ECサイトのマーケティング手法13選!集客からリピーター獲得まで解説!

ECサイトの運営で売上を向上させるためには、適切なマーケティング手法を理解して施行することが重要です。しかし、ECサイトの運営に慣れていない企業の担当者の方にとっては、具体的に何をすればいいかわからないことでしょう。

この記事では、ECサイトで有効なマーケティング手法について、集客からCVR向上・リピーターの獲得までの各プロセスで活用できるものを解説します。ポイントや内容を理解して、自社にあった手法を実施しましょう。

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ECサイトにおけるマーケティングのプロセス

ECサイトのマーケティングにおいて、そのプロセスを理解しておくことは非常に重要です。まずは、ECサイトにおけるマーケティングのプロセスについて解説します。

市場分析

企業は、自らが位置する業界の内外におけるさまざまな要因を調査し、その結果から「自社の強み」や「顧客に提供できる価値」を徹底的に分析します。具体的な手法として、PEST分析、3C分析、SWOT分析などが活用されます。

PEST分析では、政治、経済、社会、技術の要因を評価し、3C分析では自社、競合他社、顧客を中心に考えます。SWOT分析では、自社の強み、弱み、機会、脅威を整理し、戦略の方針を明確にします。これらの分析手法を通じて、企業は市場環境を把握し、自社のポジショニングを確立します。

セグメンテーション

セグメンテーションは、効果的な顧客アプローチを目指して、市場や顧客を細かく分類する手法です。住所、年齢、生活様式、行動傾向など、多岐にわたる要素を考慮して、顧客層をグループに分けます。

このプロセスにより、異なるニーズや嗜好を持つ顧客に対して、より適切でパーソナライズされたアプローチが可能となります。セグメンテーションは、単なる大まかなカテゴリーではなく、より精緻にターゲットを絞り込み、マーケティング戦略を巧みに展開する手段と言えます。

ターゲッティング

ターゲティングは、セグメンテーションによる分析結果を踏まえ、企業が最も効果的に力を発揮できる市場や顧客層を特定する手法です。分かれた市場や顧客グループを更に詳細に調査し、市場の規模、企業の強み、競合状況、外部環境などを考慮に入れながら、最適なターゲットを確定します。

このプロセスでは、単なるグループ分けではなく、企業が差別化を図り、競争優位性を築くための具体的な対象を特定することが求められます。ターゲティングにおいては、マーケットにおけるニーズや機会に焦点を当て、それに適したアプローチや戦略を展開することが重要です。この過程を通じて、企業はより効果的で効率的なマーケティングを実現し、競争力を高めていくのです。

ポジショニング

ポジショニングは、特定のターゲットに焦点を当て、競合他社との差別化ポイントを見つける手法です。この段階では、絞り込まれたターゲット層に対して、「どのような付加価値を提供するか」や「他社とは何が異なるか」を考えます。例えば、「高価だが富裕な高齢者に向けて、高い品質と特別なサービスを提供する」など、明確で差別化が可能なポジショニングを模索します。

的確なポジショニング分析を行うことで、企業が特定のニーズに応え、市場で独自の存在感を築く助けとなります。競合との差別化が明確であることは、顧客に対して独自性や付加価値を強調し、ブランドの認知度を向上させる要因となります。

マーケティングミックス

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの分析結果をもとに、企業はマーケティングミックスを展開します。このプロセスは、4P(Product:製品、Price:価格、Place:流通、Promotion:広告)と呼ばれ、これらの要素を織り交ぜて効果的なマーケティング戦略を構築するものです。

製品においては、顧客のニーズに合致した機能や特長を強調し、価格においては市場状況や競合を考慮して適切な価格戦略を描きます。流通では、顧客が製品に容易にアクセスできるようなチャネル戦略を検討し、広告ではターゲット層にリーチするための戦略を練ります。

評価・分析

マーケティング施策の実行後、その結果を確認するために評価・分析をおこないます。これは、適切な戦略の成果を把握し、今後の方針に反映させるための不可欠なプロセスです。評価は、設定した目標やKPI(Key Performance Indicators)に対して施策がどれほど効果を発揮したかを分析する過程です。

データや統計を駆使して、広告キャンペーンや製品導入の成功度合いを客観的に判断し、市場の動向に即した修正や改善点を見出します。また、顧客の反応やフィードバックも収集し、それに基づいて戦略の微調整や次なる施策の計画を練ることが求められます。改善と柔軟性を繰り返すことで、競争が激化する市場でより確実に成功を収められるようになります。

【集客】に活用できるECサイトのマーケティング手法

次に、集客に活用できるECサイトのマーケティング手法を5つ解説します。

リスティング

GoogleやYahoo!の検索エンジンを利用する際、検索結果画面の上部に「広告」と表示されるサイトが目に入ります。これがリスティング広告で、検索と連動した広告形式です。一般的に、リスティング広告はアクセスの獲得において非常に効果的とされています。ECサイトの広告投稿初心者にとって、まず最初に検討すべきはリスティング広告です。

リスティングは、他の広告形式に比べて予算に対するアクセス数の計測が比較的容易なのがその特長です。リスティング広告の運用を外部に委託する広告代理店も多く存在しますが、その場合は予算に上乗せして運用手数料がかかります。予算を抑えつつ自ら手を動かしたい場合には、自社での運用も一つの選択肢となります。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Yahoo!やブログ記事など、さまざまなWEBサイト上で見かけるバナータイプの広告を指します。この広告形式は、製品やサービスを画像としてユーザーに提示することができ、そのためブランドやショップの知名度向上に非常に効果的です。

ディスプレイ広告は、予算を独立して割り当てるよりも、他の広告と組み合わせて活用することで費用対効果が向上する傾向があります。一つの手段としてだけでなく、総合的なマーケティング戦略の一部としてディスプレイ広告を組み入れることで、より広範な視認性とブランド認知度の向上を図ることが可能です。

SNS

ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を駆使した広告は、LINE、Instagram、Twitter、Facebookなどで展開されています。現代では、ほとんどの人がSNSを活用し、これらのプラットフォームは生活に深く結びついています。

また、SNS広告では、ユーザーが登録したプロフィール情報や閲覧履歴などのデータを元に、ターゲットを細かく絞り込むことが可能です。年齢、性別、地域などの要因を考慮して、広告を表示する対象を的確に特定できます。これにより、自社の製品やサービスに興味を持ちそうなユーザーに重点的にアプローチできます。

顧客とのコミュニケーションを強化し、効果的なプロモーションを展開する手段として、SNS広告は今や欠かせない存在となっています。

アフィリエイト

広告費を支払っているサイトや個人のアフィリエイターのページに広告を掲載し、収益を上げる手法がアフィリエイト広告です。この広告形態は、単なる表示だけでは費用が発生せず、ユーザーが広告をクリックしサイトを訪れ、具体的な行動(商品購入や会員登録など)を起こした場合に初めて広告費が発生する仕組みです。そのため、この手法は「成果報酬型広告」とも呼ばれています。

また、アフィリエイト広告は非常にリスクが低く、特に理由がなければ、他の広告手法と併用して活用することが推奨されます。成果が発生しない限り広告費が発生しないため、効果的に広告予算を運用でき、広告主にとってコスト効率の高い手段となります。

SEO

サイトの訪問者数を増やすために有益な手段として、広告出稿とともに検討すべきなのがSEO(Search Engine Optimization)です。この略は検索エンジン最適化を指し、GoogleやYahoo!などでの検索結果でサイトを上位に表示させる対策を指します。検索エンジンは検索アルゴリズムに基づき、ユーザーが求める情報を的確に提供します。したがって、検索アルゴリズムに認知される「検索に応えられる良い内容」がサイトの上位表示につながります。

ユーザーは通常、上位の検索結果からページを閲覧する傾向があり、これによってサイトの訪問者数を増加させられます。SEO対策にはさまざまな手法がありますが、共通して重要なのは、検索アルゴリズムに適合した充実したコンテンツ(文章、画像、動画など)を用意することです。このアプローチをコンテンツSEOと呼びます。

【CVR向上】に活用できるECサイトのマーケティング手法

次に、CVR(Conversion Rate)、つまり購入率を上げるために活用できるECサイトのマーケティング手法を5つ解説します。

LP最適化

ユーザーがウェブサイトを訪れた際、最初に表示されるページをランディングページ(略称LP)と呼びます。このLPは実質的なサイトの入り口であり、魅力的でなかったり、使いにくかったりすると、ユーザーの関心が薄れ、ページを離脱してしまう可能性が高まります。

ユーザーがLPから他のページを閲覧したり、商品を購入したりするためには、LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)対策が重要です。これはLPを最適化し、ユーザーに対して魅力的で分かりやすい情報を提供することで、サイトの利用を促進し、コンバージョンを高める取り組みです。

LPがユーザーにとって分かりやすく魅力的なものであれば、彼らは興味を保ち、サイト内での滞在時間が延び、目的の行動(閲覧、購入など)に繋がる可能性が高まります。ランディングページの最適化は、ユーザーエクスペリエンス向上と共に、ウェブサイトの成功に欠かせない要素と言えます。

サイト内検索

ユーザーがサイトを訪れたとしても、求める商品を迅速に見つけられなければ、購入には至りません。商品への円滑なアクセスを促すには、サイトが充実した検索機能を備えることが重要です。ユーザーには、検索窓を用いたキーワード検索だけでなく、カテゴリメニューを通じてさまざまな角度から商品を見つける手段が提供されると良いでしょう。サイズや色、価格などで絞り込んで検索できる仕組みも効果的です。

これにより、ユーザーは個々のニーズに合致した商品を簡単に見つけることができ、サイト内での利便性が向上します。良質な検索機能はユーザーエクスペリエンスを向上させ、購買意欲を高める要素となります。ユーザーがサイト上で迷子にならず、スムーズに目的の商品にたどり着けるようなデザインと機能の提供が、サイト運営において不可欠です。

レコメンド

レコメンドとは、特定の商品を閲覧したりカートに入れたりしたユーザーに、関連性の高い別の商品をおすすめとして提示する機能です。

例えば、「こちらのほうがお得ですよ」といった形で低価格な商品を提示するか、色違いや似ている商品を紹介することで、購入率が向上します。前回の購入履歴をもとにおすすめの商品を提示するのも有効な手段です。同様に、「よく一緒に買われている商品はこちら」といった形で関連商品を表示させることも効果的です。これにより、追加の商品購入が促進され、客単価の向上が期待できます。

レコメンド機能はユーザーエクスペリエンスを向上させ、サイトの売上向上に寄与します。ユーザーに対して個別化された提案を行い、彼らが興味を持ちやすい商品にアクセスさせることで、満足度の向上と継続的な利用促進が実現します。

「カゴ落ち」対策

「カゴ落ち」とは、ユーザーが商品をカートに入れたものの、購入を完了せずにサイトを離れる状態を指します。この現象はECサイトにとって課題となります。原因はざまざまで、購入手続きが煩雑だったり、高額な送料だったり、望んでいた支払い方法が選択できなかったりといった理由が挙げられます。

これを解消するためには、ユーザーがサイト上でスムーズに購入を完了できるように改善が必要です。具体的な対策としては、購入手続きのフォームを使いやすくし、送料の明示や割引オプションの提供、支払い方法の選択肢の拡充などが挙げられます。

また、ユーザー目線でサイトを見直し、使いにくい点や分かりにくい点を改善していくことが欠かせません。ユーザーエクスペリエンスの向上と信頼感の構築が、「カゴ落ち」対策の鍵となります。

UI改善

ユーザーがサイトを操作する上での視覚的な要素を指すUI(ユーザーインターフェース)は、サイト全体の外観やページのデザイン、商品の詳細情報などを含みます。これらをユーザーにとって見やすく、理解しやすくすることは、購入率の向上に繋がります。

ただし、デザイン性の向上が目的ではないという点には注意が必要です。ブランディングやサイトのイメージ向上も大切ですが、それよりもまずはユーザビリティの向上を優先させるべきです。商材やサービスに応じてサイトの使いやすさを重視し、ユーザーが直感的に操作できる環境を提供することが重要です。

デザインはあくまでその手段であり、最終的な目標はユーザー体験の向上と購入行動の促進です。ユーザーフレンドリーなUIデザインは、ユーザーとの関係を強化できます。

【リピーター獲得】に活用できるECサイトのマーケティング手法

次に、ECサイトでリピーター獲得の方法として活用できるマーケティング手法を3つ解説します。ECサイトにおけるリピーターは「アクティブユーザー」とも呼ばれ、長期的な売り上げを獲得するために重要な用途です。

クーポン・会員ポイント

リピーター獲得の方法として初めに実施すべきマーケティング手法として、クーポンや会員ポイントの活用が挙げられます。他のサイトと比較して、自サイトでの購買におけるメリットが多い場合、ユーザーが再び自サイトを訪れてくれる可能性が高まります。

商品代金が割引されるクーポンや、継続的な購入によって得られる会員ポイントは、ユーザーを引き寄せる効果的な手段です。これらの対策はユーザーを囲い込み、快適なショッピング体験を提供することで、リピート購入を促進します。

クーポンや会員ポイントは、お得感を生み出し、ユーザーの購買意欲を高める要素として重要です。顧客のロイヤルティを築き上げ、サイトへの再訪を促進するためには、これらのリターゲティング手法を巧みに取り入れることが求められます。

リマーケティング

リマーケティング広告も、リピート獲得のための手段の一つです。リマーケティング広告は、ECサイトを一度訪れたユーザーに対して、その後広告を表示する仕組みで、費用対効果が高いとされています。

リスティング広告と同様に、月間のユーザー訪問数が一定以上あれば、リマーケティング広告を導入することが効果的です。これにより、ユーザーに再びサイトを訪れてもらいやすくなり、購買意欲を刺激します。

メルマガ配信

定期的なメールマガジンの配信は、ECサイトにおいて重要なコミュニケーション手段となります。オンライン上での直接的な接触が難しい中、メールマガジンは貴重な顧客との対話の機会となります。メルマガを通じて、価格の割引や季節限定商品の情報などを提供することで、顧客にサイトを訪れるきっかけを作ることができます。

さらに、顧客データを活用することで、どのユーザーがどのような情報に興味を持っているかを分析し、ターゲットに合った情報を精密に配信できます。これにより、ユーザーエンゲージメントを向上させ、顧客とのつながりを強化することができます。

また、最終購入日から一定期間が経過したスリープユーザーに対しては、特別なクーポンを提供するなどのアプローチをかけ、再びサイトを訪れてもらうよう促すことも可能です。メールマガジンは、顧客との関係性を構築し、ECサイトの売上を向上させるために効果的なマーケティング手法です。

まとめ

ECサイトの売り上げを伸ばすためには、適切なマーケティングを実施することが重要です。集客からリピーター獲得まで抜けのない対策を施行し、その結果を分析して改善し続けることが、ECサイトでの事業成功への成功の鍵となります。

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