海外では日本の商品の人気が高く、高い需要があります。日本商品を扱う事業者は、越境ECへ参入することにより売上アップが期待できます。
しかし、初めて海外販売を行う場合は、何から始めたらいいのか分からないことも多いでしょう。そこでこの記事では、日本商品を海外販売するための具体的な方法と、海外販売に適したサイトやアプリを紹介します。記事の後半では、どんな日本商品が海外で需要が高いのかについて紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
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目次
日本商品を海外販売する4つのメリット
日本商品を海外販売するメリットは、大きく分けて3つあります。
- 還付金(消費税還付)が受けられる
- 補助金・助成金が受けられる
- 市場規模が大きい
- ライバルとの差別化につながる
1つずつ見ていきましょう。
1.還付金(消費税還付)が受けられる
海外へ商品を輸出すると、消費税還付が受けられます。国内取引では消費税がかかりますが、輸出取引にあたる場合は消費税が免除されます。消費税は国内で消費されるものに対して課税しますが、海外で消費されるものには課税しないという考えに基づくもので、「輸出免税」と呼ばれています。
還付金を受け取ることができるのは、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える、もしくは特定期間の課税売上高が1,000万を超える事業者になります。そのため基準値に満たない事業者は、還付金の受け取るためには規定の売上を確保する必要があります。
2.補助金・助成金が受けられる
企業促進や地域活性化、中小企業振興、技術振興を目的として、経済産業省・厚生労働省から国内企業の海外進出を促進しています。銀行などからの融資とは異なり、原則返済不要で、利息なども無い点がメリットです。
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3.市場規模が大きい
海外マーケットが日本よりも市場規模が大きいという点は大きな魅力です。例えば2012~2020年までの8年間の場合、日本の通販市場の成長率が約2倍であったのに対し、アメリカや中国は約5.5〜18倍と大きな成長を遂げています。
また、少子高齢化が進む日本では、消費に対する将来の展望も不安定な状況になっています。そのため大きな成長を続ける海外の通販市場には、今後も期待が持てると言えます。
4.ライバルとの差別化につながる
日本商品の国内販売では、少ない消費者を取り合っている状況のため、競合との価格競争が激化しています。
一方で海外では、日本商品の品質の高さに対して信頼を置く消費者が多く、一定の需要が見込まれます。国内のみで日本商品の販売を行う事業者も多いため、海外販売はライバルとの差別化につながります。
日本商品を海外販売する3つのデメリット
続いて、日本商品を海外販売するデメリットも紹介します。
- 現地の言葉が必要
- 配送トラブルになりやすい
- 国ごとの規制品や関税がかかる
現地の言葉が必要
海外販売では、現地の言葉を使う必要が出てきます。例えば、商品ページの作成や消費者からの質問・苦情など、さまざまな場面において現地語での対応が求められます。
しかし、現地の消費者と直接会話するという状況はほとんど無いため、ネイティブレベルでの現地語は必要ないと言えるでしょう。また最近では、商品ページの作成やカスタマーサービスなどを委託できるサービスも展開されているため、そういった仕組みを利用すれば海外販売もスムーズに展開可能です。
配送トラブルになりやすい
海外販売における配送トラブルには注意が必要です。日本のような整備された配送サービスは珍しく、国によっては遅延や紛失が発生する場合もあります。
また、その国によって利用できる配送サービスが異なるため、配送方法については事前にしっかりと調べておきましょう。特に高額商品については、追跡できる発送方法を選択して万が一紛失された場合に備えましょう。また紛失や破損の場合の補償についても、あらかじめ確認が必要です。
国ごとの規制品や関税がかかる
日本商品の海外販売では、国ごとに規制品があったり、関税がかかることを覚えておきましょう。例えば、インドへの輸出においては食品や薬、繊維製品などが規制されており、インド側で輸入ライセンスの取得が必要になります。
また、花火や香水などの航空便で送ることが禁止されている商品にも注意が必要です。もし送ってしまった場合、没収はもちろん処罰対象になる可能性があります。なお輸出時には、輸出先の国で関税がかかり購入者が支払わないといけない場合があります。事前に告知しておかないと購入者とトラブルになるかもしれないため、気をつけましょう。
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日本商品を海外販売する方法5選
日本商品を海外販売する方法は5つあります。
- 海外モールの活用
- 自社サイトの開設
- 現地スタッフとパートナー契約
- SNS
- Buyee Connect
それぞれについて詳しく説明します。
海外モールの活用
日本商品を海外で販売するために、海外モールの活用を検討する方も多いでしょう。海外モールとは、たくさんのショップが集い販売するオンラインのショッピングモールのことです。具体的にはAmazonやebay、Yahoo!ショッピング、楽天市場などが挙げられます。
海外モールのメリットは、そのモールとしてすでに利用客を集客できているため、宣伝費が低コストで済み、出店がパッケージ化されており簡単にスタートできる点です。一方デメリットは、モールへ支払う手数料が高く、手順などは全てモールの方針に従わなくてはいけないという点です。一部のモールでは、商品の販売規制や購入者へのリピートセールスにおいて、外部サイトへの遷移を禁止している場合もあります。
自社サイトの開設
日本商品を海外販売する方法として、自社サイトの開設があります。一から通販サイトを作成する方法と、サイト制作サービスを利用する方法があります。
一から通販サイトを作成する方法は、自由度が高く思い通りのデザインで仕上げられる反面、制作スキルなどが必要で、初心者には難しいと言えます。サイト制作サービスではサイト制作のパッケージがすでに用意されているため、初心者でも簡単に導入可能です。
現地スタッフとパートナー契約
卸売りのパートナー契約を現地スタッフと締結し、日本商品を海外販売する手段もあります。現地パートナーへ日本商品を卸販売する方法です。日本商品を海外販売する海外パートナーから、卸売り契約を持ちかけられるという場合が多いようです。
SNS
SNSを駆使して日本商品を海外販売する方法があります。InstagramやFacebook、Pinterestなどでストアアカウントを作成し、商品情報を発信すれば、海外へも直接アピールできます。ただし投稿する際は、現地語が必須になります。
SNSでは購買者との敷居が低く、双方間の交流が盛んです。顧客との距離感が近い分、新規顧客の獲得につながりやすいという特徴があります。
Buyee Connect
海外販売を検討しているなら、Buyee Connectを使うのも1つの方法です。Buyee Connectは、タグを設置するだけで自社サイトに海外専用カートを開設できるサービスです。
海外専用カートの表示言語は、日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・インドネシア語・タイ語・韓国語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語から選択可能です。決済方法は、PayPal・Alipay・銀聯クレジットカードなど、多岐に渡って対応しています。
さらに海外販売が初心者の方でも安心な海外への発送手続きや多言語での顧客対応などもサポート。自社サイトを海外販売可能にしたい事業者の方にとっては、イチ押しのサービスです。
https://beecruise.co.jp/infra/buyeeconnect/
日本商品を海外販売できるECサイト・アプリ8選
日本商品を海外販売できるECサイト・アプリを、8つ紹介します。
- eBay
- Amazon
- Etsy
- STORES.jp
- Pinkoi
- minne
- zazzle
eBay
- 世界190カ国へ出品できる越境サイト
- PayPalを使った決済システム
- 新品販売が9割
eBayは世界190カ国で展開し、商品カテゴリー3,000以上、出品数12億個以上を誇る巨大ECサイトです。新品商品の販売が約9割で、決済システムには安心の保護機能が付いたPayPalを採用しています。この数年でますます市場が拡大しており、アメリカでのEC売上ランキングでは上位に位置する海外モールです。
Amazon
- 10の国・地域で展開するECサイト
- アメリカ国内EC売上は第1位
- FBA倉庫の活用で配送問題を解決
Amazonは北米・ヨーロッパ・アジア圏など10の国・地域で展開しています。アメリカ国内においてはEC売上1位を獲得するなど、販売力があるサイトになります。
日本国内の出品システムと、その他の国の出品システムが同様の仕組みであることから、すでにAmazon.jpで販売を行っている事業者は簡単に導入できるでしょう。また、各国のFBA(フルフィルメント by Amazon)という独自の倉庫を保有しており、各国のFBAへ日本商品を納品することで、現地セラーと同様の配送サービスが可能になります。
Etsy
- ハンドメイド商品が中心
- アーティストと直接つながることができる
- 日本語でのストア開設が可能
Etsyは、ハンドメイド商品をメインに販売するECサイトです。販売者はハンドメイド制作のアーティストが多く、ユーザーからはアーティストと直接つながることができるサイトとして人気があります。アクティブセラー数よりアクティブバイヤー数が圧倒的に多いため、まだまだ販売者にとって有利なECサイトになっています。ストア開設は日本語でできるため、参入障壁も低くなっています。
STORES.jp
- 専門知識不要でネットショップの立ち上げ可能
- 英語表記が可能で海外発送OK
- インスタグラムと連携
ネットショップ開設サービスのSTORES.jpは、専門知識不要でネットショップが作成できます。STORES.jpではPaypalの支払いや海外発送に対応し、英語表記が可能です。またインスタグラムとの連携ができ、ショップのPRを簡単に行うことができるのも魅力です。
Pinkoi
- 台湾発のECサイト
- ファッション・小物・アクセサリーなどの販売に最適
- サイトの言語やサポートが日本語で安心
Pinkoiは、日本・タイ・中国・香港・マカオなどを中心に展開する台湾発のECサイトです。
台湾や香港からの購入が多く、ファッション・小物・アクセサリーを販売するのに適しています。サイトの言語やサポートも日本語対応しているため、簡単に利用できます。
minne
- 国内最大のハンドメイドを扱うECサイト
- サポート会社の活用で発送もラクラク
- 英語でのやりとりはほぼ無し
minneは、日本最大級のハンドメイド商品を扱うECサイトです。2019年から海外販売に対応しており、複雑な手続き無しで海外へ日本商品を届けることができるようになりました。
海外からの購入確定後は、代行サービスを経由して商品を発送するため、特別な対応は不要です。現地語を使用する必要もほぼありません。ハンドメイド製品を売りたい方におすすめのサイトです。
- ShopNow機能の利用で販売可能
- 商品リンクの貼り付けが簡単
- 導入コスト無料
Instagramでは、ShopNowという商品情報をタグ付けできるシステムがあります。投稿表示から商品ページへ直接遷移できる機能です。商品リンクを貼り付けて投稿を行うだけの簡単仕様で、始めやすいのが特徴です。導入コストは無料ですが、簡単な審査に通過する必要があります。
zazzle
- オリジナルデザイン・写真をアップロードして販売
- 売上はロイヤリティ
- 管理画面は日本語表記
zazzleは、アメリカ発となるオリジナルのデザイン・写真をアップロードして販売するECサイトです。海外への商品発送はなく、売れた場合にロイヤリティを受け取るという斬新な販売方法なのが特徴です。管理画面は日本語対応しているためすぐに始めることができ、手間がかからず販売リスクも無い海外販売サイトと言えます。
海外で人気の高い日本商品4選
参考までに、海外で人気の高い日本商品について紹介します。
- 日本文化に関わる商品
- メイドインジャパン製品
- レトロゲーム
- 自動車・バイクのパーツ
日本文化に関わる商品
日本文化に関わる商品としては、書道や折り紙、着物、和紙、お寿司などが挙げられます。日本文化関連の商品は海外で注目されており、Etsyにて「origami」で検索したところ約9万件もの検索結果が表示されました。特に日本人が販売するこの分野の商品は信頼性が高く、大きな需要があります。
メイドインジャパン製品
メイドインジャパン製品は世界的に信頼度が高く、特にカメラやフィギュア、文具、化粧品などの海外需要が大きいです。アメリカから日本製品を購入する理由として、「国内の購入商品よりも品質が高い」とする意見が3位にランクしたという調査もあります。日本商品の品質は、自信を持って売り込めるポイントになります。
レトロゲーム
海外にはレトロゲームのコレクターが数多く存在しており、日本のレトロゲームは海外市場で人気の高いコンテンツとなっています。例えば、スーパーファミコンやファミコンなどはもちろん、メガドライブなどのコアなコンソールも高値で売られています。
自動車・バイクのパーツ
日本メーカーの自動車やバイクのパーツは、高い人気を誇ります。海外では手に入れることが難しいため、日本から送ってもらってでも、パーツを入手したいという人は多くいます。
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まとめ
日本商品はその品質の高さや安心感から、海外での人気が高まっています。そのため売上拡大を計画している事業者は、越境ECに参入するという方法を考えてみてはいかがでしょうか。
海外市場は、日本よりも市場規模が大きく年々拡大傾向にあります。需要の高い日本商品を海外で販売し、競合他社と差別化を図るのも一手です。
越境ECでお困りの際は、BeeCruiseへご相談ください。越境ECに長年携わる専門スタッフが、日本商品の海外販売について詳しく説明いたします。日本商品を海外販売し、売上拡大を目指しましょう。