海外ビジネス成功のポイント集|国内外の市場の特徴や注意すべきポイントも徹底解説

海外ビジネスを成功させるためには、知っておくべきポイントが数多くあります。注意点も知り、海外ビジネスに失敗するリスクも小さくする必要があります。日本市場と海外市場の違いに触れつつ解説します。

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日本市場と海外市場の異なる特徴

日本市場の特徴

まず日本市場の特徴を語るうえで、人口の推移についてしっかりと確認する必要があります。日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに年々人口減少が続いており、2021年8月の概算値として1億2530万人とされており、2008年から2021年の13年間でおよそ278万人も減少しています。合計特殊出生率も年々減少傾向にあり、2020年の合計特殊出生率は1.34となっております。そのため労働人口が今後増加していくことは難しいでしょう。また世界的に見ても日本は人口の高齢化が加速しており、人口における65歳以上の割合が全体の人口の割合の21%を占めている社会を意味する超高齢化社会に突入しております。日本の人口は少子高齢化によって消費量も減少することで国内市場はさらに縮小すると予想されています。2025年には高齢化率が30%に達するとされており、生産年齢人口の減少に伴い国内の経済規模も縮小していくと考えられています。

海外市場の特徴

海外市場の特徴といっても、国により千差万別で一言にするのは難しいものです。海外市場でビジネスをおこなう際の特徴として言えることは、日本国内でビジネスを行う際には考慮する必要のなかった別の課題やリスクが発生するという点です。ビジネスをおこなう現地の状況や生活習慣などをしっかりと頭に入れた上で海外進出を検討しないと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことや想定していなかったリスクをおってしまうことが考えられます。中でも特に言語が違うために、日本国内ビジネスと同等のコミュニケーションがうまく取れず、海外進出が難航してしまい、最悪の場合ビジネスをスタートすることさえできないというケースも考えられます。

日本とは異なり、海外では人口が増加している地域があり、そういった地域では今後の経済成長が見込まれます。現在人口が増加している地域としては特にアジアとアフリカが注目されており、中でもインド、ナイジェリア、エチオピア、インドネシアといった国々は大幅な人口増加が予測されています。特にインドは2010年から2020年までおよそ1億6000万人増加しており、2050年には16億万人を突破すると予測されています。
人口が増加することによって、国の生産年齢人口の増加と経済発展に伴う人件費の上昇による市場規模の拡大を期待することができます。現地での労働力を確保することはもちろん、しっかりとしたビジネスプランを準備することによって安定した利益を得ることができるでしょう。

海外ビジネスで注意すべきポイント

リスクを知る

海外進出にあたり多くの企業が直面するリスクとして、「為替変動」や「経済情勢の変化」「情勢不安・自然災害」「知的財産・技術流出」「人件費の高騰」など日本国内でのビジネス展開においては直面しにくいリスクが挙げられます。特に始めて海外進出を検討する企業にとっては、こうしたリスクに直面することはもちろん、ビジネスをスタートするまでに労働力の確保や就労ビザの取得などといった確認しなければならない事柄がたくさんあります。新興国をはじめ長著しい海外市場は魅力的で売上の拡大が大いに期待できる反面、海外環境ならではのリスクが伴います。例えば新興国の場合、最初は比較的人件費を抑えて雇用することができるでしょう。しかしながら経済成長が進むにつれて利益が上がることも予測できますが、同時に人件費が高騰することも考えられるため単純に純利益が上がるわけではありません。また、社会情勢が不安定である場合や自然災害が発生するリスクがある場合には、雇用が安定しないなどのデメリットが発生してしまいます。
このような様々なリスクを0にすることはできませんが、そうしたリスクに対するリスクマネジメントをしっかりとすることによってある程度のリスクは未然に回避することが可能です。調査と危機発生時の対応に関して準備をし、リスクマネジメントに対する日本本社と海外拠点での認識を一致させることが重要です。現地拠点での頻繁な情報収集と日本―海外拠点間でのコミュニケーションを定期的にしっかり取っていく姿勢によって、リスクをコントロールしながらの海外進出が可能になります。

現地での情報収集

海外市場の動向やニーズの把握、法制度や税制、経済情勢や政治情勢については、日本国内の情報と比べて情報収集がしづらくなります。特に海外進出を考えている国の公用語が英語などのメジャーな言語ではなく、現地語などマイナーなものであった際にはより調査は難航しがちです。また言語の壁に加え、日本との物理的な距離や現地事情に対する知識は、現地の国の人々の方が圧倒的に詳しく、急な政策・法制度の変更などは現地メディアや現地の政府とのコネクションがないとリアルタイムでの情報収集は難しいでしょう。また市場内のプレーヤー間での暗黙の了解や、競合他社の評判や内部の動き、現地のトレンドやニーズの把握は、現地語でのコミュニケーションに加え現地市場でのネットワークを持っている必要があります。進出時に自社の日本人人材だけで情報収集を行うのは難しいため、現地事情に詳しい専門事業者や専門機関の協力を得ながら情報を収集し、海外拠点には現地の情報収集ができる人材を採用することが重要です。

商習慣・言語・文化の違い

日本であっても海外であってもビジネスには大きな違いはありません。ビジネスは人間対人間の取引が基本であり、言語や文化、商習慣の違いがコミュニケーションの取り方にも影響します。文化や商習慣を理解していないとうまくコミュニケーションが取れないのはもちろんのこと、思わぬトラブルを生むリスクが高まります。そのため最低限の生活習慣や文化の特徴はしっかりと確認する必要があります。
また言語の面においても、日本語を公用語としている国は世界的に見ても少ないためある程度の語学スキルは必要になります。世界標準語は英語とされていますが、新興国の中には英語を公用語としていない国も存在します。しかしながら、日本語と同じくらいに英語を用いてコミュニケーションを取れるスキルは持っておいて損はありません。また、地域によって英語の発音や文法に癖があり困惑する可能性もありますので注意が必要です。
英語ではなく、他の言語を公用語としている場合や現地語がある場合には、日本語と現地語をビジネスレベルで話すことのできる人材の確保が必要になります。特に現地語を外国人が勉強してくれたという実績は信頼を得やすいチャンスとなりますので、スタッフを雇用する際に重要視すべきポイントです。
言語以外でも、働き方や服装、食文化など様々な点で日本とは異なることを受け入れ、それを「日本式に合わせないのが悪い」と一蹴するのではなく、「郷に入っては郷に従え」の言葉の通り、現地の習慣や文化を学び知ろうとする姿勢と、現地の顧客や海外拠点の人たちと気持ちよくコミュニケーションを取れる環境づくりが大切になってきます。たとえ言語スキルが乏しい場合や言語に自信がない場合などで合っても、積極的にコミュニケーションを取れる環境さえ準備しておくことによって、言語によって発生する齟齬を最小限に抑えることが可能です。もちろん言語スキルがあって損をすることはないですが、言語スキル以上に大切なのはコミュニケーションを取ろうとしているかどうかです。例えば、外国の方とコミュニケーションを取る際に完璧な日本語の発音や文法ができていなくても、伝えたいという気持ちが伝わってくれば何を伝えようとしているのかを人間は推察して理解しようとするものです。しかしながら言語スキルを原因にコミュニケーションを取ろうとしなければ伝わる物も伝わりません。言語スキルは思いを伝えるための手段でしかなく、目的ではありません。恥ずかしがることなくしっかりと自分の伝えたいことを伝えれば海外進出もうまくいく可能性が高まります。

最適な人材の確保と育成

海外進出にあたっては、日本本社の海外事業担当者やもちろん、海外拠点での現地スタッフなどの人材確保が必要になります。いままで国内で事業をしていた企業が新しく海外進出する場合には、語学が堪能であり、かつ海外ビジネスの知識がある人材を社内で育てる、あるいは社外から新しく採用するといった選択肢があります。

社内人材を海外進出にあたり育てていく場合には、自社製品についてすでに知識がありかつ自社内のコミュニケーションにも慣れていることが大きなメリットで、長年働いている社員であれば本社へのコミットメントも高いことがメリットとして挙げられます。語学能力と新規事業の推進能力、海外ビジネスの知識と経験、そして海外拠点のマネジメント能力をつけていく必要があります。

外部から海外進出のための人材を採用する場合には、少なくとも語学能力と海外ビジネス経験があり、さらに海外拠点の立ち上げ経験やマネジメント経験のある人を採用できるといいでしょう。自社製品についての知識をつけてもらい、日本の本社内でコミュニケーションを取りやすい体制を作っていくことが大切です。特に自社の戦略や方向性、そして課題への対策方法などすべてを担当者に丸投げするのではなく、定期的に全社で海外事業の進捗状況や課題、活動内容を共有し会社全体で取り組んでいく姿勢が重要です。海外進出事業を進めるのにあたって、現地についての情報収集が可能な外国人人材の採用も選択肢として考えられます。

また、現地スタッフの雇用も海外進出において重要なポイントです。とくに日本にいても入ってきづらい現地の情報を調査し、現地市場でのネットワークを構築していける現地人材や、法務・税務・経理・ビザの取得などの実務面で最新の国の情報を確認しながら対応のできる現地人材が必要です。海外進出をする場合に結構ネックになってくるのがビザの申請方法です。各国で申請に必要な書類や条件、申請方法が異なるため思いのほか手間がかかってしまいます。そういったリスクをなるべく避けるためには現地人材を採用する方が効率よくなるでしょう。
どちらの場合であったとしてもメリットデメリットはあります。自社の状況やビジネスモデルに応じて社内で人材を育てるのか、現地で人材を確保するのかは検討する必要があります。現在の状況をしっかりと確認したうえで選択することをおすすめします。

海外ビジネス成功に必要なポイント

「目的」を明確化する

海外拠点をすでに持っていて、新たに海外拠点を増やす場合には目的は明確であることが大半であるため、そこまで気にしなくてもいいですが新たに海外進出を検討する場合には海外進出する目的を明確にする必要があります。漠然と海外進出を検討するのではなく、明確な目標を立て、段階を踏んで海外進出を進めていくことが重要です。「いつまでに」「いくらの売上を目指すのか」「いくらの利益を目指すのか」といった具体的な目標を決め、会社全体の戦略として人材・資金ともに注入していく準備が大切です。特に「いつまでに」というのはかなり重要です。期限を設定しない場合、ゴールのないマラソンをしているのと同じで目的や目標がなく注力のしようがありません。
また、機嫌がないため事業計画もあいまいなものになり、売上管理や原価管理などのお金に関する管理があいまいなものになってしまい、最悪の場合事業を継続することが難しくなってしまいます。
目的を設定する際には長期的視点での目標と短期的視点での目標の2つ考慮することをおすすめします。
会社の経営戦略として長期的視点から取り組むべき事項を考えると共に、海外ビジネスを自社の新規ビジネスとして実行していく中で短期的視点を持ち、PDCAを素早く回してその場その場で細かく事業の転換をしながら海外事業を推進していく、2つの視点が重要です。目標売上高、目標収益額、そのスケジュールといった全社の戦略に基づく海外事業の目標の明確化と、全社での海外事業に必要な人材・資金・社内体制など環境整備を具体化し、目的に沿った事業推進のための動きを検討します。

「情報収集」を徹底的に行う

自社商品は「メイド・イン・ジャパン」ブランドで売れるだろうと考え、安易に海外進出を実行することはおすすめできません。一昔前であれば、「メイド・イン・ジャパン」は海外ではそこまで流通していませんでした。しかしながら、現在はオンラインショップなどで「メイド・イン・ジャパン」の製品が手軽に入手することが可能になったことはもちろん、自国である程度の高品質な商品が輸入品である日本製の製品よりも比較的安価で入手することが可能になっています。日本製であっても、現地に似ている商品がすでにあり、かつより安価なものであれば、自社製品に特別な強みや特徴がない限り現地での販売は難しくなります。進出後にその事実に気づき現地での困難な営業活動にコストを割くよりも、事前に現地市場について情報収集し、自社商品が勝てると考えられるビジネスモデルを確立・検証した上で進出を決定するのが望ましいと言えます。

海外進出先有望国のリストにそって、それぞれの国について情報収集をします。海外進出のための情報収集は、人口や地理的特徴・国の制度や法律・経済状況といったマクロ環境と、対象とする業界の市場規模や成長性、業界構造や事業特性、そして最後に競合調査として競争環境と現地競合の把握を行います。

同じ業界であっても各国での業界構造は異なっているため、対象とする業界の市場状況や競合について知り、自社のポジショニングを明確にすることが大切です。例えばサプライチェーンの構造が日本と異なったり、国によって業界に外資規制があったりするので、業界全体および調達ルート・販売ルートを含め各国の情報を細かく調査し、自社の位置づけを明らかにして戦略を検討します。

自社のポジショニングが明らかになったら、有効なビジネスモデルの仮説を立て検証します。自社のポジショニングを決めることはビジネスの軸を決めることに繋がるため大変重要です。まず、進出有望国の市場性や競合の調査、消費者や市場のプレーヤーへのインタビュー調査を行い、外部環境を把握します。それらをもとに、自社の強みが最大限に生きる事業仮説を立て、検討を行います。現地の人とコネクションが取れない、現地に赴くことは難しため十分な調査がおこなえないという場合であっても、現在はインターネットの普及によってある程度の情報を検索することが可能であり、協力者も見つけられる可能性が高いです。

自社が持つ経営資源を整理し、海外進出にあたり強みとなるポイントとその活用方法について「ターゲット顧客が抱えている問題は、自社が持つこの経営資源によって解決できる」という仮説を立てます。経営資源には、自社製品だけでなく、自社がもつ人材・技術・設備・情報・流通チャネル・ブランドも含まれます。自社商品の価格・性能・ブランド力・顧客満足度といった表面的な強みに加え、生産能力や生産・開発までにかかる時間、問題解決能力、改善・実行力といった自社組織の持つ本質的な強みを整理しておきましょう。

仮説を立てたら、実際に現地の政府、消費者、見込みのある取引先、同業者などへインタビューを行い、ビジネスモデルの実現可能性を検証します。また、検証したビジネスモデルは自社のみで実現可能なのか、現地パートナーと提携しながら進めていく必要があるかを明確にします。

日本との「違い」を意識する

言語以外にも国によって文化背景や商習慣が異なることを大前提としてビジネスを進める必要があります。日本の商習慣では当たり前とされていることも、現地では異なることがあります。例えば日本では企業間においてメールのやりとりが多いですが、SNSメッセンジャーを使ったやりとりを好む企業担当者もいますし、商談のアポイントメントに30分以上遅れてくるなど柔軟性の高い時間に対する考え方を持っている人もいます。また会食をする際にも、宗教上の理由やベジタリアン思考などで、肉食やアルコールを避ける人もいます。このように日本で当然とされているビジネスマナーが進出先国で当然とされているわけではなく、日本で日常的に食べられているものが現地でも食べられているとは限りません。商品に対する考え方も異なる場合があり、時には日本人が求めるような高品質な商品・サービスにこだわらない人もいます。本来と違う用途で商品が使われるといったこともあるようです。

現地パートナーとの「連携」

特に販路拡大を目的とした海外進出の場合、現地市場についての知識と経験があり、ネットワークを持っている現地パートナーとの連携が重要です。現地パートナーと連携することによって自社だけでは実現しなかった見込み客が増やすことや、ビジネスチャンスを増やすことや、さらなる商圏の拡大などが期待できます。現地パートナー探しの際は、現地パートナーに求める機能と、自社が現地パートナーに提供できる価値、2つの価値を明確化することがポイントとなります。

現地パートナーに求める機能を明確にし、自社の目的に沿った候補先をリストアップします。その際にはパートナー候補の現地市場でのポジショニングを把握し、連絡をとる際の優先順位付けを行います。また、現地パートナーにアプローチする際には、自社と連携することでwin-winの関係を築けることをアピールします。自社のブランド力や技術力、現地にはないサービスなど、自社が持つユニークな価値によりパートナー企業も一緒に成長することができるという具体的なイメージを描いてもらうことが重要です。他国の企業や日本の他の企業からもアプローチを受けていることも忘れてはいけません。そういったことも踏まえた上で、積極的なコミュニケーションをとっていく必要があります。

また、現地パートナーとの面談時には、表敬訪問のような形だけの訪問ではなく、初回から事前にしっかり準備して臨む必要があります。日本的な挨拶だけの訪問は、商談でない訪問に時間を割くこととなり海外では嫌われる傾向があります。訪問先の国での一般的なビジネスマナーやざっくりとした打合せの進め方をしっかりと頭に入れた上で商談に臨むことによって契約への期待値はぐっと高くなります。
遠慮をして製品や自社のアピールをせずに目的無く訪問することは避け、初回より自社の目的を明確に伝え、相手のメリットも説明しながら交渉に臨みます。意思決定をその場で下せる決裁者も同行することが望ましいです。

海外ビジネスをBeeCruiseが支援

日本国内の市場は今後縮小が予想されているのに対して、新興国の市場は人口増加に伴い今後も市場が拡大していくことが期待されています。このような海外市場に出ることで、自社商品の販路を拡大し、売上増加につなげることができます。「メイド・イン・ジャパン」ブランドが世界的に評価されているとはいえ、自社の強みや現地での競合優位性がないと海外進出の成功は難しいといえます。海外進出の前に十分な外部環境と現地市場の調査を行い、リスクマネジメントについても対応策を事前にしっかりと検討することはもちろんのこと、自社が海外市場で勝てるビジネスプランの仮説立案と検証を十分に行った上で実際の海外進出に乗り出すことが海外進出を成功させることに繋がります。

BeeCruiseでは、海外進出を支援する事業を行っております。海外への商品・サービス展開をご検討される際にはぜひBeeCruiseにお問い合わせください。

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