一部の日本商品は海外で人気が高く需要があります。日本商品を扱う事業者は、越境ECへ参入することで売上拡大が見込めるでしょう。
しかし初めて海外販売を行う場合、どこから進めればいいのか困りますよね。
そこでこの記事では、日本商品を海外販売するための具体的な方法をお伝えし、海外販売に適したサイトやアプリを複数紹介します。
後半では海外において需要が高い日本商品を記載しています。是非最後までご覧ください。
日本商品を海外販売するメリット
日本商品を海外販売するメリットは、大きく分けて以下3つあります。
- 還付金(消費税還付)が受けられる
- 市場規模が大きい
- ライバルとの差別化につながる
それぞれについて見ていきましょう。
還付金(消費税還付)が受けられる
海外輸出を行うと、還付金(消費税還付)が受けとれます。還付金とは輸出先の購入者が、本来販売者に支払う予定の消費税分を、国が代わり返還する制度です。
還付金を受け取れる対象は、基準の期間に課税売上高が1,000万円を超える、もしく特定期間の課税売上が1,000万を超える課税事業者です。
そのため基準値に満たない事業者は、還付金の受け取りまでに規定の売上を確保する必要があります。
市場規模が大きい
海外マーケットは、国内よりも市場規模が大きいです。例えば、2012~2020年までの8年間で日本の通販市場の成長率が約2倍とされている中、アメリカ・中国は約5.5倍や18倍などと大きく成長しています。
また国内では少子化が進み、消費に対する将来の展望も不安定な状態です。大規模な成長を続ける海外の通販市場には、今後も期待ができるでしょう。
ライバルとの差別化につながる
日本商品の海外販売は、ライバルとの差別化にも大きく寄与すると考えられます。
日本商品の国内販売では、前述したように少ない消費者を取り合っている状況のため、競合との価格競走が激化しています。
一方で海外には日本商品の品質の高さに対して信頼を置く消費者も珍しくはなく、一定の需要が見込めるのです。
国内のみ日本商品の販売を行う競合他社も多いことから、海外販売はライバルとの差別化につながります。
日本商品を海外販売するデメリット
日本商品を海外販売するメリットの他に、販売時のデメリットをここでは以下3つ紹介しましょう。
- 現地の言葉が必要
- 配送トラブルになりやすい
- 国ごとの規制品や関税がかかる
それぞれお伝えしていきます。
現地の言葉が必要
海外販売には、現地の言葉を利用する必要があります。例えば、商品ページの作成や消費者からの質問・苦情など、様々な場面で現地語での対応が求められます。
ただし現地の消費者と直接会話することはほとんどありません。そのため、ネイティブレベルでの現地語は必要ないと言えるでしょう。
また最近では、商品ページの作成やカスタマーサービスなどを代理で委託できるサービスも展開されているので、利用すればスムーズに海外販売が可能になります。
配送トラブルになりやすい
海外販売における配送トラブルには注意が必要です。日本のような整備された配送サービスは珍しく、一定の国では遅延や紛失が目立ちます。
また国によって利用できる配送サービスも異なるため、国の配送サービスを発送前に詳しく調べることが肝心です。
とくに値段が高い商品は、追跡番号を付けて紛失の確立を下げるようにしておくのが良いでしょう。
国ごとの規制品や関税がかかる
日本商品の海外販売では、国ごとに規制品や関税がかかることを覚えておきましょう。例えば、 インドへの輸出においては食品・ 薬・繊維製品など、インド側で輸入ライセンスが必要になります。
また、花火や香水などの航空便で送ることが禁止されている商品にも注意が必要です。誤っておくると没収はもちろん、処罰の対象になる場合があります。
なお輸出時には、輸出先の国で関税がかかり購入者に負担が求められ場合があります。事前に通知しておかないと、購入者とのトラブルになるので覚えておきましょう。
日本商品を海外販売する方法5選
日本商品を海外販売する方法は5つあります。
- 海外モールの活用
- 自社サイトの開設
- 現地スタッフとパートナー契約
- SNS
- Buyee Connect
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
海外モールの活用
日本商品を海外で販売するために、海外モールの活用を検討する方は多いです。海外モールとは、たくさんのショップが集い販売するオンラインのショッピングモールを指します。
有名なサイトは、Amazon・ebay・Yahoo!ショッピング・楽天市場などがあります。
海外モールのメリットは、すでに利用客がモール内に集客できていることから宣伝費が低コストで済み、出店がパッケージ化されており簡単な点です。
一方デメリットは、モールへの手数料が高く、モールの方針に従わなくてはいけない点です。一部のモールでは商品の販売規制や、購入者へのリピートセールスにおいて外部サイト遷移を禁止するなどがあります。
自社サイトの開設
日本商品を海外販売する方法として、自社サイトの開設があります。自社サイトの開設では、一から通販サイトを作成する方法と、サイト制作サービスを利用する2つの方法があります。
一から通販サイトを作成する方法は、自由度が高く思い通りのデザインで仕上げられる反面、制作スキルと習得コストが必要な点から初心者には難しいと言えます。
サイト制作サービスはサイト制作のパッケージがすでに用意されているため、初心者も簡単に導入が可能です。
現地スタッフとパートナー契約
卸売りのパートナー契約を現地スタッフと締結し、日本商品を海外販売する手段もあります。卸売にて現地パートナーへ日本商品を卸販売する方法です。
なおパートナー契約までの流れは、日本商品を海外販売しているうちに海外パートナーから卸売り契約を持ちかけられる場合がほとんどです。
SNS
SNSを駆使して日本商品を海外販売する方法があります。例えば、インスタグラム・フェイスブック・ピンタレストなどのストアアカウントを制作し、商品情報を発信すれば現地民へ直接宣伝が可能です。
もちろん投稿については現地語が必須になります。また、SNSの利用は敷居が低く購買者との交流が盛んです。顧客との距離感が近い分、新規顧客の獲得につながりやすい特徴があります。
Buyee Connect
海外販売を検討しているなら、Buyee Connectを使うのもひとつです。Buyee Connectは、タグを設置するだけで自社サイトに海外専用カートが開設できるサービスです。
海外専用カートの表示言語は、日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・インドネシア語・タイ語・韓国語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語から選択可能です。
また決済手続きには、PayPal・Alipay・銀聯クレジットカードなど多岐に渡り対応しています。さらに海外販売が初心者の方も安心な海外への発送手続き・多言語での顧客対応までサポート。
自社サイトを海外販売できるようにしたい方は、一押しのサービスです。
https://beecruise.co.jp/infra/buyeeconnect/
日本商品を海外販売できるECサイト・アプリ
日本商品を海外販売できるECサイト・アプリを、ここでは8つ紹介します。
- eBay
- Amazon
- Etsy
- STORES.jp
- Pinkoi
- minne
- zazzle
それぞれ見ていきましょう。
eBay
- ・世界190ヵ国へ出品できる越境サイト
- ・PayPalを使った決済システム
- ・新品販売が9割
eBayは世界190ヵ国で商品を販売できるECサイトです。商品カテゴリーは、3,000以上を誇り出品数12億個以上の巨大なマーケットです。
また決済システムには安心の保護機能が付いたPayPalを採用。年々、市場が拡大しており新品商品の販売が約9割を占めます。アメリカでのEC売上では、トップ3位の実力を誇る海外モールです。
Amazon
- ・10の国・地域にて出品サイトを持つECサイト
- ・2020年のアメリカ国内EC売上は第1位
- ・FBA倉庫の活用で配送問題を解決
Amazonは10の国・地域にて出品サイトを持つECサイトです。北米・ヨーロッパ・アジア圏の主要マーケットでの販売ができます。
Amazon.comは2020年のアメリカ国内において、EC売上1位を獲得するなど販売力があるサイトです。
日本国内の出品システムと、各国の出品システムが同様の造りであることからAmazon.jpに着手しているセラーは簡単に導入ができます。また、各国のFBA倉庫と言われる独自の倉庫を保有。
各国のFBA倉庫へ日本商品を納品することで、現地セラーと同様の配送サービスが可能になります。
Etsy
- ・ハンドメイド商品が中心
- ・アーティストと直接繋がれるサイト
- ・日本語でのストア開設が可能
Etsyは、ハンドメイド商品をメインに販売するECサイトです。販売者はハンドメイドを制作するアーティストが多く、ユーザーからはアーティストと直接繋がれるサイトとして人気があります。
アクティブセラー:200万、アクティブバイヤー:3,700万人とまだまだ販売者にとって有利なECサイトです。日本語でのストア開設ができるため、参入障壁も低く取り組みやすい販売先ですね。
STORES.jp
- ・専門知識不要でネットショップ制作ができる
- ・英語表記が可能で海外発送OK
- ・インスタグラムと連携
ネットショップ開設サービスのSTORES.jpは、専門知識不要でネットショップが作成できます。STORES.jpではPaypalの支払いや海外発送に対応し、英語表記が可能です。
またインスタグラムとの連携ができるため、制作したショップの宣伝が簡単に行えるのも魅力のひとつ。
Pinkoi
- ・台湾発のECサイト
- ・ファッション・小物・アクセサリーなどの販売に最適
- ・サイト・サポートも日本語で安心
Pinkoiは、日本・タイ・中国・香港・マカオなど中心に展開する台湾発のECサイトです。
台湾発ということもあり、台湾・香港からの購入が多く、ファッション・小物・アクセサリーを販売するのに適しています。サイトやサポートも日本語なので利用も簡単です。
minne
- ・国内最大のハンドメイドを扱うECサイト
- ・サポート会社の活用で発送もラクラク
- ・英語での対話はほとんどなし
minneは、日本国内において最大級のハンドメイドを扱うECサイトです。近年、海外販売に対応できるようになり、複雑な手続きなしに海外へ日本商品を届けることができます。
また海外からの購入確定後も、商品を送るだけでサポート会社が全て一括で発送を行ってくれるので安心です。
現地語での会話はほとんどなく、ハンドメイド製品を売りたい方にオススメのサイトです。
- ・ShopNow機能の利用で販売可能
- ・商品リンクの貼り付けが簡単
- ・導入コストは無料
Instagramでは、ShopNowという商品情報をタグ付けできるシステムがあります。投稿表示から商品ページへ直接遷移できる機能です。
商品リンクを貼り付けて投稿を行うだけの簡単仕様で、初めやすいのが特徴です。導入コストは無料、ただし簡単な審査に通過する必要があります。
zazzle
- ・オリジナルデザイン・写真をアップロードして販売
- ・売上はロイヤリティ
- ・管理画面は日本語表記
zazzleは、アメリカ発となるオリジナルのデザイン・写真をアップロードして販売するECサイトです。
海外への商品発送はなく、売れた場合にはロイヤリティを受け取る斬新な販売方法なのが特徴です。管理画面の表記も日本語対応ですぐに始めることができ、手間・販売リスクのない海外販売サイトと言えます。
海外で売れる人気の高い日本商品
海外で売れる人気の高い日本商品について、ここでは4つ紹介します。
- 日本文化が関わる商品
- メイドインジャパン製品
- レトロゲーム
- 自動車・バイクパーツ
海外販売での参考にしてみてください。
日本文化が関わる商品
日本文化が関わる商品は、海外での人気が高いです。一例では、書道・折り紙・着物・和紙・お寿司などがあります。
日本文化が関わる商品は海外で注目されており、Etsyにて「origami」で検索したところ89,547 件もの検索結果が表示されました。とくに日本人が販売する日本文化の関わる商品は信頼性が高く、需要があります。
メイドインジャパン製品
メイドインジャパン製品は世界的に信頼されており、カメラ・フィギュア・文具・化粧品などは海外に需要があります。
またアメリカから日本製品を購入する理由には、「国内の購入商品よりも品質が高い」と応える声が3位にランキング。日本商品の品質には、高い定評があります。
レトロゲーム
日本のレトロゲームは、海外市場で人気の高い商品のひとつです。海外にはレトロゲームのコレクターが数多く存在し、需要があります。
例えば、スーパーファミコンやファミコンなどはもちろん、メガドライブなどのコアなコンソールも高値で売れます。
自動車・バイクパーツ
日本は世界を見渡しても優秀な自動車・バイクメーカーとして認知されています。2012年、経済産業省の発表によると、越境ECを使いアメリカから自動車・自動二輪車・パーツを購入した割合は12.7%でした。
国内の通販の割合が5.4%に留まることに対し、海外での自動車・バイクパーツ需要はとくに大きいことがわかります。
まとめ
日本商品は海外で人気があります。そのため、売上拡大を検討している事業者の方は越境ECに参入するのがオススメです。
海外市場は、日本よりも市場規模が大きく年々拡大傾向にあります。需要の高い日本商品を海外で販売し、競合他社と差別化を図りましょう。
もし越境ECのことで困ったらBeeCruiseへご相談ください。越境ECに長年携わる専門スタッフが、日本商品の海外販売について詳しく紹介いたします。
日本商品を海外販売して、売上拡大を目指しましょう。