越境ECの成功には、現地ユーザーとの効果的なコミュニケーションが欠かせません。日本の商品やカルチャーを海外に発信するため、多くの企業がSNSやオウンドメディアを活用していますが、「どの媒体を使えばいいか」「どんなコンテンツが響くのか」といった悩みは尽きないものです。
海外向け代理購入サービス「Buyee(バイイー)」は、海外ユーザー向けに「X」「Facebook」「Discord」「Instagram」「Threads」の5メディアで情報発信を行い、オウンドメディアとして「Buyee Blog」を運用しています。
2025年5月からは「Buyee Blog」の方向性を刷新し、Instagramで「buyee.unbox.picks」という新アカウントを作成、英語圏・繁体字圏のユーザーに向けた情報発信を開始しました。
この記事では「Buyee Blog」と「buyee.unbox.picks」の運営を担当するBeeCruiseのゾイさんに、開始の背景から具体的なコンテンツ戦略、そして見えてきた課題と今後の展望までリアルな裏側を聞いていきます。

1. なぜ今、海外向けオウンドメディアなのか?
「Buyee Blog」刷新と「buyee unbox picks」の運営開始には、明確な2つの目的があります。
1.クライアントへの価値提供
越境EC支援サービスを導入いただいている日本の顧客の商品やブランドに関する情報を、海外ユーザー数600万人を超えるBuyeeの影響力を活用しながらオウンドメディアを通じてダイレクトに発信していくことで、海外市場における認知拡大に貢献します。
2.海外ユーザーへの情報提供
「日本語がわからなくても好きな作品やアーティスト、ブランドなどの最新情報をいち早く知りたい」、そんな海外ファンのニーズに応えるため、現地の言語で新商品情報を発信し、越境購入の促進につなげます。

2. 運営体制とコンテンツ制作のフロー
2025年11月現在の運営はゾイさんと海外経験が豊富なスタッフ2名による計3名体制で行っています。制作フローは「Buyee Blog」が起点となっています。
1.Buyee Blogの作成
軸となるコンテンツを3人で議論しブログ記事として作成。海外ユーザー向けのため日本語版は作成せず英語と繁体字で運用しています。
2.Instagram展開
ブログの内容を抜粋・編集し、Instagram投稿にアレンジ。週2、3本のコンテンツを配信しています。
3.メルマガ配信
月に1回、Buyeeユーザー向けのメルマガでも情報発信します。
4.Threads(繁体字のみ)
台湾ではThreadsが急速に普及しており反響が出やすいため、1日1本の頻度で投稿して情報拡散を図っています。
一つのコンテンツをクロスメディア展開することで、効率的にユーザーとの接点を増やし、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出にもつなげています。ゾイさんは台湾女性向けのInstagramアカウント「買買子(マイマイコ)」を2年間の運用で1万7,000人のフォロワーを獲得した実績もあり、そのノウハウを新アカウントの運営に活かしています。

3. 海外ファンに「響く」コンテンツ戦略
「buyee.unbox.picks」の運用を開始した当初は、幅広いジャンルの情報を発信していました。しかし、約半年間の運用で成果を分析した結果、特に反応が大きいカテゴリーが明確になりました。
それは、「アニメ」と「アーティスト」関連の情報です。
これは、Buyeeで実際に売れている商品ジャンルとも一致します。この分析結果に基づき、現在は「buyee.unbox.picks」では、この2軸にコンテンツを集中させる戦略をとっています。
一方で「Buyee Blog」は多様なキーワードでの検索流入を獲得する役割があるため、ジャンルを絞らず幅広く有益な情報を発信し続けています。

4. 事例紹介:反響が大きかった投稿
運営開始から半年間で、特にユーザーから反響があった投稿をご紹介します。
事例1:Buyeeユーザー限定「エヴァンゲリオン」30周年キャンペーン(英語圏)
Instagramでイベント特典を紹介したオリジナルの動画投稿が大きな反響を呼びました。さらに、同テーマのブログ記事は、投稿後数ヶ月にわたり英語ブログ内で最も検索流入が多い「キラーコンテンツ」となり、記事経由で商品が購入される実績を生み出しました。

事例2:アーティスト「Ado」発売情報(繁体字圏)
Buyee Connect連携サイトの新商品発売情報をThreadsで発信したところ、「哇啊啊啊啊!!必須買!!! (絶対買う)」といった熱量の高いコメントが付き、多くのエンゲージメントを獲得しました。

ブログとSNSの役割を明確に区別し、メディア特性に応じた情報発信を行うことで効果の最大化を狙っています。「buyee.unbox.picks」の運営はまだ半年間ですが「顧客商材の認知拡大」と「海外ユーザーの購入促進」という目的志向で取り組むことで、成果となる実績を生み出しています。
5. 運営の課題と今後の展望
海外のファンは情報のキャッチアップスピードが非常に速いのが特徴です。そのため、メディア運営チームでは「いかに早く情報を手に入れるか」を常に意識しています。
次の段階では、クライアントから定期的に最新情報を提供してもらえる体制を構築することを目指しています。海外向けの情報発信にご興味をお持ちの事業者様はBeeCruiseまでお知らせください。
海外向けの情報発信に関するお問い合わせ▷https://service.beenos.com/contact/
ゾイさんの最終的なゴールは、Buyeeのオウンドメディアを「記事を読んだユーザーがクライアントのECサイトを訪れて商品を購入する」という流れを生み出す、価値あるメディアに育てていくことです。クライアントにとって「Buyeeのメディアに情報を載せたい」と感じてもらえるような、強力なプラットフォームを目指していきます。
答えていただいた方
BeeCruise株式会社 Global Growth Hacks メディアチーム
陳 怡鈞さん

