昨今注目を浴びている「越境EC」。取り組み始める場合、一定の知識が無ければ失敗リスクが高まります。
そのため、越境EC事業を丸投げできる代行業者を利用するのが得策です。
当記事では、越境ECとは何かから、代行業者への依頼の基礎知識・注意点まで解説します。
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目次
越境ECとは国境を超えたECサイト間での商取引のこと
まず越境ECって聞いたことあるけど具体的にはどういったものかよくわからないという方の為に、初めに軽く解説しておきます。
言葉の通り「国境を超えておこなうECサイト間での商取引のこと」です。
グローバル化が進む現在、多くの方が実践している手法になります。
ただ単純にECサイトを作っただけでは行えないのが越境ECの難しさですね。
越境ECが注目され出した背景
グローバル化はずっと前からささやかれていましたが、なぜ今になってより越境ECが注目されだしたのでしょうか。
越境ECがここまで大きく広まったのにはどういった背景があるのか、解説いたします。
世界的なスマホ普及率の向上
昨今世界的にスマートフォンの普及率が上がっています。
現在の主要都市のスマートフォンの普及率は1番低いギリシャで85%、最も普及率の多い韓国で95%です。(参考:https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190215-00114305/)
また新興国(アフリカやインドネシア)でも50%の国民がスマートフォンを所有しており、どこにいてもECサイトからの商品の購入ができる時代になりました。
スマートフォンの普及にともなってEC事業が伸びるのは必然的ですね。
外国人によるリピート購入
海外の人が日本に観光に訪れた時に買ってくれた商品を、帰国した後もリピートで購入してくれているというのもいま日本で越境ECが流行りだしている背景の一つです。
メイドインジャパンを安く、どこにいても購入することができるECサイトの存在は我々にも海外の人にも大きなメリットですね。
過去に中国人観光客の「爆買い」が話題になったことがありますが、実はECサイト経由の購入学の方が現地での爆買の購入学を上回っているのが現状です。
EC市場の規模が年々拡大
EC市場の規模は年々増加しており、経済産業省のレポートによると2018年には74.3兆円、2019年には90.8兆円、2020年には109兆円もの巨大な市場になるとの予測がされています。(参考:https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002.html)
購入額もそれにともなって増えており、2014年には6,000億円だった中国からの購入額が現在2020年では2兆円にもとどく勢いです。
こういった背景から越境ECはぐんぐんと広まっています。
越境ECで事業を始めるメリット
越境ECを多くの企業がおこなうのは大きなメリットがあるからですよね。
そんな越境ECのメリットは大きく1つしかありません。
ではそのメリットに関しても紹介していきましょう。
市場拡大・売上の向上
まず国内だけでなく世界に目を向けることで商品を安く仕入れることができたり、日本の製品を海外で高く売れたりと商売の幅が広がります。
また世界を相手にすることで消費者の人数が日本国内だけのときと比になりません。
それだけ商品が売れるということなので、市場規模の大きさも越境ECを行うメリットになります。
越境ECで事業を始める4つのハードル
ではそんなに稼げる可能性が広がる越境ECですが、逆にデメリットも存在するのでしょうか。
1.法律・文化の理解がハードル
まず商品を販売する際に適用されるのはその販売してる現地の法律だということです。
たとえば中国で越境ECを行うためには、ICPライセンスの取得が必要になります。
ライセンスを持っていない状態で中国と越境ECでの取引をおこなってしまうと違法となり、発覚するとサイトの運営停止や罰金などのペナルティが科せられてしまうのです。なので海外で販売するときはその現地の法律や、文化も熟知しておかなくてはいけません。
2.為替レートの変動リスク
海外なのでもちろん日本円での取引はおこなえません。
なので為替変動によって料金が変わり、売上もかわってくるなんてこともよくあります。
常に把握しておくのは無理かもしれませんが、ある程度外貨のことについての知識は必要になってきます。
また決済方法の違いなどもあげられるでしょう。
クレジットカード払いが当たり前ではない地域や国もあるので、その国に合わせた決済システムの導入も手間がかかります。
3.配送料や手数料が高め
国内ECサイトの配送料、手数料などに比べてやはり海外にむけて発送するとなるとかなり値段が高くなってしまいます。
なので低価格を売りにしたビジネスモデルは自社で負担する額が利益を上回ってしまい大赤字になる場合がでてきますね。
4.2国間輸送の規制や関税
「商品が売れたからあとは発送したら終わりだ」とそう考える人が多いと思いますが、実は商品を発送するときにも法律が絡んできており、関税法で輸出入ができない商品なども存在します。
たとえば中国では古着の輸入が禁止されていたり、中古の機材などの輸入には現地確認が必要だったりと国によって規制はちがいます。
越境ECは代行が便利
大きなメリットがあり、市場規模も拡大の一途をたどっているのはわかりました。
ただ今0から実際に始めるのにはハードルがやはり高いですよね。
そんな事業者の方たちに救いの手を差し伸べてくれるのが「越境EC代行業者」です。
読んで字のごとくですが、越境ECにおける全てのことを任せておける業者のことです。
越境ECを行うにあたって必要な海外の法律、インターネット規制のこと、外貨についてなど1から勉強しなくてはいけないすべてのことを任せられます。
代行業者を活用する4つのメリット
全てを任せておける代行業者ですが、実際にどういったメリットがあるのでしょうか。
代行してくれるサービスと共に紹介していきます。
1.ニーズの調査を依頼できる
越境ECで特に売れるであろう商材の調査、現在売ろうとしている商品の売れ行き調査などをおこなってくれます。
実際に商品を売ろうとしても利益になる見込みがちゃんとあるのか調べるのは大切なことです。
その点を熟知しているプロに任せることにより、どういった商品をどういった売り方で売ると利益が出るのかを教えてくれます。
特に市場規模の大きい中国に関しては中国人に関するニーズや趣向を捉えている業者が多いので頼むのがおすすめです。
2.モール出店業務を依頼できる
もちろんECサイトの出店業務の一切をおこなってくれます。
越境ECをモールに出店する際サポートが日本で全てまかなえるわけではありません。
出店先での口座開設や、様々な手続きが必要になってきます。
単独でECサイトを作るよりも、モールに出店するほうが集客効果があるので、そういったモール出店も代行業者のサービスの1つです。
3.モールの出店・出品を代行してくれる
モールの出店のみならず、商品の出品をおこなってくれます。
現地の言葉をつかったセールスをおこない、その地域にあったマーケティングをおこなってくれるので、ただ出品するよりも収益が見込めますね。
4.越境ECサイトを運営してくれる
なんと出店・出品後の運営まで任せておけます。
今後トラブルが起きた際や、梱包して発送する時の関税などのややこしい業務も任せることができるので、本当に1度任せただけで利益だけが出てくる仕組みを作ることができます。
代行業者を活用するデメリット
これだけ多くのメリットがある中でデメリットは存在するのでしょうか。
信頼関係の構築が難しい
唯一にして最大のデメリットが信頼関係の構築が難しいことです。
ネット1つで簡単に任せられるため、そのままにしがちですが、1から10まで全てを任せておくというのはかなり危険でもあります。
利益がすべてその業者1つで大きく変わってきますからね。
確かに簡単に頼むことができますが、そのかわりきちんとミーティングを組んだり、どういった実績があるのかなどを入念に調査し、本当に信頼できるのか確認した上で代行を頼みましょう。
代行業者を選ぶポイント3選
それでは実際にどういった観点で選んでいけばいいのでしょうか。
代行業者を選ぶ時に参考にしたいポイントを3つ紹介いたします。
1.各国の内情に詳しいか
もちろんこれは1番大事です。
進出する国の市場規模や法律に詳しくないと商品を売ることはおろか出店さえできません。
この越境ECを成功させるにはこのポイントで大きく左右されます。
何よりもこのポイントは抑えておきましょう。
2.豊富な実績があるか
新進気鋭の代行業者もありますが、やはりなにも知らない0の状態から始めるならある程度実績のある業者に任せたほうがもちろん安心できますし、トラブルも減ります。
実績があるということはこれまでの膨大なデータをもとにしたマーケティングを行うことができるということなので、成功率は段違いでしょう。
3.サービスの質は高いか
これはリピーターがきちんと生まれるかに直結しており、ひいては今後の業績に大きな影響を与えます。
カスタマーサービスの対応、梱包の丁寧さ、サイトの利便性など今後もこのECサイトから商品を買いたいと思わせるようなサービスが行えないと売上は落ちていく一方です。サービス面も重視しましょう。
おすすめの代行業者5社を紹介
では最後に上記の選び方3つをふまえたおすすめの代行業者を紹介します。
初めてで何から始めたらいいかわからない方はここに頼みましょう。
株式会社飛躍
「株式会社飛躍」は越境ECの運営代行に幅広く対応しており、欧米などの英語圏を中心に越境ECサイトの運営代行を行っています。
アジア圏ではなく欧米を視野に入れている事業者の方にはおすすめですね。積み上げてきた膨大なデータをもとに、企画の立案、効果測定、市場分析など幅広く対応してくれます。
株式会社飛躍の最大の強みが海外マーケットプレイスの出店・運営代行を行っていることです。具体的には「ebay」や「Amazon」などのマーケットプレイスへの出店もサポートしているのです。
そのため自社ECサイトのみならず、海外マーケットプレイスとの相乗効果による売上げアップを目指せます。FacebookやInstagramとの連携も得意なので、今アツいと言われているSNSマーケティングを取り入れた手法にも明るいのも特徴です。
NHN SAVAWAY株式会社
こちらは「株式会社飛躍」とは違い中国、韓国をメインにした越境EC代行業者で、韓国の大手IT会社であるNHNのグループ会社です。なので向こう側の購買の傾向などをよく熟知しています。
代行作業もきちんと全ておこなってくれて、市場調査や翻訳、モール出品、物流対応、プロモーションなど中国・韓国への進出を視野に入れている企業であればぜひ一任したい業者ですね。
韓国・中国に対応したモールをすでにいくつか運営しているのも強みで、市場規模に応じた強気な値段設定でも有名です。
株式会社エフカフェ
「株式会社エフカフェ」は中国最大のBtoCショッピングモール「TMALL」への出店代行サービスを専門にしています。
今回ご紹介する中で1番のECサイト運営歴を誇る代行業者です。最大の強みは日本からの出店・出品も可能ですが、中国に法人を設立しての本格運用ができる点でしょう。
サービスの良さには定評があり、エフカフェ独自の品質改善支援パッケージなどの販売もおこなっています。
JUTOU株式会社
「JUTOU株式会社」は越境EC・インバウンドに関する営業コンサルタント会社です。
タオバオや天猫・京東などの中国ECモールへの出店・運営代行を専門に行っています。またJUTOUはSNSマーケティングを強みとしており、中国の代表的なSNSであるWeChatのアカウント開設・運用代行も提供しているところが他の業者とは違うところですね。
中国は日本よりもインフルエンサーマーケティングが盛んで、JUTOUはいくつものインフルエンサーへのパイプがあるので、予算に応じてインフルエンサーを使ったマーケティングもおこなってくれます。
業種も多様で、中国進出にSNSを使っていきたいのならおすすめです。
Buyee
「Buyee」はtenso株式会社が運営を行う越境EC代行業者で、約8年前からサービスを開始し、日本最大級のオークションサイト「ヤフオク」とも契約しています。
tenso株式会社は2008年より海外発送代行サービス「転送コム」も運営しており、海外に向けた事業展開に強みをもっている企業です。そんなBuyeeは現在も会員数が増加しており、楽天やZOZOなどとも業務提携を行っている大きな会社です。
大小合わせると約1,800もの越境ECサイトを扱う国内でも指折りの代理業者となっています。世界各国の言語に対応しているため、幅広いニーズに対応した仕事を行ってくれるのが強みです。
まとめ
越境ECが広まった背景にはスマートフォンの普及やEC事業の市場規模拡大がありました。現在のグローバル化やIT産業の発展にともなう事業の拡大は必ず検討しなくてはいけない項目の1つです。
多くの企業が進出しているため、スピード感が大事になってきますね。そのため1から自分で学ぶのではなく、越境ECを得意としている代行業者に任せるのが1番いい選択肢ですね。
- 国の内情に詳しい
- 実績があるか
- サービスの質
この3つのポイントを意識して代行業者は選びましょう。進出したい国ごとに得意とする業者が違うので、そこも選ぶ際に見極めるのが大事です。