注文が来たお客様のために、Buyeeの倉庫に商品を送るだけとなります。
出店者側にとっては越境ECサイトの運営やカスタマーサービス、配送、支払い方法の確保など様々な手間を省くことができ、ユーザーにとっては支払い方法が豊富であったり、配送の保証サービスがついたり、手数料が安かったりと、双方にwin-winなサービスです。

Buyeeは楽天やYahooショッピング、ヤフオク、ZOZOTOWNなど大手ネット通販会社と提携を組んでおり、約1,800もの数のECサイトと連携しています。
有名な企業だと、ビレッジバンガードや郵便局のネットショップがあり、昨年の2019年にはメルカリとも連携し、越境販売を開始しました。

Buyeeを用いれば、香港だけでなく世界100ヵ国以上の国・地域にアプローチできる他、ユーザー数も100万人を超えているので、同時にあらゆる国へ越境ECを挑戦することができます。

香港だけに絞るのではなく、香港を中心に他の国も対象にできるBuyeeでは、リソースに限りがあったり、手広く越境ECを行いたい方におすすめです。

状況によってどちらのサービスが良いか見極めよう

2つの大きな違いは、ECサイトの各種運営をどちらが行うかです。
HKTV MALLに出店する場合、運営は自分たちで行うのですが、それに対して代理購入サービスのBuyeeを利用する場合、運営はすべてBuyeeに任せることになります。

HKTV MALLは出店に関することや運営をほとんど自社で行うため、様々なコストはかかるものの、ノウハウを積み上げることができます。
Buyeeは出店に関することや運営をBuyeeが代理して行ってくれ、低コストで気軽に越境ECを行えるものの、現地などでのノウハウは溜まりにくいです。

残念ながら、香港での越境ECを検討している企業や個人の方の状況に寄るので、どちらのサービスが良いとは一概に言えません。
香港での越境ECに参入するにあたって、様々なリソースを確認した上で見極めるのが良いのではないでしょうか?

香港で越境ECを行う注意点

ここまでお伝えしてきたように、香港での越境ECはメリットが多く、魅力的なものです。
特に、EC化の潜在性がある都市で、インターネットの設備が世界最高水準なところは香港以外にないかと思います。

しかしながら、当然のように香港の越境ECが簡単であるかと言うとそうではありません。
香港で越境ECを行うにあたって気をつけるべきことは大きく2点ありますので、越境ECを行う際にはしっかりとポイントを抑える必要があります。

お買い物天国として、実店舗での購入が盛んな背景

そもそも、香港の面積は約1104平方kmと日本の東京の約半分しかありません。
そして、人口の過半数が中心街にあるショッピングモールから30分以内の距離に住んでいて、狭い中心街に実店舗が集まっています。

越境ECが参入するまで、香港でEC化があまり進まなかった理由としては、上記のように非常にお買い物しやすい環境が挙げられます。
中国のEC化が広がったのは、本土が広く、実店舗でお買い物したくてもできなかった人が多くいたからで、対して香港はお買い物に恵まれた環境であったからEC化が広がらなかったのです。

今となっては徐々にEC化が進んできていますが、香港で越境ECを行う際には「ECでないといけない理由」「ECであるメリット」を上手く伝える必要がありそうです。

「日本のもの」だけでは難しい

実は、香港で「日本製」というだけで他の商品との差別化を図れる、と思うと大きな間違いです。

というのも、香港のショッピングセンターやスーパーマーケットには既に日本の正規品があり、訪日香港人数も多いため、「日本のもの」だけでは香港島内での確立が難しいのです。

香港人が買いたい商品は、通販・ご当地もの

香港での越境ECについて、面白い調査があります。
ジーリーメディアグループが2017年に行った、台湾人・香港人が「越境ECで買いたい日本のモノ」調査です。

この調査では以下のことが判明しました。

・約8割の人が日本商品を扱う越境ECを利用したことがない
・越境ECを利用しない理由は、日本で直接買うからが56%
・日本旅行で購入するものは「ご当地グルメ」83%「食品」81%「メイク用品」81%
・半数以上が「日本国内の通販商品」「特定の地域限定の物産品」であれば越境ECサイトで購入したい

特に最後の、半数以上が「日本国内の通販商品」「特定の地域限定の物産品」であれば越境ECサイトで購入したい、においては具体的な商品として以下のものが挙げられています。

・日本のタレントが愛用しているサロン・クリニックでしか買えない美肌ファンデーション
・健康食品
・郵便局が出している商品
(一部略)

この調査から想像できるように、香港人はただ日本のものというだけでなく、付加価値がついた日本のものであればECで購入したいと考えていることがわかります。
地域や期間、販売場所が限定された商品の人気が高く、香港で越境ECを行う場合にはこれらの商品であると成功する確率が高くなるのでしょう。

香港越境ECについてのまとめ

今回の記事では香港での越境ECについてまとめました。
この記事の要約は以下です。

・香港のEC市場はまだまだ潜在性があるため、これからも伸びていく
・香港は人口の1〜2割が毎年訪日し、インターネットのインフラが世界レベルで整っている
・香港で越境ECを行うなら、リソースがあればHKTV MALL、リソースが限られていればBuyeeを利用すると良い
・香港人は、越境ECで商品を買う際、「日本国内の通販商品」「特定の地域限定の物産品」を欲している

香港はこれからEC化が進んでいくため、まだ成熟していない今が参入するチャンスと言えます。
しかしながら、日本のものであれば売れるわけではなく、地域・季節・販売場所が限定されたものや、流行りのものなど高付加価値の商品に勝機があるので、越境ECを行う際には商材を検討した方が良いでしょう。

2020年には109兆円になると言われている越境ECの市場、早いうちに参入して損はないので、ぜひ検討してみてください。

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