【日本企業成功例】海外進出前の行動と共通点|事例から解説

日本では少子高齢化や人口減、働き方改革や賃上げが進み、国内市場で十分な売上・利益や顧客確保が難しくなってきていることから、海外展開する企業が増加しています。

アフリカやアジアでも拡大は大きくなり、その中でも東南アジアでの経済発展や富裕層も増えてくるとして注目の進出国になっています。

しかし海外進出前に知っておかなければいけないこともあり、日本企業の成功例を参考に海外進出前の行動と共通点をまとめます。

具体的には、

  • 日本企業が海外進出に成功した事例3選
  • 海外進出で「成功する企業に共通する6つの特徴」
  • 海外進出する前に「やっておくべき3つの行動」

について徹底解説していきます。

既に海外進出しているが、まだ成功していない企業の場合、この記事を見て今一度確認してみるのもよいでしょう。

日本の商品を海外で販売するメリットや方法を探している場合、以下の記事を参考にしてください。

日本の商品を海外で販売するメリットとは?方法をご紹介!

日本企業が海外進出に成功した事例3選

事例1.株式会社ファミリーマート

1981年に日本で設立した株式会社ファミリーマートは、東アジアと東南アジアに約8,400店舗あります。

1988年に台湾で海外第1号店を開店し、1990年からフランチャイズ展開を開始しています。2022年2月には、台湾ファミリーマートは4,000店を達成しており、海外進出した日本企業での成功例と言えるでしょう。

ファミリーマートが海外で展開できた要因には「文化の違いによる生産性」がカギと言われています。

日本では人件費を抑えながら無駄な時間を使わないように、マルチタスクで業務を進めることが当たり前です。しかしアジアでは、一点集中型のシングルタスクが一般的です。

複数の業務をこなせるように教育を押し付けるのではなく、教育課程でリーダーを任せられ、マルチタスクができる人材を見つけます。

そのリーダーを中心に他のスタッフにもマルチタスクで生産性が上がる必要性を徐々に慣らしていくことで業務の改善がされていきました。

事例2.味の素株式会社

味の素株式会社は、1917年に初めて海外進出でニューヨーク事務所を開設しています。その後、2017年には海外進出100周年を迎え、ヨーロッパ・アフリカ、北米・中南米、アジアを中心に30の拠点、130を超える国や地域でグローバル展開しています。

味の素が成功した要因は、人口の多い国・地域に進出し「見つける・届ける・伝える」の3つの力を発揮してきたことです。

「見つける力」は、世界各国で異なる嗜好性や食習慣を徹底調査し(見つけ)、現地の人に受け入れられやすいように日本人は口出しせず現地に適した商品を開発することです。

「届ける力」は、ユーザーが手に入れやすく使いやすくするための販売先、価格や容量を検討することで、「伝える力」はブランドの宣伝戦略のことを言います。

自社の強みを活かしつつ、海外の状況を上手くとらえた経営戦略が成功した例といえます。

事例3.コアックス株式会社

コアックス株式会社は、1974年に設立された電子部品や端末などを製造する企業です。
「高品質・短納期・小ロット」で提供しているのが特徴で、海外進出のきっかけは「研究者間のネットワーク」によるものだったとされています。

海外の学術会議に出席し、研究成果を発表、併設展示会の出展などにより販路を開拓し、アメリカやカナダ、オーストラリアなど30カ国以上に進出しています。

コアックス株式会社が海外進出に成功したのは、学術会議におけるコミュニティ(ネットワーク)の構築によるものです。

現地の専門家との繋がりを確保し、現地調査をおこなうことで、より深い地域性を理解したうえでの海外進出と言えるからです。

学術会議において、既に市場調査も販売先、人材確保もできていたことになります。

 

海外進出で「成功する企業に共通する6つの特徴」

海外進出で成功する企業に共通する6つの特徴を紹介します。

  • ローカライズ戦略を採用する
  • 事前調査を実施する
  • 現地パートナーがいる
  • 自社の強みを活かす
  • 人材・販売先を十分に確保する
  • 連携できる人材が現地にいる

それぞれ詳しく説明します。

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海外進出「成功する日本企業」はローカライズ戦略を採用する

ローカライズ(現地化)を意識して戦略を立てることが大切です。

ローカライズ戦略とは、海外進出する際に商品やマーケティング方法を現地の文化や地域性に対応させておこなうことで、地域に根差したビジネス戦略を立てていくことを言います。

例えば国や地域が異なることで、以下のような違いがあります。

  • ニーズ
  • 宗教
  • 地域性
  • 言語(方言)
  • 趣味・嗜好
  • 国民性
  • 文化
  • 習慣
  • 価値観

日本でも関東と関西に違いがあるように、海外進出すると日本とは全く異なる地域性に頭を悩ませる経営者は少なくありません。省庁やコンサルタントが発表するデータを見るだけでなく、実際に現地へ足を運ぶことが大切になります。

国民性や文化、習慣などはデータで把握することができても、匂いや雰囲気などを自分の五感で体感し、消費者に直接話を聞いてみることでズレに気づけることがあります。

注意点として、海外進出する国・地域やターゲット層により「ローカライズした方が良い場合」と「しない方が良い場合」があります。

ローカライズした方が良い場合

ローカライズした方が良い場合を食品を例にしてまとめます。
現地に足を運ぶことで、以下のことを把握します。

  • 習慣
  • 文化
  • 規制
  • 法律

地域の味付けを体感しつつ、法律などに目を向けなければいけません。また宗教的・文化的に禁止されているものが多い場合「ハラル(ハラール)・ヴィーガン・ベジタリアン」など、原材料を現地向けに対応する方法も検討しましょう。

ローカライズしない方が良い場合

ローカライズしない方が良い例は、既に認知されている商品等が現地で受け入れられている場合です。例えば以下のものがあります。

  • 商品
  • 店名
  • 日本製ブランド価値

現地で既に受け入れられている場合、地域性を無視してデザインや商品内容は日本と同じ方が良いことが考えられます。

既に現地で受け入れられている理由を検討し、現地に受け入れやすくイメージしやすい色使いや言語パッケージを検討しましょう。

わざと日本製を前面に押し出す方法をとることで、ターゲット層を明確化して市場・ニーズに対応できる可能性があります。

ローカライズ戦略だけでなく、Webマーケティングを検討している場合は、海外SEO対策を無料で実施する方法を紹介している次の記事を参考にしてください。

海外SEO対策を無料で実施する方法を紹介!成果を上げる手段とは?

海外進出「成功する日本企業」は徹底した事前調査を実施する

現地のニーズを把握するための事前調査では「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」の2種類を把握するようにしましょう。

顕在ニーズとは、顧客が自覚しているニーズのことです。例えば買い物に出かける前に「ジャガイモを買おう」と思うような場合、顧客ニーズは「じゃがいもが欲しい」ことが明確です。

「この商品・サービスが欲しい」というように、消費者が必要性を自覚しているニーズを顕在ニーズと言います。

潜在ニーズとは、顧客自身も気づいていないニーズ(悩みや課題)のことを言います。先ほどと同じ例で言えば「じゃがいもが欲しい」と感じているような場合、買い物に出かけて商品を見てから購入することがあります。

しかし「じゃがいも」の産地や味、形などを意識している消費者は少ないかもしれません。さらにジャガイモから得られる栄養を検討している消費者もいれば、ジャガイモしか食べられないから仕方なく購入することもあります。

この場合の潜在ニーズは「じゃがいもを購入して、どうなりたいか」が重要で、それぞれのニーズやターゲット層に合わせて情報収集する必要があります。

現地で会話したり、アンケートを実施するなどの調査が有効とされており、顧客の課題をうまく引き出して大きなビジネスチャンスを手に入れられると日本企業が海外進出で成功する可能性が高まります。

海外進出「成功する日本企業」には現地パートナーがいる

海外進出で成功する日本企業には、進出国や市場を良く知る現地パートナーがいます。

現地パートナーを探すには「自社で探す」か「ジェトロ(日本貿易振興機関)」などの現地パートナー選定プログラムを利用するのが一般的です。

パートナーに出会うことが出来たら関係性を築き、企業としての「行動・思考・目指すべきゴール」を明確にして伝えることが大切です。

企業の考えを伝えるには、直接会うよりオンラインミーティングが主流になったと言えるでしょう。zoomなどを利用し、画面越しに顔を合わせて会話します。

現地パートナーとは人間関係を構築するのが最も大切で、企業として利益ばかりを追求して結果だけを追い求めることはしない方がよいかもしれません。

現地パートナーにとっても働きやすい環境を構築し、現地に寄り添った文化の理解や雑談などを含めた会話を心がけます。

成功している日本企業は「パートナーとの信頼関係」が強固であることが多いです。パートナーとの関係性が良好になれば、新しいアイディアや新たな現地パートナー企業を紹介してくれることもあるでしょう。

ジェトロ(日本貿易振興機関)ハンズオン支援とは

ジェトロ(日本貿易振興機関)にはハンズオン支援があります。

ハンズオン支援とは、海外展開に関心がある中堅・中小企業を対象に、海外ビジネスに精通した専門家によるサポートのことです。

経営課題を抱える中小企業などに、ジェトロから専門家が派遣されます。経営アドバイスを提供したり、主体的に課題解決に取り組むことで支援が終わってからも持続可能な体制づくりをサポートするものです。

具体的に次のような支援がおこなわれます。

  • 海外展開の作成支援
  • 海外販路開拓
  • 立ち上げ
  • 操業支援
  • 商材輸出支援
  • 現地工場設立支援
  • 現地法人立ち上げ支援

海外投資アドバイザーを配置した海外事務所をアジア主要国に設けているため、Web面談方式で現地情報を提供しています。

海外進出「成功する日本企業」は自社の強みを活かす

海外進出で成功する日本企業は、自社の強みを活かしていることも共通点として挙げられます。現地顧客のニーズを把握することは大切ですが、自社の強みをアピールすることも重要です。

商習慣やニーズに応えていくと顧客を獲得できるかもしれませんが、同じ方法でライバル企業が参入すれば競合他社が増えます。高品質、信頼度、迅速、手厚いサービスやメンテナンス、実績などを把握して自社商品・サービスの価値を上げることにつなげましょう。

自社の強みを把握する方法

自社の強みを把握するために代表的なフレームワークがあります。

  • SWOT分析
  • 3C分析
  • VRIO分析

「SWOT分析」は、強み(S)、弱み(W)、機会(O)と脅威(T)にわけて全体の状況を把握する方法です。強み(S)と弱み(W)は企業の内部環境、機会(O)と脅威(T)は企業の外部環境を示しています。

「3C分析)は、自社(Company)、顧客(Customers)、競合他社(Competitors)の3つの観点から分析する方法です。
情報をリストアップするのではなく、3つの要素が相互にどんな影響を及ぼすか思考・理解するのが目的です。

「VRIO分析」は、企業の商品等(リソース)について考える分析方法です。
価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣可能性(Imitability)、組織化(Organization)の4つの観点から分析し、企業内部の経営資源の分析に役立ちます。

海外進出「成功する日本企業」は人材・販売先を十分に確保する

海外進出に成功する日本企業は、人材・販売先を十分に確保する必要があります。

「2023年版 中小企業白書」によると、中小企業・小規模事業者の動向を以下のように分析しています。

①コロナ禍からの社会経済活動の清浄化が進みつつある中、中小企業の売上高は感染症流行前の水準に戻りつつあるが、宿泊や交通など、業種によっては引き続き厳しい状況が続いている。

②こうした中コロナ関連融資の返済期限もピークを迎えるため、収益力改善や事業再生支援が重要。

引用:2023年版 中小企業白書【総論①】中小企業・小規模事業者の動向(足下における現状認

①深刻な人手不足や労働時間の制約といった課題にも直面している。

引用:2023年版 中小企業白書【総論⑥】中小企業・小規模事業者の動向(人手不足)

①人手不足に対応するため、省力化投資等を通じた生産性向上等に取り組んでいる。
②実際に、人手不足により、デジタル化による効率化に着手したトラック運送業界の企業も存在する。

引用:2023年版 中小企業白書【総論⑦】中小企業・小規模事業者の動向(人手不足)

海外進出する日本企業は、人材確保に不安を抱えやすいといえます。
そのためデジタル化などを考慮した効率化が求められ、人員への給与引き上げや職場環境の改善を考慮し、魅力ある企業になることが求められています。

また、「2014年中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来」に記されていたように、販売先確保も十分に考慮する必要があります。

「現地パートナー」などと協力し、現地の人材や販売先を検討しておくようにしましょう。

海外進出「成功する日本企業」は連携できる人材が現地にいる

海外進出で成功する日本企業は、現地の文化や常識などを十分に理解した上で経営しなければいけません。
そのために必要なコミュニケーション能力に長けた人材を確保しなければいけません。

現地で人材を募集するだけでなく、自社で採用した人材育成も鍵を握ります。市場調査、現地の消費感覚、現地の課題点などを分析でき、異なる言語を使用できるバイリンガル人材が不可欠と言えるでしょう。

日本人のリサーチや感覚だけでビジネスを進めることは困難と言わざるを得ず、現地の感覚や文化を知る現地スタッフを採用することも大切です。

海外進出する前に「やっておくべき3つの行動」

海外進出する前に、これまで海外進出してきた日本企業がどの地域・業態、どのような要因で失敗したのかを把握することも大切です。

海外進出前に検討しておくべき3つの内容を記載します。

海外進出の失敗例を把握・対策する

失敗事例を把握することで、自社で同じ失敗をしないようにします。

中小企業庁「一成功と失敗の要因を探る」によると、海外進出で過去に撤退した日本企業の理由は下記があげられています。

1位:環境の変化による販売不振(35.1%)
2位:海外展開を主導する人材の不足(22.2%)
3位:現地の法制度・商習慣の問題(19.3%)
4位:人件費の高騰等による採算の悪化(19.1%)
5位:従業員の確保・育成・管理の困難性(17.9%)
6位:経済情勢の悪化(16.2%)
7位:親会社の事業戦略変更等による再編(14.8%)
8位:直接投資先の資金繰りの悪化(13.6%)
9位:提携先・アドバイザーとの関係悪化(12.4%)
10位:商品・サービスの質の確保困難(11.2%)
11位:政治情勢の悪化(9.3%)
12位:その他(6.2%)

「環境変化による販売不振」「海外展開を主導する人材の不足」で半数以上の割合を締めており、次いで法制度・商習慣の問題、人件費の高騰などがあげられます。

つまり大半の失敗例では、販売先や人材の確保により海外から撤退したことがわかるため、あらかじめ対策を練っておくことで海外進出に成功しやすいと言えます。

以下の記事では、海外進出する日本企業が抱える「課題点」と「解決策」をまとめています。

海外進出する多くの日本企業が抱える「課題点」と「解決策」とは?

撤退時の基準やプランを明確に決めておく

海外進出前に失敗例を把握・対策することが大切です。特に「撤退時の基準やプラン」を検討している企業ほど、失敗時への対応が早くなり被害が少なくて済みます。

また海外進出に成功している日本企業の多くは、進出前に撤退時の基準を明確にしている場合が多いと言えます。

海外進出では、トラブルや災害、人材確保などの状況で撤退を余儀なくされる場合が想定されます。

海外進出時は「撤退したい」と考えても、すぐに撤退できるわけではありません。時間、労力、資金が必要になります。

一般的な海外撤退方法は、以下のものがあります。

  • 持分譲渡
  • 破産
  • 清算/解散

合弁企業に進出した際など、持ち株の売却や清算が必要です。国や契約により保証金や解約違約金を支払う必要があるため、損失が大きくなることが想定されます。

ダメージを最小限に抑えるためには、海外進出前にダメージの基準を想定しておくことが重要です。

海外進出では現地規制・商習慣の違いを理解する

失敗例の約20%を締めているのが「現地の法制度・商習慣の問題」です。現地パートナーがいない日本企業の場合、法改正や商習慣の変化に敏感に対応することができない可能性があります。

また言語が異なることで、細かな変化に気づけないこともあるでしょう。

現地でビジネスパートナーを見つけておくことで、普段からニュースなどの変化を伝えてもらうことができます。

売上や利益を確保するためには、市場の動向やニーズを把握することは不可欠です。データで入念な調査をおこなっていたとしても、人間の肌感覚の変化まで見抜くことは困難でしょう。

進出国で規制に反した場合、取引停止や罰則・罰金を科せられる可能性があります。国によるビジネスマナーの違いを把握することも大切で、例えば以下のようなマナーに気を付けましょう。

  • 決断スピード
  • 交渉やミーティングでの考え方
  • 働き方や退職に対する考え方
  • 取引先との付き合い方
  • 食事の場でのマナー

特に働き方に対する考え方や食事マナーは重要で、現地パートナーとの信頼関係を築くうえでも重視される部分です。

また、海外販売するときの消費税に対する考え方もマナーの1つと言えるため、以下の記事では消費税に関する注意点をまとめています。

海外販売をするときに消費税はかかる?注意点を詳しくご紹介!

海外進出する日本企業は成功例を参考にする

海外進出で成功する日本企業は、成功例や失敗例を参考にしましょう。

海外進出は、独自の発想を元にしたビジネス展開だけでは太刀打ちできない可能性が高いです。それは言語の違いから始まり、文化や風習、商習慣などが異なるためです。

日本人が考えられる発想は、あくまで日本で通用する内容です。現地パートナーを見つけて会話するだけでも、文化の違いに驚くことも多いでしょう。

海外進出で成功するには、過去の成功例や失敗例を参考にし、現地の文化等を詳しく調査する必要があります。

進出する前に徹底的に現地調査をおこない、現地パートナーと共に協力することでビジネスの課題は解決することが多いと言えます。

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BEENOSグループが創業以来蓄積してきたノウハウ・データを活用し、 BeeCruiseは日本企業の海外進出を応援します。

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