海外売上比率はわずか2.8%?越境ECの売上が上がらない理由
越境ECは、これまで現地でのパートナー開拓や配送・決済などオペレーション対応など多くの課題がありましたが、現在では代理購入代行や配送代行、モール出店代行など様々なサービスが出ており、国内のECサイト運用と同じような形で海外に販売する体制構築がとても簡単になりました。
しかし、せっかく海外に販売できるようになっても、売上が上がらないという企業様が多数を占めているのが現状です。
実際代理購入サービスBuyeeを使って越境ECを開始して1年ほど経つ企業様約10社にヒアリングすると、平均して海外売上は全体の2.8%のみと、非常に少ない割合となっていました。
主な理由として、国内ECサイトと比較して以下があります。
- サイトへの流入数が少ない
- 先程の10社へのヒアリング結果では、サイト流入自体が2〜3%、多い企業でも15%程と海外からのアクセスがそもそも低く、サイト認知が広がっていません
- 国内では、直営店や店舗、棚に出しているためリアルの場での認知が上がるが、海外では配下していない、卸しをしていないためブランドの認知度が低い
- コンバージョン率が低い
- 流入経路を見ると、ストア名ではないキーワードの検索経由や、ニュース記事の紹介などが多く、ストアブランドへの関心度が低いため売上に繋がらない
- 一方、ストアのTwitterやFacebookから来た海外アクセスはコンバージョン率も一定高い
ブランディングの第一歩?海外で注目されるポップアップストアの目的3つ
海外のECサイトや、最近では大手ブランドでもポップアップストアの展開が注目されています。
ポップアップストア専用のマーケットプレイスサービスを展開しているappearの記事を参考にポップアップストア出店メリットをまとめました。
①新しいエリアでのテストマーケとして
新たな国やエリアには、既存顧客とは別の価値観を持った潜在顧客が多くいます。
しかしブランド認知度が無い状態で自社のブランドを試したい場合、ウェブプロモーションやリアルでの卸先開拓は多額のコストが発生します。
期間限定のポップアップストアでリアルなお客様の声を聞きながらテストマーケを行えます。
②商品体験のため
ECは、場所や時間などの制約が無くお買い物ができる便利さはありますが、一方で商品そのものの体験ができなく、購買意思決定まで至らない、もしくはリピートしない可能性があります。
ポップアップストアで商品へのこだわりや、商品自体に触れることでブランドのファンになってもらえます。
③ブランドの世界観
アメリカでは、特にミレニアル世代(1980〜2000年代に生まれた世代)をターゲットに、IRL Marketing(In Real Life marketing)が注目されています。
ECなどデジタルでしか接点を持っていないブランドが、ストアでの展開だけではなく、音楽や食事、ライブアートなどのパフォーマンスを実施することで、ブランドの世界観を体感してもらっています。
まとめ
越境ECは国内ECと異なり、ターゲットエリアが広い・ペルソナの設定が難しい・店舗/棚などに流通していないため認知度を上げる対策が必要、など売上を上げるためには様々な課題があります。
ポップアップストア、という短期で物販及びプロモーションを行える形態は、日本でも増えており、海外ブランドが出店するケースも増えてきました。
ただ、国内のポップアップストアより輸出入の実施など一定ハードルがあるため、海外のテストマーケとして、ブランドのファン拡大のため、など複数目的を設定し、目標を作ったうえで実施することをおすすめします。