ECサイトや通販サイトなどが出始めた2000年頃は「インターネットに顧客や売上が取られる」というように言われ、そこからインターネットでの販売を避けてきた企業も多くあったのではないでしょうか。しかし現在ではインターネットをうまく活用することで新たな層の獲得や、WebサイトやSNSからリアル店舗の誘導で集客や売上があがるなどプラスに働くケースもたくさんあります。
とは言えどのようなマーケティング方法を行えばインターネットから集客や売上、継続したファンの獲得まで繋げられるのか分からない方も多いはずです。
そこで今回は「デジタルマーケティングを活用した成功事例を参考に、自社でも発展できるようなヒント」をご紹介いたします。国内から海外へ展開していきたいと考えている方におすすめです。
具体的には、
- デジタルマーケティングを活用して海外で成功する
- ビジネスにおいてデジタルマーケティングが必要な理由
- デジタルマーケティングを活用し、世界で成功している企業の事例
- デジタルマーケティングを海外に向けて行う上での注意点
という流れで解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
BeeCruiseのメルマガでは、越境ECや海外販売のノウハウを定期的にお届けいたします。
(メルマガ登録をする)
目次
デジタルマーケティングを活用して海外で成功する
そもそもデジタルマーケティングとは
「Webマーケティング」とはWebサイトやWebサービスに多くの人を集客し、消費者に購入を促すための仕組みづくりや戦略、運用手段などの活動全般のことを言います。
「Webサイト」以外にもGoogleやYahoo!の「検索エンジン」、InstagramやFacebookの「SNS」、「SEO」、「アフィリエイト」「モバイルアプリ」、「Eメール」など、オンライン上のものを全て用いて集客や販売に繋げます。不特定多数の人に知ってもらうことができるマスメディア(テレビ、ラジオ、雑誌、新聞)とは違って、販売したいターゲットを絞って情報発信することができるのが最大のメリットです。しかし広告の手法や打ち方が顧客にとって適切ではないと、集客や購入までできないことになります。
大切なのは商品やサービスのWebサイトにうまく誘導すること、顧客が魅力・欲しいと思ってもらえるような情報発信です。そのために顧客の個人情報や行動パターン、ライフスタイルや好みなどの大量なデータをWeb上から収集・分析し、どの層の消費者にどうやって広告を打ちだすのかということを行っていくことで集客や売上につなげていくことができるのです。
デジタルマーケティングは日本にいながら海外進出が可能
発展途上国でもインターネット接続のインフラが徐々に整ってきていると同時に、安価で高性能なスマートフォンが出回っているため、今や世界中の人々が毎日GoogleやYahoo!で検索するようになっています。そしてスマートフォンの普及に伴って、さまざまなモバイルアプリやSNSが誕生したことにより、世界中の人を相手に低コストでアプローチすることが可能な時代になっています。
通常リアル店舗で海外進出しようとした際には「現地法人の設立」「外国人材の育成・管理」「会社設立や・移転・撤去などの手続きがスムーズに行うための税理士や弁護士のパートナー探し」といったことが必要になります。一方でデジタルマーケティングの場合は「商習慣や文化、現地の人の好みを把握」「ローカル言語でのコンテンツや商品・サービス作り」などは行っていかなければならないものの、日本国内だけで全て行うことができるので、リアル店舗で行うより圧倒的にコストやリスクを軽減しながらビジネスを行うことができるのです。
デジタルマーケティングの手法
デジタルマーケティングの手法はさまざまありますが、取り扱う商品やサービス、市場環境、顧客の層などによって最適な方法を選択する必要があります。その中でも基本的なデジタルマーケティングの手法は下記があげられます。
- Webサイトの作成
- コンテンツマーケティング
- SEO(検索エンジン最適化)
- SNS広告
- リスティング広告(検索連動型広告)
- 動画マーケティング
- Eメールマーケティング
「デジタルマーケティングの手法」の具体的な内容を詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご覧下さい。
記事タイトル:デジタルマーケティングとは?目的・メリット・手法までの基礎知識
ビジネスにおいてデジタルマーケティングが必要な理由
デジタルマーケティングには顧客の「来訪元」「感情」「興味関心の度合い」「思考」「行動」など細かく把握することができます。リアル店舗の場合はこれらを把握することは難しいですが、デジタルマーケティングはアクセス解析ツールを使うことで「いつ・どこから・どんなキーワードを入力したどり着いたのか」などほぼ100%把握することが可能です。
そのようなことを把握すれば「見込み客」なのか「既にファン」になっているのか分かり、顧客に合わせた広告の仕方やコンテンツ作成を行うことができます。そして結果的に集客や購入へ繋がっていくのです。
デジタルマーケティングを活用し、世界で成功している企業の事例
デジタルマーケティングを行っている企業は数多くありますが、その中でも世界へ進出している企業で成功している事例を2つ紹介していきます。どのようなことをして成功へと導いたのか、具体的な方法を知り自社の戦略に役立てていきましょう。
デジタルマーケティングにおいて成功の定義とは
デジタルマーケティングを活用して、成功したと言える定義は何でしょうか。それは「営業活動を不要にしても、売れ続ける仕組みづくりをつくっていくのか」ということが言えます。
そもそもマーケティングとは「消費者が商品を購入する(売上が上がるため)まで企業が行う戦略や考え方、取組み、仕組みづくり、運用手段などすべて」のことを指します。したがって全てWeb上で行えるので非訪問・非対面・非接触なの営業活動、すなわちデジタルマーケティングを行うことができれば生産性と効率化が高まっていくのです。
成功事例①:ユニクロ
田舎のカジュアルブランドとして1984年にスタートされてから、創業10年で100店舗へと展開しました。そして2000年以降にはユニクロの代表格と言えるフリースやヒートテックが誕生し海外にも続々と展開、子会社ジーユーも含めると国内外で3,630店舗までのぼりつめた会社です。
国内外のリアル店舗だけでなくデジタルマーケティングを駆使し、自社ECサイト・越境ECモール・スマホアプリ・SNSを通じて成功へと導かれています。例えばECビジネスが発達している中国で、SNSのWeChat(ウィーチャット)やWeibo(ウェイボー)を使った情報発信により幅広い世代の顧客を獲得しています。
中国でブランディングや認知度を高めるために、芸能人やタレントよりも影響力のあるKOL(インフルエンサー)を起用するケースが多くあります。そのKOLがSNSやブログなどで情報を発信、顧客が購入し顧客のSNSで着心地や着こなしなどを発信されるという、デジタルマーケティングの基本的な流れが確立しているのです。
またリアル店舗で欲しい色やサイズが無い場合はECサイトからの購入し自宅に届くだけでなく、最寄りの店舗で受け取ることができるオムニチャネルも顧客の満足度・リピーター率・売上向上へと繋がっています。
成功事例②:無印用品
「しるしの無い良い品」の意味を持つ無印良品は、1980年にスーパーマーケット西友の自社開発商品としてスタートしました。店名通りノーブランド商品であることとして、商品デザインをシンプルにするための「包装の簡略化」、紙の原料であるパルプを漂白する工程を減らし素材そのままを活用した「素材選び」が特徴です。強い嗜好性を誘う他店の商品とは正反対の自然志向で、素朴・低価格を実現しています。
無印はSNSを利用して世界へ向けた情報発信を行っていますが、その中でも文字や写真を投稿するSNSアプリ「Twitter」、写真や動画共有SNSアプリ「Instagram」、スマートフォン向け自社アプリ「MUJI passport」で売上を大きく伸ばしています。
■Twitter:2009年に開始し、2021年3月時点で70万人のフォロワー
■Instagram:2015年に開始し、2021年3月時点で268万人のフォロワー
■MUJI passport:2013年に開始し、2020年8月時点で4,937万ダウンロード
これだけ成長しているのは「広告色の強い投稿を控えていること」「気になる商品の詳細や購入ページへ進むための導線が引かれている」「店舗ごとの企画や商品の情報発信」という3点が主な要因となっています。デジタルを通じて商品やブランドの価値をいかに魅力に感じさせ、新規開拓や継続してファンになってもらうためのこの仕組みは、デジタルマーケティングで成功している企業の特徴と言えるでしょう。
デジタルマーケティングを海外に向けて行う上での注意点
ネガティブな情報も拡散されることを理解しておく
デジタルマーケティングは消費者と企業、消費者同士がコミュニケーションを簡単にとれる便利なものです。企業が情報発信しつづけなくても、消費者の発信によって新たな顧客を獲得したり、離れてしまっていたファンが戻ってくることもあるでしょう。
しかしそのような良いことだけではなく、ネガティブな情報や誤解情報が拡散される可能性があるという点を理解しておかなければなりません。トラブルにならないようするため、現地に合った言葉選びや表現の仕方など意識して運営する必要があります。
SNSから情報発信を始めないこと
デジタルマーケティングをいざ始めようと考えた際、何からスタートしていいか分からず、とりあえず低コストでできるSNSや動画から着手してしまうと失敗してしまう可能性があります。そのためまずはデジタルマーケティングの軸となるWebサイトやECサイトを構築し運用していくことが大切です。その後にSNSでの投稿や広告を打つなどステップを踏んでいくことで、集客から購入までの導線がうまく引いていけるのです。
ターゲットに合った表現の仕方で情報発信する
日本国内においても商品やサービスを魅力的に映そうとした際は、ただ単に日本語ができるだけではなく、心に響くようなキャッチコピーや目に留まる写真で情報発信する必要があります。海外へ向けて発信する場合も同じで、ネイティブレベルで表現ができることに加えて、ターゲットとする国や年齢層が魅力的に感じる言葉や、宗教や価値観などによっては色やデザインの表現の仕方を変えることが重要となります。
まとめ
この記事では「デジタルマーケティングを活用した成功事例を参考に、自社でも発展できるようなヒント」を紹介しました。成功している事例をそのまま真似ても自社で同じ状況になるとは限りません。しかし成功している企業には共通していることがあるので、他社の良い点と自社ブランドの良さを掛け合わせてデジタルマーケティングで世界の人々へ魅力を伝えていきましょう。
「今後デジタルマーケティングはどのように進化していくのかトレンド」について詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご覧下さい。
(タイトル:海外に学ぶ!加速するデジタルマーケティングの2021年トレンド予測)