目次
SEO対策とは
SEOとは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略で、SEO対策とは、Googleに代表される検索エンジンで特定のキーワードが検索された際に、自社サイトが上位に表示されるように対策することを指します。
自社の商品やサービスに関連するキーワードが検索された際に、自社のサイトが上位に表示されると、その商品・サービスに関する情報を自ら探しているユーザー、すなわち購買につながる可能性の高いユーザーに自社を認知してもらうことにつながるため、マーケティング面で大きなメリットがあります。
検索エンジンには、そのキーワードを検索したユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを提供しているウェブページを評価し、上位表示するアルゴリズムが導入されています。したがって、検索エンジンで自社サイトが上位表示されるための対策として、ユーザーにとって価値のあるコンテンツづくりが重要となっています。
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海外向けのSEO対策に必要な考え方
SEO対策に必要なのは、検索したユーザーが満足するようなコンテンツを提供することです。検索エンジンでは、特定のキーワードで検索したユーザーが、検索に対する回答として満足できるウェブページが検索結果の上位に表示されるようなアルゴリズムが導入されています。
したがって、単にキーワードをたくさん盛り込んでいるようなコンテンツや、被リンクを機械的に増やすというテクニカルな方法では、ユーザーの満足度を無視しているとみなされ検索エンジンに評価されません。ユーザーが満足できる検索体験を提供できるコンテンツの質が重要視されています。
海外向けであってもこの考え方は同じです。単純に日本語コンテンツを機械翻訳で現地語に訳せばいいというわけではなく、現地のターゲットユーザーが検索した際に満足できるコンテンツを提供するという考え方が重要です。そのためには、現在評価されているウェブページを調査し、それらで提供されている情報とコンテンツを元に、自社で作成するコンテンツの企画と執筆を適切に行う必要があります。
海外SEO対策を行うメリット
日本にいながら、海外向けのマーケティングを行える
海外向けのプロモーションやマーケティングの展開は、ターゲットとする国の代理店やマーケティング代行会社を通じて行う必要があります。しかしSEOは、現地向けのWebサイトとコンテンツを作成することができれば、日本にいながら海外向けの対策を行うことができます。日本からの海外SEO対策によって効果を出せれば、海外に出向くことなく直接現地のターゲット顧客の認知度を高め、コミュニケーションを取れることができます。
安定的な集客を期待できる
海外に限らず国内向けSEOでも同じことですが、一度特定のキーワードで検索結果の上位表示を獲得できれば、上位結果は比較的長期的に維持することができるため、安定的な集客効果を得られます。SEO対策は必ずしもすぐに結果の出るものではありませんが、念入りな企画と対策の継続を行うことで徐々に結果が出始め、一度上位表示を得られれば効果が継続する長期的な集客戦略です。
海外SEO対策に必要なコスト
海外向けのSEO対策に特別に必要なのは、ターゲットとする国の言語で良質なコンテンツを作るノウハウと、長期的にSEO施策を行なっていく時間的なコストです。
外国語で良質なコンテンツを作るノウハウ
国内向けのSEO対策と異なるのは、コンテンツを日本語以外の言語で作る必要があることです。
効果のある集客を行うには、良質なコンテンツの作成が必要不可欠です。
SEO対策のためのコンテンツの企画は、「キーワードの選定」「競合調査」「コンテンツ作成」「コンテンツ編集」「効果測定」というプロセスを得ます。すべてのプロセスで言語が関わってくるため、キーワードの選定からコンテンツ編集まで現地語ネイティブによる実施、少なくともアドバイスは不可欠です。
SEO対策キーワードを選定する際には、現地の人が検索する適切なキーワードを、マーケティングの知識を持つネイティブによって選定するのが好ましいでしょう。コンテンツ中のキーワードの挿入や現地の人に受け入れられやすい表現など、非ネイティブによる執筆では難しい点が多くあります。日本国内向けであれば、日本人が作るコンテンツは日本語として不自然なことは有りませんが、日本人が外国語でコンテンツを作成する場合、その言語のネイティブレベルでないと不自然な表現になる可能性があります。
時間をかけても必ずしも結果が出るわけではない
国内向けのSEO対策と同様ですが、どんなに時間をかけてSEO対策のコンテンツを作成しても、必ずしも結果が出るわけではありません。検索エンジン上に表示される順位は、検索エンジンのアルゴリズムによって評価される仕組みとなっていますが、そのアルゴリズムは複雑で外部からコントロールするのは困難です。
したがって、SEO対策において絶対に効果の出るコンテンツを作成することはできず、少なくとも競合となるコンテンツを調査しながら、検索ユーザーにとって有益なコンテンツを分析し、作成します。
また、検索順位が変動する際の要因は判断がしづらく、十分な分析に基づいて作成されたコンテンツであっても、時期による要因やその他の要因で期待した検索順位にならないことがあります。そういった場合、対策方法の判断がしづらいのがSEO対策の難しい点です。
海外SEOと日本SEOの違い
海外の検索エンジンに合わせて最適化を行う
日本で利用されている検索エンジンは、GoogleとYahoo!JAPANが主流となっており、Yahoo!Japanの検索エンジンはGoogleのものを流用しているため、実質Google検索エンジンに対するSEO対策がメインになっています。
しかしながら、海外では主流の検索エンジンがGoogleでない国もあり、そのような国ではGoogle以外の検索エンジンに向けてのSEO対策を行います。たとえば中国ではBaidu、ロシアではYANDEX、韓国ではNaver、北米やヨーロッパではBingも一定のシェアを持っており、ターゲットとする層によってはGoogle以外への対策も検討する必要があります。
また、日本で人気のでたコンテンツ内容が外国語に翻訳しただけで海外でも人気が出るというわけではなく、好まれるコンテンツは地域によって異なります。したがって、検索エンジンやコンテンツ内容ともに、現地向けの対策を行う必要があります。
インターネットで利用されることの多い言語では、Webサイトやコンテンツ数で競合が増える
Internet World Statsの調査によると、2020年3月末の時点で、インターネットで使用されている言語は1位が英語(25.9%)、2位が中国語(19.4%)、3位がスペイン語(7.9%)、4位がアラビア語(5.2%)となっており、日本語は8位(2.6%)です。これはインターネット上には、英語のコンテンツが日本語コンテンツの約10倍存在することを表しています。
単純計算で、日本語コンテンツと同様の内容を英語で発信すると、競合するコンテンツが10倍増えることになります。日本語で1位を獲得できたコンテンツでも、英語では10位になってしまう可能性があるということです。
特定のキーワードで検索してヒットするコンテンツの量は、選定するキーワードによってさらに大きく前後し、また言語が違えばキーワードごとに検索されるボリュームも異なります。そのため、ターゲットとする言語やキーワードの検索ボリュームと検索ヒット数を考慮して、コンテンツの企画と作成を行なうことが大切です。
海外SEO対策のポイント
続いて、海外SEO対策時のポイントを5つ紹介します。
言語ごとに独自のURLを設定する
1つ目に、多言語でサイトを運営する場合には、言語ごとに独自のURLを設定することです。同じURL内に様々な言語が混ざっていると、同じ言語のコンテンツが見つけづらく、読者の離脱につながります。
URLの設定は、以下の3パターンの対応方法があります。1つはexample.jpのjpの部分を変えるドメインの変更、2つめにja.example.comのjaの部分をenなどに変更するサブドメインの変更、3つめにexample.com/ja/のjaの部分をenなどに変更するサブディレクトリの変更、が挙げられます。
URLを日本語コンテンツと分けて、海外の読者にとって見やすいウェブサイトを作成することが大切です。
ネイティブによるコンテンツ作成が望ましい
2つめは、機械翻訳を使わずに、現地の言語に精通した人がコンテンツを作成することです。日本語で作ったコンテンツを機械翻訳に入れて現地語に変換するだけですと、年々機械翻訳の精度が上がっているとはいえ、その翻訳は直訳となり意味の通らない不自然な文章になってしまいます。
例えば英語の長文をGoogle翻訳しても自然な日本語にはならないのと同様に、日本語の文章を機械翻訳しても現地の人にとって読みづらい文章となってしまいます。現地の人にとって読みづらく意味が伝わらないコンテンツは優良コンテンツだと認識されず、検索エンジンから良い評価を受けることができません。現地の人に読みやすい違和感の無いコンテンツにするためには、ネイティブレベルの語学力を持つ人による作成が望ましいでしょう。
対象国で利用されているサーバーを使う
3つ目に現地で利用されているサーバーを使うことです。掲載されているサイトが自国のサーバー上にアップロードされているものかどうかで、検索エンジンからの評価が変わってくると言われています。従って、日本のみで提供されているサーバーでなく、AWSなど多くの国で利用されているサーバーを使うことをおすすめします。
HTMLでlang属性を使用する(アノテーションの設定)
4つめに、多言語サイト対応を持つ場合、HTML上で以下のようにlang属性を設定します。
hreflang=””内の言語コードは、以下のURLより検索可能です。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/iso639.html
これらを設定することで、検索エンジンに言語によって異なるサイトがあることを知らせることができます。アノテーションと呼ばれるこの設定をしないと、異なる言語でもページ内容が同じ場合に重複コンテンツとして認識されたり、現地語で探しても日本語サイトが表示されたりする可能性があります。
Googleサーチコンソールでジオターゲティングを設定する
海外向けサイトのドメインが、国コードトップレベルドメインでなく、.com、.info、.netなどのジェネリックトップレベルドメインの場合、Googleサーチコンソールを使ってジオターゲティングを行います。Googleサーチコンソール内の「国によるターゲット設定ツール」からターゲットとしている国を設定することで、サイトがターゲットとしている国を検索エンジンに伝えることができます。
多言語サイトを運営する場合、この設定を言語ごとに指定します。1つのURLに対して1つのターゲット国を指定し、複数の国は指定しないようにします。
海外SEO対策の進め方
最後に、ゼロから外国語のコンテンツを企画する場合の海外SEO対策の具体的な流れを説明します。
1. コンテンツを企画する(キーワードの選定、競合調査)
キーワードの選定というのは、どのようなキーワードで検索されたときに、検索結果の上位に表示させるかを決めることです。例えば「web marketing」(ウェブ・マーケティング)というキーワードなのか、「japan web marketing」(日本・ウェブ・マーケティング)というキーワードなのかで作成するべきコンテンツ内容が変わってきます。前者であれば一般的なウェブマーケティングの内容になりますし、後者であれば日本に特化したウェブマーケティングのコンテンツを作成することになります。
したがって、自社の商品やサービスに関連のあるキーワードの中で、どのようなキーワードに対してコンテンツを作り、SEO対策を行なうのかを、コンテンツごとにはじめに決定します。キーワード選定の際には、Googleの無料ツール「Google Adwords」のキーワードプランナーというツールを使用すると、どの地域でどのキーワードがどれほど検索されているのかを判定することができます。
ターゲットとする地域でどのようなキーワードがよく検索されているかがわかるので、自社商品に関連するキーワードの中で有効なものをリストアップし、検索結果上位に表示させるのに適切なキーワードをコンテンツごとに選定します。
キーワードが決定したら、次に現在そのキーワードを検索したときに上位表示されるコンテンツを調査します。上位10位以内のコンテンツに含まれる見出しと内容を確認し、ユーザーを満足させることのできるようなコンテンツを作成します。
このとき注意するべきなのは、国や地域によって、検索結果に表示されるウェブページが異なることです。そのため各地域での検索結果を確認する必要があります。
2. コンテンツを作成する
キーワードで上位表示されている競合コンテンツに含まれる見出しを含め、それ以上に付加価値を加えた内容のコンテンツを執筆します。競合コンテンツから、ユーザーが求めている情報や行動を見極め、検索ユーザーが満足するようなコンテンツを作成します。
コンテンツは、現地語ネイティブレベルの執筆者による作成が望ましいです。例えば一度日本語で書いたものを現地語に機械翻訳しただけでは不自然な文章になってしまい、現地の人に理解されにくいコンテンツとして評価され、結果として検索順位は下がってしまいます。そのためネイティブレベルの執筆者による自然でユーザーにとって読みやすいコンテンツを作成する必要があります。
コンテンツを作成したら、誤字脱字や不自然な文章を修正する校正作業を経て、ウェブページ上に掲載します。
効果を測定する
コンテンツをウェブページ上に掲載した後は、効果を測定します。一般的にページを作成してから十分なSEO効果が出るまでに2〜3ヶ月かかるとされているので、ページ掲載後2〜3ヶ月後にそのページで選定したキーワードで表示される検索結果順位を確認します。具体的には、検索エンジンでの順位と、ページへ流入したユーザー数を調査します。
コンテンツのリライト(編集)
キーワードでの順位が期待通りの順位でない場合、そのページの評価は競合コンテンツよりも評価が低いということになります。その際には、見出しと文章を追加したり、写真やイラストの追加を行なったりしてページをリライトし、改良します。リライトを行ってから2〜3週間後にまた効果を測定し、満足できる結果が出るまで、改良を繰り返します。
まとめ
言語環境を意識した、ユーザーにとって価値のある良質なコンテンツの作成が鍵であり、
日本向けのSEO対策と異なり海外SEO対策ではネイティブレベルの言語話者によるキーワード選定やコンテンツの作成、言語環境の違いを考慮したコンテンツの企画といった新しいノウハウとリソースが必要になります。
しかしながら、ユーザーにとって良質な検索体験を提供できるコンテンツを作成することは共通します。価値のあるコンテンツ作成の考え方を根幹に、海外へ向けて自社コンテンツを発信し、海外マーケットからの集客力アップを目指しましょう。
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