越境ECで使える5つの補助金について|ポイントや注意点も合わせて解説

越境ECで使える補助金にはどのような種類があるのだろう?」

越境ECで補助金を活用するためには、どのような条件があるのか?」

などの悩みがあるのではないでしょうか。

越境ECで使える補助金はありますが、無制限に使えるわけではないので注意が必要です。

しかし、補助金を有効的に使うことができれば、越境ECも行いやすくなります。

そのため、本記事では

  • 越境ECでつかる補助金の特徴
  • 越境ECで補助金を活用するメリット・デメリット
  • 補助金選びのポイント

などについて紹介します。

「補助金を活用し、少しでも越境ECを有利に進めていきたい」という人は本記事が参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。

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越境ECで使える5つの補助金とは?

越境ECで使える5つの補助金は以下のとおりです。

  • IT導入補助金
  • デジタルツールを活用した海外需要拡大事業補助金
  • 事業再構築補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

それぞれ順番に見ていきましょう。

1.IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模の事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する負担を補助する制度です。事業者の業務効率化・売上アップに貢献することで、経営力の向上・強化を促進します。

IT導入補助金には以下の3つの種類があり、最大で導入費用の75%を支援してもらえます。

  • 通常枠(A・B類型)
  • デジタル化基盤導入枠
  • セキュリティ対策推進枠

通常枠(A・B類型)

ITツールを導入する経費の一部を補助するもので、最大で450万円まで支援してもらえます。補助内容はA類型とB類型で異なり、内訳は以下のようになっています。

類型A類型B類型
補助額5~150万円未満150~450万円未満
補助率1/2以内1/2以内
条件特定業務プロセスの中から1種類以上保有するソフトウェアを申請すること特定業務プロセスの中から4種類以上保有するソフトウェアを申請すること

特定の業務プロセスを保有するソフトウェアの数が多くなるほど、補助額が多くなりますので、該当する場合は検討してみると良いでしょう。

詳しくはIT導入補助金2023|通常枠(A・B類型)を参考にしてください。

デジタル化基盤導入枠

会計ソフトや決済ソフトなど、企業間取引のデジタル化やインボイス制度に特化した補助です。申請する金額に応じて補助率が変動しますが、最大で350万円を補助してもらえます。

ソフトウェア関連とハードウェア関連で以下のように補助内容が変わるため、注意が必要です。

種類ソフトウェア類ソフトウェアハードウェアハードウェア
補助額~50万円以下50~350万円10万円以下20万円以下
補助率3/4以内2/3以内2/1以内2/1以内
条件導入するITツールが「会計」「受発注」「決済」「EC」の機能を1機能以上有する場合導入するITツールが「会計」「受発注」「決済」「EC」の機能を2機能以上有する場合PC・タブレット等レジ・販売機等

また、ハードウェアに関しては、ソフトウェアの購入先として選定した企業からの購入に限ります。そのため、申請のことを考えた上での購入が大切です。

詳しくはIT導入補助金|デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型をご覧ください。

セキュリティ対策推進枠

サイバー攻撃により、デジタル化に問題が生じたり、価格高騰によるリスクを減らすための支援です。支援の内容は1つだけになっており、ITツールの利用料を最大で2年分補助してもらえます。

種類セキュリティ対策推進枠
補助額5~100万円
補助率1/2以内
対象ITツールの導入費及び、サービス利用料(最大2年分)

詳しくはIT導入補助金|セキュリティ対策推進枠をご覧ください。

2.デジタルツールを活用した海外需要拡大事業補助金

中小企業が越境ECを積極的に取り入れ、ブランディングやプロモーションを行っていけるように整備された補助金です。申請の条件には、既に越境ECを活用していたり、越境ECを活用して販売する商品が決まっているなどの条件があります。

種類イークロ補助金(デジタルツール活用型)
補助額単独申請の場合・1社あたり200~500万円以内複数社による連携体の場合・最大5,000万円以内
補助率2/3
対象・謝金・旅費・通訳・通信運搬費・広報費など

詳しくは、デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業をご覧ください。

3.事業再構築補助金

事業再構築補助金は、中小企業が新分野への展開、業態転換などの思い切った事業再構築を支援する補助金です。また、越境EC事業で申請することで、採択率が高くなっているのもポイントです。

中小企業枠

種類通常枠卒業枠
補助額100~6,000万円6,000万円~1億円
補助率2/3以内2/3以内
対象・建物費・機械装置・技術導入費・外注費・広告宣伝費など・建物費・機械装置・技術導入費・外注費・広告宣伝費など

中堅企業枠

(資本金が1億~10億円程度、従業員数500人)

種類通常枠グローバルV字回復枠
補助額100~8,000万円8,000万円~1億円
補助率1/3~1/21/2
対象・建物費・機械装置・技術導入費・外注費・広告宣伝費など・建物費・機械装置・技術導入費・外注費・広告宣伝費など

詳しくは、事業再構築補助金をご覧ください。

4.小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、商工会議所の管理地域で事業を営んでいる小規模事業者を対象にした給付金です。最大で50万円の給付となる通常枠から、最大200万円の補助を受けることができます。

種類通常枠通常枠以外
補助額~50万円~200万円
補助率2/32/3
対象・機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・旅費など・機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・旅費など

詳しくは、小規模事業者持続化補助金をご覧ください。

5.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

中小企業が持続可能な経営や生産性向上のための設備投資を行うための補助金です。

現在は5つのコースから成っており、越境ECに向いたコースは「グローバル展開型」です。

種類グローバル市場開拓枠
補助額100~3,000万円
補助率1/2(小規模・再生事業者は2/3)
対象・機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・旅費など

詳しくは、ものづくり補助金総合サイトをご覧ください。

越境ECで補助金を活用するメリット

越境ECで補助金を活用するメリットは、コストを削減し、事業拡大に予算を使いやすい点です。

越境ECを行うためには、商品の配送や翻訳、通関手続きなどの費用がかかります。補助金を活用することで、越境ECに必要な経費をまかなうことができるため、より早く事業を拡大することができます。

また、補助金は返還しなくて良いため、採択された金額がそのまま経費の削減につながります。

越境ECを利用して海外に商圏を広げていきたいと考えている場合は、補助金の活用が役に立ちます。

越境ECで補助金を活用するデメリット

越境ECに補助金を活用するデメリットは、申請に時間が必要であったり、報告書を書かなければいけないことです。

越境ECに補助金を活用するには事業計画書を作成したりと、補助金の種類によっては提出の量が多くなります。

また、補助金は受け取ったら終わりではなく、その後も事業の経過を報告しなければならないことがあります。補助金を活用するためには様々な書類審査が必要になるため、無駄な時間がかかることがデメリットです。

補助金選びの4つのポイント

補助金選びの4つのポイントは以下のとおりです。

  • 補助金の募集期間
  • 補助の内容
  • 補助金の採択率
  • 申請手続きの負担

それぞれ見ていきましょう。

1.補助金の募集期間

補助金を選ぶ際には、募集期間を気にして選ばなければいけません。補助金によっては募集回数が少ないこともありますし、募集期間が終わっていることもあります。

申請する予定であった補助金の募集が停止してしまえば、思わぬ足止めにもなりかねません。

自分が関わっている事業で補助金を検討されている場合は、事前に補助金の種類や内容を把握し、期限や申請の条件などを確認しておくようにしましょう。

2.補助の内容

補助の内容についても確認しなければいけません。特に注意するべきなのが、補助金と補助率、補助対象です。

補助金の種類によって補助額に大きな違いがあり、申請しても10万円程度のものから、数千万円も補助してもらえるものまであります。

また、補助率にも種類があり、条件によっては最大で2/1や2/3などがあります。当然、2/1より2/3の方が補助率が高い分、使える可能性のある補助金は多くなります。

3.補助金の採択率

採択率も、補助金の種類や申請の時期によって大きく変わります。申請率が高ければ補助を受けやすくなりますし、申請率が低ければ予定通りに補助金を受け取れるとは限りません。

補助金の採択率は、補助金を申請するページに記載されていますので、補助金を検討する際に確認しておきましょう。

補助金の採択率に限らず、申請が通る条件を確認しておくことも大切です。どの補助金にも採択の条件や規制が決められていますので、必ず見ておきましょう。

4.申請手続きの負担

申請手続きの方法も補助金の種類によって異なります。すぐに申請が通るものもあれば、事業計画の考案や書類作成、提出などの複数のステップを踏む必要があることもあります。

申請期間が決まっている場合は、余裕を持って行動しなければ、本来得られていた補助金を受け取れない可能性も考えられます。

また、補助金が採択された後でも、逐一補助金の使い先や状況を報告しなければならないこともあります。想定以上に手続きや審査で時間を使うこともありますので、補助金の活用全体を通して、どのくらいの時間がかかるのかを事前に確認しておきましょう。

越境ECで補助金を活用する際の4つの注意点

越境ECで補助金を活用する際の注意点は、以下の4つです。

  • 補助金の活用先を明確にする
  • 実現可能性の高い計画にする
  • 社会に対する貢献性を盛り込む
  • 補助内容の変更に注意する

順番に見ていきましょう。

1.補助金の活用先を明確にする

補助金を受け取るためには、活用先を明確にしなければいけません。補助先によって補助の対象になるかを判断されるため、あいまいな状態では申請が断れてしまいます。

また、補助金を受け取った後も活用状況の報告を求められることがあるため、補助条件以外の設備やサービスに使うことはできません。

「どのようなことにどのくらいのお金を使うのか」ということを明確にしておきましょう。

2.実現可能性の高い計画にする

計画を立てれば何でも良いわけではありません。計画の内容によっては申請が通らない可能性があります。

実現可能性の低い計画を立てると、補助金を出すメリットが少なくなるため、申請が通らないことが多いです。

補助金を出すメリットが明確であるからこそ申請が通るわけですので、実現可能性が高く、計画がしっかりしているものを作るようにしましょう。

3.社会に対する貢献性を盛り込む

補助金の申請を受理してもらうためには、社会に対する貢献性も重要です。

計画がしっかりしており、実現可能性が高くても、社会的な貢献度が低ければ補助金を出すメリットが小さくなります。

計画を出す際には、実現可能性に加え、どのような点で社会に貢献するのかが分かるようにしましょう。

4.補助内容の変更に注意する

同じ補助金でも、年度によって補助内容が大きく変わることがあるため、注意しなければなりません。

年度が変わるタイミングで補助の条件が変わったり、補助自体がなくなることもあります。補助額が下がったりすれば、当初予定していた事業に支障が出ることも考えられます。

現在の補助内容もいつまで続くかわかりませんので、補助を受ける予定がある方は、できるだけ早く申請されることをおすすめします。

補助金を活用して越境ECを推進させよう!

本記事では、越境ECで使える補助金の内容と、実際に利用する際のポイントや注意点を紹介しました。

越境ECに補助金を活用することで、事業を有利に展開したり、コストの削減につながります。しかし、申請手続きに時間を要したり、思っていたような補助金がもらえない可能性もあります。

補助内容は補助金の種類によっても大きく変わるため、どの内容が自社の事業に合っているのかを明確にしなければいけません。

申請する補助金が決まれば、スケジュールを調整して早めに申請した方が良いでしょう。補助内容はすぐに変わってしまうものです。

補助金にはメリット・デメリットの両方がありますが、補助金を活用することで事業の成長を促進させることは十分に可能です。補助内容に興味があるならば、内容が変わらないうちに確認してみましょう。

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