インターネット上において自社の商品やサービスを売れるようにするためには、国内外ともにWebマーケティングを行うことは必要不可欠です。特に海外の場合はターゲット国・地域の言語を用いて情報発信していくことはもちろん、現地でどのようなマーケティング手法がとられどのように発信していくかを十分に理解しておかなければなりません。
日本国内のユーザーに向けて集客や売上の確保と成功してきた企業が、販路拡大のために、海外進出する場合も多いでしょう。しかし具体的に国内と海外では「何に気をつけていかなければならないか」「Webマーケティングの違いは何か」「そもそもWebマーケティングとは何で、なぜ行う必要があるのか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は海外をターゲットとしてインターネット上でビジネスを行う企業向けに、「海外でのWebマーケティングとは何か」という点について紹介していきます。
具体的には、
- 海外でWebマーケティングが必要な理由
- これまで・これからのWebマーケティング
- 日本と海外のWebマーケティングの違い
- 各国・地域に合わせたWebマーケティングの特徴
について徹底解説していきます。海外へ向けたWebサイトや越境ECを始める際にもぜひ参考にしてみてください。
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海外でWebマーケティングが必要な理由
冒頭でもお伝えした通り、インターネット上でビジネスを行う上で、集客や売上まで左右するほど非常に重要な役割を持っているのがWebマーケティングです。そのため海外へ販路を拡大していきたい方、既に海外をターゲットに情報発信をしているが、イマイチ結果に繋がらないと悩んでいる方にも覚えておきたい知識です。まずはなぜWebマーケティングが必要なのか、具体的な理由について紹介していきます。
そもそもWebマーケティングとは
「Webマーケティング」とはWebサイトやWebサービスなどのインターネット上において、自社商品やサービスの営業を不要にしても、売上や利益を上げるための仕組みを作り出すことを言います。企業や各部署によって広告や販売促進のように限定した活動をWebマーケティングと呼ぶこともあり、会社や部署の数だけその定義は若干異なります。
いずれもWebマーケティングの役割とは、売上をあげるための調査・戦略・運用手段・考え方・仕組み作りなどすべてのことを言い、自社商品やサービスの販路拡大のためには、必須の知識と言えます。
「Webマーケティング」は近年、「デジタルマーケティング」と呼ばれています。具体的な詳細は次の項目「これまで・これからのWebマーケティング」でお話します。
海外Webマーケティングが必要な理由
海外市場でビジネスを行う上でWebマーケティングは重要なのかは、3つの理由があります。
まず一つ目にWebマーケティングのための調査をすることです。国や地域が異なればユーザーの文化や習慣が大きく異なることは当たり前のことです。そのような国民性の違いや特徴、どんなWebマーケティング手法が使われているのかなどを把握するための調査です。日本国内で自社が行ったWebマーケティングの成功体験があったり、成功事例を元に進出すれば成功するという甘い考え方では大きな損失に繋がってしまう可能性があります。日本と海外ではどのようなことが違い、どのようなことを行ったことで失敗や成功へと繋がるのか、ライバル企業の把握など徹底することが大切です。
次に消費者の動向は日々変わるということを理解しておくことです。インターネットが世に出る前は商品やサービスの認知度や集客アップには、テレビ・CM・ラジオ・雑誌・新聞などのマスメディアが一般的でした。現在ではスマートフォンやパソコンの端末使い、SNS・Web広告・Webコンテンツなどで情報を知り、類似品の比較・口コミの閲覧・購買に至るまで全てインターネット上で完結してしまうことも多いでしょう。そのためインターネット上に商品やサービスが溢れ競争が激しいからこそ、ターゲットに合わせたWebの情報発信で、興味や購入などの行動に移すための戦略が必要不可欠なのです。
最後にWebマーケティングの効果が見えやすいことです。マスメディアで情報を発信しても、どれほどの人・どんな人が目にし、興味を持って行動してくれたかどうかは分かりにくいのがデメリットでした。しかしWebマーケティングであれば、どんな属性の消費者がどのサイト・SNSを利用しクリックしたのか、購入まで行動を起こしたのかなど各項目で数値化することができます。
これらを把握することで自社に足りないところやこれから伸ばしていくべき点が明確になるだけでなく、広告予算の取り決めもしやすくなります。Webマーケティングにはマーケティングを行う企業側と消費者側の両方で重要な役割をもっていると言えます。
これまで・これからのWebマーケティング
先ほど「Webマーケティング」について説明してきましたが、最近では「デジタルマーケティング」という呼び名に代わってきています。どういった違いがあるのか、紹介していきます。
「Webマーケティング」と「デジタルマーケティング」の違い
「Webマーケティング」が「デジタルマーケティング」に変わっても基本的なことは変わりません。先ほどお伝えしたとおり、「売上をあげるための調査・戦略・運用手段・考え方・施策・仕組み作りなどすべてのこと」がマーケティングの定義です。
変わったことはマーケティングを進めるうで、「運用手段・施策・仕組み作り」の手法が「AI」「デジタル広告やWeb」「データ活用」が加わったことで「デジタルマーケティング」として呼ばれています。手法や手段がデジタルマーケティングに変わることで、ビックデータ結果を元にさらに深化したマーケティング戦略を行うことができます。
スマートフォンは一人一台を持つ時代によってインターネットの普及が拡大し、商品やサービスの利用や購入にはWebサイトや口コミサイトを参考にしながらECサイトで購入するなど、消費行動が多様化してきています。そのため企業側の戦略、サービス提供、アプローチ方法も新しい手法へと変化しているのです。
これまでのマーケティング手法
マーケティングの手法はオフライン・オンラインともに数多く存在します。まずはこれまでのマーケティング手法はどのようなものだったのか、見ていきましょう。
- アウトバウンドマーケティング
- テレマーケティング
ダイレクトメール
マス媒体(TV、ラジオ、新聞、雑誌)
展示会
スパムメール
商談
イベント
≪アウトバンドマーケティングの特徴≫
- 企業主導でユーザーに商品やサービスを売り込む一方的な情報発信
- リードの獲得(見込み顧客の情報収集)に時間がかかる
- 効果測定が困難
- ターゲティングがしづらい
- 高コスト
- Webマーケティング
- SEO対策
動画
口コミ
SNS広告/運用
LPO
メディア
リスティング広告
メルマガ
ブログ
≪webマーケティングの特徴≫
- ユーザー自身が商品やサービスを見つけだし、企業はユーザーの課題解決コンテンツを情報発信
- リードの獲得(見込み顧客の情報収集)が容易で大量に獲得できる
- 効果測定が容易
- ターゲティングしやすい
- 低コスト
これからのマーケティング手法
続いては時代とともにマーケティング手法が変化した、これからのマーケティング手法です。上記の「アウトバンドマーケティング」や「Webマーケティング」に下記の「デジタルマーケティング」が加わり、マーケティングの手法と種類により進化と深化を遂げています。
- デジタルマーケティング
- IoT(Internet of Things(モノのインターネット))
スマートフォンアプリ
テレマーケティング
AI
デジタルポイント
ブランドサイト
VR
デジタルサイネージ
フィンテック
CRM
ビックデータ
≪デジタルマーケティングの特徴≫
- ユーザー自身が商品やサービスを見つけだし、企業はユーザーの課題解決コンテンツを情報発信
- リードの獲得(見込み顧客の情報収集)が容易で大量に獲得できる。さらに消費者の購買行動データ、
企業の販売履歴や店頭来店を表した活動データ、商品へ搭載したIoT送信データなどを蓄積したデータを活用・分析を行いより精度の高い情報収集が可能となる - 効果測定が容易
- データ分析によりさらに精密にターゲティングしやすくなる
- ツール次第で低コストが可能
つまり「Webマーケティング」は「デジタルマーケティング」の一部であり、「Webマーケティング」と「デジタルマーケティング」は「マーケティング」の一部であるということとなります。
マーケティング > デジタルマーケティング > Webマーケティング
日本と海外のWebマーケティングの違い
ここではWebマーケティングやEコマースを行う際に、日本と海外ではどのような違いがあるのか解説していきます。
違い①言語
まず1つ目は日本と海外とでは「言語」が大きく異なります。中国語や英語は世界で多くの人々に使用されている言語ですが、ターゲット国が第2言語で使用している言語の場合、その分閲覧数や成約率は変わってきます。ターゲット国は・地域に合わせた言語でのWebマーケティング/デジタルマーケティング、問い合わせ/カスタマーサポートを行っていくことが大切です。
違い②流通経路・発送方法・関税
2つ目は「流通経路・発送方法・関税」の違いです。越境ECで海外へ商品を発送する際は、航空便と船便のいずれかで日本から現地国へ発送し、そこから車やバイクなどで消費者の手元へ届けます。商品のサイズ・大きさ・距離・発送方法によって配送コストは大きく異なることから、どんな流通経路・どんな方法で発送するか計画が必要です。
また返品対応を行わなければならない際は、自社と消費者のどちらが配送料を負担するのか、どこに配送するのかも決めておく必要があります。そして忘れてはいけないのが関税です。対象国、品目ごと、どのような目的で輸出するかによって関税は異なり、関税率や具体的な金額を事前に把握しておかなければ、収益に大きなダメージを与えることもあるでしょう。
違い③習慣・文化
3つ目は「習慣・文化」の違いです。国や地域が異なれば習慣や文化は大きく異なるため、日本のプロダクトをそのまま販売する際には、どのような時に使う物なのか使い方など商品の詳細の説明をする必要があります。
またデザインや色の好みも日本と大きく違うことがあります。例えば日本で「赤」は「警告・興奮・怒り」というイメージがありますが、中国では「成功、幸福、熱烈、めでたい時」、インドでは「スピリチュアル・純粋」といったように、全く違うことがあります。
そのため自社ブランドカラーやイメージを残しつつも、商品カラーやサイトデザインなどターゲットのイメージに合うように再設計することも重要です。複数の国・地域をターゲットにする場合は、シンプルな色使いでデザインするなどし、生活環境やユーザーの悩み・課題に合わせた方法で商品を作るのも良いでしょう。
各国・地域に合わせたWebマーケティングの特徴
海外に向けたWebマーケティングと一言で言っても、国や地域が異なれば、マーケティング手法も大きくことなります。国・地域ごとにどのような違いがあるのか紹介していきます。
アメリカ
アメリカの場合はマーケティング手法が他国より2~3年早いと言われています。そしてさまざまな人種が混在し合う市場は大きく競争率も激しいため、細かいターゲットにリーチするためさまざまな手法がとられています。その中でも大きく目立っているのが、「リスティング広告」「SNS」「コンテンツマーケティング」です。
まず「リスティング広告」とはGoogleやYahooなどの検索エンジンで検索したキーワードに連動され、検索ページの一番上部に表示される広告のことを指します。その広告をユーザーがクリックすると、広告主の費用が発生する仕組みです。アメリカでは検索エンジンのシェア率は、Google(87.91%)、bing(6.3%)、Yahoo!(4.19%)とGoogleが大きく占めているため、Googleでリスティング広告を打つことが効果を得やすいと言えます。
次に「SNS」でのマーケティング手法です。世界中で使用されているSNSの多くはアメリカで制作されていることが多く、アメリカでユーザーが最も多いのがYouTube(79%)、次いでFacebook(74%)、Instagram(52%)、Twitter(40%)となっています。SNSによって動画・テキスト・画像を投稿でき、年齢や性別などの属性が異なるため、発信したい方法やターゲットに合わせてSNSを選ぶと良いでしょう。
「コンテンツマーケティング」とはユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作・発信していくことで、見込み客へ興味から購入することで、収益へと結び付ける手法です。2010年頃から長くアメリカで大きく使用されています。
参考:Search Engine Market Share United States Of America(2020年)
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/united-states-of-america#monthly-201905-202005-bar
参考:DIGITAL 2020: THE UNITED STATES OF AMERICA(2020年)
https://datareportal.com/reports/digital-2020-united-states-of-america
中国
中国は「グレート・ファイアウォール」もしくは「金盾(きんじゅん)」と呼ばれるインターネットの利用規制があり、情報を政府が常に監視しているという特殊な事情があります。そのため海外では当たり前に利用されている検索エンジンやSNSアプリは閲覧・投稿ともに利用することができません。その代わりに中国独自の検索エンジンやアプリが存在します。
例えばGoogleやYahooなどの代わりには「Baido(バイドゥ)」、Lineは「微信(ウィーチャット)」、Facebookは「人人网(レンレンワン)」、Twitterは「微博(ウェイボー)」、YouTubeは「爱奇艺(アイチーイー)」などです。中国をターゲットとする場合はこの特殊性をしっかり理解した上で、リスティング広告やSNS広告を運用する必要があります。
台湾・香港
台湾と中国は別々の国に思われがちですが、実際は中国の中の台湾という島です。香港も別々と混同されがちですが、中国大陸の中にある一部の地域です。一国二制度という1つの国の中に異なる制度を適用した世界的に見ても珍しいケースをとっています。
台湾でも香港でも今使える検索エンジンやSNSであっても、中国政府の規制や法律の急な変更によって、明日にでも状況が大きく変わることがあることを注意する必要があります。
台湾・香港ともに検索エンジンではGoogleが87%以上と多くを占めています。一方でYahoo!は6%程度と少ないですが、台湾ではYahoo奇摩と、香港ではYahoo雅虎香港と地域の情報が閲覧できるのが特徴です。
韓国
韓国の検索エンジンはGoogle(80%)と最も多く、次にLineの親会社であるNAVER(12%)、bing(3%)となっています。数年前まではNAVERは使いやすく正確な情報が多くあるとして人気でしたが、近年では情報量が多いGoogleのシェア率が増加傾向にあります。
SNSはLineに似たメッセージアプリKAKAO TALK(カカオトーク)が83%と最も多く、次いでYouTube(80%)、Facebook(61%)となっています。Lineも韓国が発祥でしたが、KAKAO TALKの方がリリース時期が早かったため、韓国現地ではKAKAO TALKのシェア率が高くなっているのです。
参考:Search Engine Market Share Republic Of Korea
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/south-korea#monthly-201905-202005-bar
参考:DIGITAL 2019: SOUTH KOREA
https://datareportal.com/reports/digital-2019-south-korea
まとめ
この記事では海外をターゲットとしてインターネット上でビジネスを行う企業向けに、「海外でのWebマーケティングとは何か」ということで、「海外で行われているマーケティングの特徴」や「日本と海外の違い」について紹介していきました。マーケティングを知ることで集客や売上に繋がり、日本にいながら海外進出で大きく活躍することも可能です。
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「海外に向けたWebマーケティングで成功する方法」について詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご覧下さい。
(タイトル:海外Webマーケティングで成功するための方法とは?国別人気のSNSも紹介)