越境ECを通じて、海外の消費者へ商品を届けるための基盤(言語、決済、物流)は整いました。多くの事業者様が次に直面するのは「売上をいかにして継続的に伸ばしていくか」という、より戦略的な課題です。
「Buyee経由の注文は確認できるが、具体的な次の一手が見えない」 「どの国の、どのような顧客層に、何をアピールすれば効果的なのか判断が難しい」
このようなお悩みの声を伺うことがあります。BEENOSグループは「海外販売の開始」だけでなく、その先の「海外販売の拡大」を支援するソリューションもご提供しています。
本記事では、海外販売を本格的な成長軌道に乗せるための具体的な行動計画を、「3つの戦略ステップ」として体系的に解説します。現状の課題と照らし合わせながら、貴社の海外事業における最適な次の一手をご検討ください。
まず、すべての基本となる情報発信
本格的なステップに進む前に大前提となるのが情報発信です。SNSやメルマガ、店頭掲示などを通じて商品の魅力を伝え、『海外から購入できる』ことを知ってもらうことが全ての始まりになります。
【ステップ1】顧客を理解する:データに基づき、海外市場の解像度を高める
情報発信の次に取り組むべきは、「誰に届いているのか」を客観的なデータで把握し、施策の精度を高めることです。ここで重要な役割を果たすのが、越境ECのデータ分析です。
販促支援サービス「BeeGlobal」を活用いただくと購入者の国、年齢、性別といったデモグラフィック情報を詳細に可視化できます。
これまで漠然としていた「海外のお客様」という存在が、具体的なデータに裏打ちされた顧客像(ペルソナ)として明確になります。
- 主な購買層はどの国か?(例:台湾、香港、アメリカなど)
- 年齢や性別に特徴はあるか?(例:20代女性、40代男性など)
- どのような商品が、どの地域で人気か?
これらの客観的なデータは、憶測や感覚に頼ったマーケティングから脱却し、データドリブンな意思決定を行うための羅針盤となります。顧客解像度を高めることこそ、次のステップで行うプロモーション施策の効果を最大化するための最も重要な鍵です。
【ステップ2】顧客を育成する:データに基づき、自社サイトのファンを増やす
ステップ1で顧客像が明確になったら、そのターゲットに向けてより積極的なアプローチを行い、ブランドへのエンゲージメントを高めていく段階です。ステップ1で得たデータを活用し、貴社の魅力を最も深く伝えられる自社ECサイトへ誘導してファンを増やします。
そのための手法として、主に2つのプロモーション施策が考えられます。
一つは、SNS運用やWeb広告の最適化です。データで明らかになったターゲット顧客が最も多く利用するSNSプラットフォーム(例:Instagram, Facebook, 小紅書など)で、ターゲットの心に響くコンテンツを発信します。広告を出稿する際も、最も効果が見込める国や年齢層に予算を集中投下することで、費用対効果を最大化し、自社ECサイトへの効率的な集客経路を確立できます。
もう一つは、インフルエンサーマーケティング(KOL活用)です。例えば、「台湾の20代女性にスキンケア製品が人気」というデータが得られた場合、その層に影響力を持つ現地の美容系インフルエンサーを起用します。データに基づいた人選はミスマッチのリスクを低減し、ターゲットから高い共感と信頼を獲得することに繋がります。インフルエンサーによる質の高い発信は、熱量の高い見込み顧客を自社サイトへ誘導し、購買意欲を大きく高めることが期待できます。
【ステップ3】顧客のいる場所へ:販路を拡大し市場シェアの最大化を目指す
自社ECサイトへの集客とファン化の仕組みが機能し始めたら、最後のステップとして、さらなる事業拡大を目指し、より広範な顧客層にアプローチします。自社サイトで得た海外顧客データや海外マーケティングの知見が、他のプラットフォームで戦う際の強力な武器となります。
ここでは、海外ECモールや実店舗への展開が有効な選択肢となります。eBayやShopeeへの出店支援サービスや、一括委託販売サービス「BEEGATE」を活用することで、海外の有力ECモールや小売店で商品を販売いただけます。現地の消費者が利用しやすいサービスに進出することで、わざわざ日本のECサイトまでは訪れないものの、使い慣れたプラットフォームであれば購入するという潜在顧客層にリーチすることが可能になります。ブランドの露出を最大化し、市場全体でのシェア拡大を目指す上で極めて効果的な戦略です。
さらに、オンラインの施策だけではリーチできない顧客接点や、BtoBといった新たな事業機会を創出するためには、海外催事への出展も視野に入ります。「BEEXPO」サービスは、出展計画から現地での運営までをサポートします。現地の方と直接的な接点をもつことで、価格競争とは一線を画す強力なブランド体験を提供し、ロイヤリティの高い顧客の育成や、現地バイヤーとの商談機会に繋がります。
幅広い一般消費者に素早く商品を届けたい事業者様にはBEEGATEが、特定の国でBtoB販路を開拓したい、あるいは高価格帯の商材でブランド体験を重視したい事業者様にはBEEXPOへの出展が有効な一手となるでしょう。
施策の「組み合わせ」で、成長を加速させる
ご紹介した3つのステップは、それぞれが独立したものではなく、戦略的に組み合わせることで相乗効果を生み出します。
例えばステップ1のデータ分析で得た知見が、ステップ2のプロモーション精度を高めることはもちろん、ステップ3の現地向けの施策立案に役立ちます。また、現地の最前線で得られるリアルな市場の反応は、ステップ1やステップ2の分析や施策をより深いものへと進化させていきます。ステップは一直線のプロセスではなく、各ステップが相互にフィードバックしあい、らせん階段を上るように事業を成長させていく、持続可能な成長サイクルの構築を意味します。
BEENOSグループは、これら全てのフェーズにおいて、事業者様に寄り添い、客観的データと豊富な実績に基づいた最適なソリューションをご提案するパートナーです。越境ECの次なる成長戦略について課題をお持ちの際は、ぜひ一度ご相談ください。貴社の海外事業を、新たな成功のステージへと導くご支援をいたします。